大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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尻の下二

「ガビまで一緒に来ることはないと思うのだが」
「私から離れたいと言われるのですか」
「そんなことはないよ。だた、ガビは女王になるのだから、宮中で色々とやるべき事があるのではないかい」
「そんな事はありません。優秀な執事たちが、全て取り仕切ってくれていますから、私は報告を聞き、決済するだけでいいのです」
「そうなのかい。普通の国だと、不正をする家臣が多いから、常に眼を光らせておかないといけないのだけれど、ミカサ一族には、そんな悪いモノはいないのかい」
「ミカサ一族では、実力が優先されますから、私に逆らうモノはほとんどおりません。それに私の眼を掻い潜り、不正を働こうとするモノは、事が露見した時には、死を覚悟しなければいけません」
「そうか。だったら、高官に賄賂を贈って、悪事を隠蔽しようとするモノはいないのかい。悪事を隠蔽する事で、賄賂を得ようとするモノもいないのかい」
「父上も私も、同時に多数の使い魔を駆使する事が出来ます。私たち親子の眼を掻い潜る事など不可能です。同時に、私たち親子から逃げ切ることも不可能です」
「そうか、実力に裏打ちされた統治方法なのだね」
「はい。私が何処にいようとも、政務に不都合などありません」
「だけど、やはり宮殿や屋敷の中にいた方が、直接顔をあわせられるから、親愛の情を育む事が出来るのではないかい」
「その通りです。やはり家族や君臣の間は、親しく接して親愛の情を育てなければなりません」
「そうだろう」
「だからこそ、婚約者のルイ様とは、常に側近くにいなければならないのです」
「ありゃ、ありゃ、これは一本取られたね」
「我が一族の者全てが、ルイ様と私の事を心配しているのです」
「ごめんね。分かったよ。もう何も言わないから、一緒に狩りをしよう」
 ルイとガブリエラは、一緒に魔境に来ていた。
 本当はルイ一人だけで、魔境で狩りをする心算だったのだが、ガブリエラが一緒に行くと言って譲らず、護衛を連れて一緒に魔境に来たのだ。
 何故狩りに来る必要があったのかというと、思いがけず統治することになった国々の、多くの民を飢えさせないためだった。
 愚かな王女の所為で、国内が無茶苦茶になってしまい、明日の食糧にも事欠く民が溢れてしまった国。
 愚かな王女の放った魔族に王族が皆殺しにされ、次に軍勢が攻め込んできた事で、多くの民が家を失い、難民と化してしまった国でも、多くの民が明日の食糧にも事欠くありさまだった。
 そんな国々の治安を安定させるには、食糧にも事欠く民を集めて軍隊として、軍隊による都市再建を行い、食糧を配布しなければいけなかった。
 何もさせずに食糧だけ配布すれば、民を寄生するだけの、怠惰な人間に堕落させてしまう。
 軍として集めなければ、戦力を失った国に攻め込ん来る、隣国や盗賊団がいるからだ。
 だがその莫大な食糧は、どこかから集めなければならない。
 金で市場から買い集めれば、食糧の暴騰を引き起こしてしまう。
 そこでルイが魔境で食糧を集めることにしたのだが、ガビの一緒にいたいと言う願いを優先することになってしまった。
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