大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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オオネズミ

「若様、魔物が近づいてきております」
「そのようだね。でも数はそれなりだけど、かなり弱そうだね」
「はい。銅級と思われます」
「レイラさん、銅級の魔物が近づいて来るんだけど、その子たちの練習に狩ってみますか。狩った獲物はその子たちの取り分にしていいよ」
「本当ですか?! そうさせて頂ければとても助かります」
「貸しているショートソードは、あまり質の良くない鉄製だけど、チームで銅級の魔物を狩れるようになったら、この魔境でも生きていけるんじゃないかな」
「はい! 剣と防具を貸していただける間に、狩りの練習ができればいいと思っていたんです。ではさっそく狩りに行かせてもらいます」
「肉を焼く匂いに魅かれているようだから、向こうからやってくると思うよ。安全なここで待ち伏せすればいいよ」
「はい、ありがとうございます」
「「「「ありがとうございます」」」」
 レイラに率いられた四人の少女は、魔物が近づいて来るのを待ち伏せるために、それぞれが大きな木の影に隠れた。
 銅級の魔物など、レイラ一人で何頭でも狩れるのだが、少女たちに経験を積ませるために、じっと我慢していた。
 姿を現したのは、全長百二十センチメートルくらい、体重は五十キログラム前後と思われるオオネズミの群れだった。
 それなりの大きさではあるが、魔境では最弱の魔物で、牙による攻撃も獰猛な獣以下だった。
 だがそれでも魔物だから、極小さいが体内に魔核を持っていて、少額ではあるが魔核も買い取ってもらえる。
 肉は独特の風味はあるものの、食用にしても狼よりは美味しく食べることができる。
 熊よりも美味しいかと言えば、熊の臭みが気になるかならないか、好みに合うか合わないかだし、激しく動いて体温が上がり、肉質が劣化したかしないかでもある。
 今回は買取価格や食べて美味しいかなどは無視して、ただただ少女たちの訓練目的なので、待ち伏せした四人が一斉に一頭のオオネズミに剣を振るっていた。
 残り九頭のオオネズミは、仲間を助けるより逃げ出すことを優先したが、ルイとダイが指弾で飛礫の攻撃をして、一撃で倒していた。
 四人の少女は、逃げ出そうとするオオネズミを一人が身体を張って押しとどめ、他の三人が滅多打ちにすることで、毛皮をだいなしにしたものの、何とか逃がすことなく狩ることができた。
 彼女たちにとったら、売り物にならなくても食料さえ確保できるようになればいいので、まずは合格できたと言う状態だった。
 だがもう持ちきれないだけの獲物を狩ったので、ルイもダイも魔法袋が使える魔術士だと言うのは隠していたので、一旦レイラ達だけで獲物を持って帰らせることにした。

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