大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

文字の大きさ
170 / 212
本文

消耗戦

 意を決して、迷いを断ち斬り、龍級の魔法を連携連続して放った。
 龍級とは言っても、余とガビが連携しているから、最低限龍級と名乗れるような攻撃ではない。
 次の階級を名乗るまでには、十倍もの間がある。
 最低限の龍級から比べれば、三倍の破壊力がある。
 そんな攻撃を、連続して八発も、両手両足を狙って放たれたのだ。
 ダイであろうと、柳に風とは受け流せない。
 狂気に囚われ、龍に変化しているとは言え、戦闘本能は失われていない。
 八発の龍級攻撃魔法を、簡単に防御魔法で防ぎ切ってしまった。
 ダイの事だから、手足を斬り飛ばす事など出来ないとは思っていた。
 だけど、少なくとも一発は、身体に当てる事が出来ると思っていた。
 あてた後で、身体防御に防がれると思っていた。
 いや、正直に言おう。
 四発は身体に当てることが出来ると思っていた。
「ルイ様。次は身体の中心に向かって、連続十二発放ちますが、大丈夫ですか」
「任せてくれ」
「では、呼吸を合わせて下さい」
「分かった」
 ガビの指示通り、十二発の攻撃魔法を放った。
 さっきは不意をつけたが、これからは避けられる可能性もある。
 一番避け難い、身体の中心を狙う。
 ガビは余の魔力量を心配してくれていたが、これくらいの攻撃は余裕でこなせる。
 むしろガビの魔力量に余が驚いている。
 まあ今回は、一発放つごとに魔界から魔力を吸収しているので、全く魔力が減っていない。
 外界から魔力を吸収できる能力や技を持っている者でも、一度に一瞬で取り込める量には限りがあるのが普通だ。
 龍級の魔法を創り出す為の魔力量を考えれば、いくら魔素の溢れた魔界とはいえ、周囲の魔素が一時的に枯渇するのが当然だ。
 だが今回は、ダイを隔離している空間には、余とガビの魔法とダイの魔法が激突した際に、莫大な量の魔力が魔素に分解されているから、そこから幾らでも吸収できる。
 いや、ダイよりも早く吸収しなければ、ダイを魔力切れに追い込めない。
 千日手のように、余とガビが連携して攻撃し、ダイがそれを防ぐと言う事が続き。
 その合間に、余とガビとダイが魔素を吸収する。
 当然の事だが、狂気に侵され龍化していても、ダイが魔素の吸収を疎かにしたりはしない。
 一対一なら、完全に千日手となっていただろう。
 だが余には、ガビが付いていてくれる。
 二対一なら、ダイを圧倒する事が出来る。
「ウガァルルゥ」
 ダイもこのままでは負けると判断したのだろう。
 天に向かって大きく吠えると、余とガビの攻撃に対応しながら、恐ろしい魔力を身体の中で練り始めた。
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

追放された悪役令嬢は、辺境の谷で魔法農業始めました~気づけば作物が育ちすぎ、国までできてしまったので、今更後悔されても知りません~

黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リーゼリット・フォン・アウグストは、婚約者であるエドワード王子と、彼に媚びるヒロイン・リリアーナの策略により、無実の罪で断罪される。「君を辺境の地『緑の谷』へ追放する!」――全てを失い、絶望の淵に立たされたリーゼリット。しかし、荒れ果てたその土地は、彼女に眠る真の力を目覚めさせる場所だった。 幼い頃から得意だった土と水の魔法を農業に応用し、無口で優しい猟師カイルや、谷の仲間たちと共に、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。やがて、その成功は私欲にまみれた王国を揺るがすほどの大きなうねりとなり……。 これは、絶望から立ち上がり、農業で成り上がり、やがては一国を築き上げるに至る、一人の令嬢の壮大な逆転物語。爽快なざまぁと、心温まるスローライフ、そして運命の恋の行方は――?

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~

tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!! 壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは??? 一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。