大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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決意

「町の再建は順調に進んでいるのかい」
「人の力には限界がありますが、それでもよく働いてくれています」
「事故の起こらないように、無理はさせないでくれ」
「気を付けます」
「隣国の動静はどうだ」
「侵攻の隙を伺っていたようですが、王配殿下が難民と貧民を徴兵されてからは、侵攻する気配はありません」
「そうか。それはよかった。軍隊の食糧配給は公平にしてくれ。これは国を守る絶対条件だ」
「御任せ下さい」
 丸一日かけて、膨大な食糧を集めたルイは、翌日二カ国を回って食糧を配布した。
 無料で配布するのではなく、難民と貧民を集めた軍隊に配給する形にした。
 女子供や老人は、補給部隊や屯田部隊に配備して、支援に抜け落ちがないように気を付けた。
 特に子供に関しては、義務教育の学校を設立し、支配下地域の民度を高めようとした。
 ほぼ全ての食糧を配布すると、大国二カ国の難民貧民併せて、全四百万人六十日分の食糧となった。
 生のままでは日持ちがしないので、その日は国家再建事業を休んで、食糧を塩漬けしたり天日干ししたりして、保存食糧とした。
「ルイ様、本気なのですか」
「ああ、ダイを見殺しにする訳にはいかない」
「父も私も、ダイなら心配はいらないと保証いたしますが、それでも魔界に行くと申されるのですか」
「ガビと義父殿の申されることを信じていない訳ではないのだが、余の為に魔界に行ったダイが帰ってもない以上、このまま安穏にガビと暮らすわけにはいかない」
「ルイ様がどうしても魔界に行かれると言われるのなら、私もついていきます」
「駄目だ。絶対に駄目だ。魔界のような危険な所に、ガビを行かせるわけにはいかない」
「ルイ様がそんなに危険と言われる魔界に、一人行かれるルイ様を見送る私が、どれほど心を痛めているか、考えて下さった事はありますか」
「それは・・・・・すまない」
「では思いとどまって下さるのですね」
「それは・・・・・出来ない。友として主筋として、危地に赴かせた家臣を、見殺しには出来ない」
「人の上に立つ者は、時には家臣を死地に送り込まなければならないのです。王家に御生まれに成られたルイ様なら、御理解されておられますよね」
「分かっている。分かっているのだが、どうにかならないだろうか」
「ルイ様は御自分の責任を分かっておられますよね」
「・・・・・分かっている」
「ルイ様の願いを聞いた事で、六千万人の命の責任が、私をはじめとするミカサ一族の肩にのしかかっているのです」
「・・・・・分かっている」
「その責任を放り投げて、一人魔界に行くと言われるのですか」
「すまない」
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