大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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獣人族2

 ルイたちが次に行った村は熊獣人の村だった。
「助けに来たよ! 助っ人を連れてきたよ!」
「ここは大丈夫だ! 人間などに負ける我々でない。直ぐに追撃して人間など皆殺しにしてやる!」
 この村にも多くのフィン王国軍が襲い掛かっていたが、さすがにどれほど武装していようとも熊獣人の村を蹂躙することはできず、村の外に撃退されていた。
 だが撃退はできたが、熊獣人村も多くの被害を出しており、村を守り切るために沢山の努力もしていた。
 まだ小さい熊獣人も子供も、半獣化や完全獣化をすれば、大人の人間相手でも互角に戦う事ができるので、恐怖に必死に耐えながら戦っていた。
 熊獣人の村が安心して後片付けができるように、撃退されていようとフィン王国の将兵を瞬殺し、燃えている家を消火して、ケガ人も治療したうえで次の村に向かった。
「助けに来たよ! 助っ人を連れてきたよ!」
「うううう、子供たちが連れ去られて、助けてやってくれ」
「分かった! 必ず助けるから、気をしっかり持って死ぬんじゃない! 帰ってきて父親が死んでいたら子供たちが悲しむぞ!」
 ルイたちは悔しかったが、すでにこの村では多くの村人が殺され、女子供が連れ去られた後だった。
 直ぐに追いかけて女子供を助けたい思いはあったが、非情なようだが連れ去られた女子供は奴隷と言う財産になるので、殺されることだけはない。
 だが今も必死で人間と戦っている村では、今この瞬間にも殺される獣人がいるので、歯軋りするような苦い思いを飲み込んで、連れ去られた獣人を助けに行く前に、次の村の援軍に行かなければいけないのだ。
 しかしその前に燃え盛る家々を消火し、傷つき倒れている人々に治癒の魔法をかけるのだった。
 最初の数カ所の村を助けに行くときは、ルイとダイは一緒に行動していた。
 ダイがルイへの魔族の襲撃を恐れて、別々に救助に行くことをこばんだからだった。
 だが獣人族の村々の惨状をまのあたりにして、ルイがダイに別々に助けに回ろうと、逆らえないくらい強く命じたのだ。
 確かに全ての魔族の襲撃に危険がないとは言わないが、今襲ってきている魔族では、ルイに傷一つ付けることはできないのは明白だった。
 カーラの案内がなければ、フィン王国軍と間違われて獣人から攻撃される恐れもあったが、それはルイの方にカーラをつければすむことだった。
 それにフィン王国軍を撃退できない程度の獣人ならば、ダイを傷つける事などできないのだ。
 ダイは表面上渋々、でも内心では慈愛の心を持つ主君を嬉しく誇りに思いながら、別々に救助に向かう事を承知したのであった。
 ルイとダイが二手に分かれたことで、救援の速さが倍になり、その分傷つき殺される獣人が減り、連れ去られた女子供を早く助けに行けることになった。
 連れ去られた女子供の事を心配しながら、全ての村を助けに回ったルイとダイは、遂に逆襲に転じる事になった。

熊獣人の子供
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