大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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詐欺

「ワームを狩ってきたから買い取ってもらいたいのです」
「なんですって?!」
「ただし条件があります」
「そんな事よりスタンピードをどう責任取ってくれるんですか!」
「スタンピードなど起きないよ」
「ボスを狩ってしまったら、モンスターが暴走してしまうのは常識ではありませんか! ボスを狩るなら事前に相談してくださって、それなりの準備が必要なのは常識ではありませんか!」
「だからスタンピードは起こらないよ。何故ならオリビアが狩ったオームは、この魔境のボスではないからね」
「なんですって?! それはどう言う事ですか!」
「だからね、オリビエが狩ったオームより強い古竜がこの魔境にいるから、オームを狩ってもスタンピードは起こらないんだよ。心配なら魔境に行って確認してくればいい」
 オーランド王国の言葉が上手く使えないオリビアに代わって、ルイが冒険者ギルドの受付とオームの販売について交渉したのだが、買取以前に魔物のスタンピードを恐れた受付がパニックを起こしてしまった。
 ルイの言葉だけだは信用できないギルドの職員たちが、急遽冒険者を護衛につけて、代官所の武官と一緒に魔境に確認に行って、スタンピードが起きていないのを確認してきて、ようやく話が出来る状態に戻った。
 だが今度は本当にワームを狩ったのかと言う疑問になったが、ルイはビッグクロコダイルを狩ったギースの師匠であり、狩るのに必要不可欠な魔槍の製作者でもあると聞いていたので、無暗に否定することもできずにこまっていた。
「では証拠にオームを見せますから、魔法袋から出せる場所を教えてください。それと買取に関しては、魔晶石を除外してもらいます」
「場所は解体場を使っていただきますが、魔晶石の買取除外は受付で決められる事ではありません」
「ですがこれからもコンスタントにビッグクロコダイルやワームを狩るには、魔力を確保する必要があるのですよ。残念ですがワームを狩ったオリビアさんは、魔力がないので定期的に魔斧槍にはめられている魔晶石の交換が必要なのです」
「オリビア殿はオーランド王国に移民してくださるのですか?!」
「護衛契約中。無理。隊商が来るとき狩る」
 片言のオリビアが会話に加わるも、まともな会話は成り立たず、やはりルイがギルド職員や後から加わった代官所役人と交渉するのであった。
 結論から言えば、ワームの魔晶石はオリビアの手元に残ることになった。
 理由は既に十頭ものビッグクロコダイルを狩っており、明日以降も同じように狩りをするには、魔晶石が必要不可欠だとルイが言ったからだった。
 オーランド王国の役人も冒険者ギルドの幹部も、明日も十頭以上のビッグクロコダイルを狩ってもらえるのなら、その利益は莫大なモノになり、王国も冒険者ギルドもその利益で十年は予算に苦しまなくてすむ。
 条件としては、魔晶石以外のすべての素材をオークションで買取に出すと言う事で話が付いたが、ルイは一つ大きな嘘をついていた。
 いや、嘘と言うよりオーランド王国の間違いを訂正しなかった。
 オーランド王国がワームだと思っていたのは、ただのキングリーチだったのだ。
 本当なら玉鋼級の魔物としてオークションにかけるはずの獲物は、金剛石級のワームとしてオークションにかけられることになった。


ワーム2
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