大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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宣戦布告

「ルートヴィヒ陛下、どうか我が国に援軍をお送りください!」
「それはできぬ」
「なぜでございます?! 隣国の誼を持ちまして、どうか我が国の苦境をお救いください」
「ベルドナルド全権大使殿。そもそも我が国と貴国では全く国の成り立ちが違う」
「何を申されますか。同じ王制を敷く国同士ではありませんか」
「黙れ! 陛下に対してこれ以上不遜な言動をするのなら、我が国はフィン王国に侵攻して、圧政にあえぐ民と奴隷として虐待されている獣人を開放するぞ!」
「やはり最初からそれが狙いでしたか!」
「何を身勝手な事を申している! 我が国から一度でも貴国に侵攻したことがあったか?! 我が国と貴国の戦争は、常に貴国が我が国に攻め込んで来たではないか。それをこの期に及んで援軍を要求するなど厚顔無恥にも程があるわ!」
「過去の我が国の侵攻は、先に貴国が我が国に侵攻しております。我が国はその報復の軍を起こしたまででございます」
「それは我が国の軍に偽装した貴国の軍が、戦争の口実に行ったことではないか!」
「証拠はどこにございますか?」
 オーランド王国の宣戦布告と侵攻を受けて、フィン王国は恥知らずにもベルト王国に援軍を求めていた。
 過去何度も、悪辣な手段を講じて戦争の大義名分を偽造し、一方的にベルト王国の攻め込んだ行為を謝ることも賠償することもなくだ!
 そのあまりな言い分に激怒したベルト王国重臣たちは、口々にフィン王国から来たベルドナルド全権大使罵ったが、ベルドナルド全権大使はさらに身勝手な考えを重ね、ベルト王国が最初からフィン王国に侵攻しようとしていたと言いがかりをつけるのだった。
「今の言いようは陛下に対する不敬である。その不敬に対する報復として、我が国は貴国に侵攻することを通告する。これはベルト王国王太子にして、副大将軍である我の決定である」
「え? そんな?! 私はただ」
「この礼儀知らずを我が国から叩き出せ!」
「「「「「は!」」」」」
 近衛騎士団は王太子の命に喜び勇んで従った。
 近衛騎士団の面々は、国王陛下に身勝手な要求を繰り返すベルドナルド全権大使に、怒り心頭に達していたのだ。
「オットー、一兵たりとも我が軍の将兵を死なせないように」
「心得ております。将兵を国内で動員するだけで、実際には攻め込むことなく、領土の割譲を成し遂げて御覧にれます」
「そうか。だが万が一思い通りにならなくても、無理に攻め込むではないぞ」
「心得ております」


フィン王国軍
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