大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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創生

「何しに来た人間!」
「お前の祖父と親父が引き起こした惨劇を何とかしにだよ」
「黙れ、黙れ、黙れ!」
「愚かで傲慢だからこのような事態を引き起こしたし、この事態を解決することもできないのだよ」
「死ね!」
 あまりの怒りに我を忘れてしまったのだろう。
 若いエルフがレイピアを抜いて突きかかってきた。
 ルイが対応する前に、ダイが若いエルフの前に現れて、全ての物が混ざり合い溶け合っている場所に投げ放った。
 ダイは、結界外からこの若いエルフの悪口雑言に怒っていたのだろう。
全く手加減せずに、一番地獄に近いと思われる場所に放り投げたのだ。
「ウギャ~! おのれ、おのれ人間! 許さん、絶対に許さんぞ人間!」
「お前の祖父と父親が創り出した場所だ。俺たちを恨むのは筋違いだ。恨むなら祖父と父親を恨むんだな。その場で苦しんいる、全てのエルフがそう思っているよ!」
 ダイの行為に怒り、武力で実力行使しようとしていたエルフたちも、ダイの言葉を聞いて攻撃するのを戸惑った。
「ずいぶんな事をしてくれるが、これが人間の言う何とかすると言う事なのか?」
「いえ、そんなことはありませんよ。愚かで高慢なエルフ族とは違い、人間は愚かですが謙虚ですから」
「その愚かで謙虚な人間様は、何をしてくれるのかな」
「何をすると言うよりは、エルフの方々が自分でなすべきことをお伝えします」
「それは何なのだ?」
「自分を強く持ち、神々が天地を創生されたように、自分たちの体と心、さらに記憶も集めて固めるのです」
「なるほど! あれは天地創生前の混沌だと言うのだな!」
「はい。ですから全ての物が混じり溶けてしまっているのです。この状態で中心にいる生き物を殺してしまったら、そのまま全てが固まってしまい、エルフ族も死んでしまう事でしょう」
「だから先に自分を固めて、混じり溶け合っているモノと分けておかねばならないのだな」
「はい」
「だが自分を取り戻し固めたとしても、混沌を何とかしなければ、直ぐにまた混じり溶け合ってしまうぞ」
「中にいるエルフ族が自分を取り戻したら、天地創生と同じように七属性の守護神を召喚し、混沌を囲めば固められるのではないですか」
「なるほど、それならば混沌を打ち消すことができるかもしれん!」
「ですか今それをすれば、繰り返しますが、中にいるエルフたちはありとあらゆるものと一緒に固まってしまい、死んでしまいます」
「そうだな。よし、エルフたちに自分を保つように伝えよう。あの中に家族や友人が捕らえられている者たちよ! 彼らとの思い出を強く思い浮かべ、彼らが自分を取り戻せる助けをするのだ」
「はい!」 
 周りにいる全てのエルフたちが、声をからして混沌に巻き込まれた仲間に自分を取り戻すように声援を送り、美しい思い出を思い浮かべるのだった。
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