大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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迎撃

「ダイ?!」
「申し訳ございません。時間をかけすぎてしまいました!」
「いや、私が自分にこだわり過ぎました。一分一秒でも早く、ダイを魔界に送るべきでした」
 ルイは悔しそうに唇をかみしめ、自分の失敗のせいで多くに人々が殺されていく気配を感じ、真っ青になって全身を振るわせていた。
 ルイがダイの提案に素直に従い、直ぐにダイを魔界に送っていれば、このような大惨事は起きなかったかもしれない。
 その思いがルイの心を責め苛んでいた。
 だからその罪滅ぼしと言うわけではないが、ルイは今まで固執していた考えを捨て、直ぐに次善の策に切り替えたのだった。
「直ぐに魔王を倒しに行ってください。この世界に入り込んだ魔族は私が倒します」
「分かりました。魔王の事は心配しないでください」
 ダイはそう言うと、ルイの返事も待たず魔界への門を開き、すばやくその門を通って魔界へと向かった。
 無理矢理魔界へ通じる門を開くために、ダイは多くの魔力を使ってしまっているので、休息もせず仲間との連携協力もなく魔界に行くことは、大きなリスクを背負う行為だった!
「全ては私の失敗です。罪滅ぼしは後で必ずするとして、まずは魔族を倒さなければいけません。皆さんにも王宮王都内の魔族討伐をお願いします」
 ダイは近くにいるミカサ公爵一族に協力をお願いすると、直ぐに自分にできることをやり始めた。
 まずはまだ魔法攻撃が届く範囲にいる魔族とスライムを倒すべく、数千数万と言う数多の魔法の矢を創り出し、次々と魔族とスライムに向けて放ったのだ!
 圧倒的なその攻撃力は、転移してきた魔族を全て倒すかとも思われたのだが、魔族を狙った魔法の矢は、盾になったスライムにより防がれてしまった。
 普通は本能だけで行動するスライムだが、魔王が三魔氏族に貸し与えたスライムは、異界に攻め込む時の先兵にすべく、魔族の命令に従うように調教されていたのだ。
 超過酷な魔界の環境で最弱のスライムが生き残っているのは、繁殖力と捕食消化能力が魔界でも常識外れであったからだ。
 食べる物が無ければ砂や石などの鉱物まで取り込み、ミクロの単位にまで分裂繁殖して生き残りを図るスライムは、一匹でも魔界に残しておけば、いくらでも増やすことができるので、数百万のスライムが魔界から送り込まれてきたのだった。
 さすがにルイも、数百万のスライムを一瞬で全滅させる事ができず、何度も何度も数万単位の魔法の矢を叩きこみ、地道にスライムを倒すしか方法がなった。
 だが同時に手持ちの魔晶石を使って戦闘用の使い魔を創り出し、四方八方に散って虐殺を行う魔族を追撃させた。
 ルイが魔王召喚を防ぐために魔族を追撃している時に、魔界ではダイが激戦を繰り広げていた。
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