大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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新婚旅行

「ルイトポルト殿下、宜しいでしょうか」
「ああ、構わないよ」
「ガブリエラ陛下の事なのですが」
「うん」
「旅に出られるのでしたら、一緒に連れて行って差し上げていただきたいのです」
「おい、おい、おい。国の政を、女王陛下不在にするのか」
「はい。陛下のこれからを考えますと、それくらいの愉しみは御認めすべきと、重臣一同意見が一致しました」
「つまり、ミカサ一族の総意と考えていいのだね」
「はい。ミカサ一族の総意でございます」
「理由を教えてくれるかい」
「ルイ様は、ガブリエラ陛下から、妊娠期間が十年と御聞きになられましたね」
「ああ、昨日聞かせてもらったよ」
「それまでの間、ルイトポルト殿下に御会いできないガブリエラ陛下の御気持ちを考えますと、妊娠するまでは、出来る限り御一緒にいて頂くように、配慮する事に臣下一同一致して決めました」
「余は別のガビが龍の姿であろうと、気にしないし愛情に変わりはないのだが」
「恐れながら、ルイトポルト殿下は女心を分かっておられません」
「そうなのか」
「はい。ガブリエラ陛下は、ルイトポルト殿下には人型の姿しか見せたくないのです。それが恋する女心と言うモノでございます」
「ふむ。確かに余には分からん。ガビがどのような姿になろうとも、余の愛情が色褪せることはない」
「ルイ様はそうでございましょうが、ここはガブリエラ陛下の御心に配慮して頂けませんか」
「そうだな。ガビはもちろん、ミカサ一族にも随分と無理難題を聞いてもらっている。ここはガビとミカサ一族を願い通り、一緒に旅に出るとするか」
「有難い事でございます」
「で。何時旅に出ればいいのだ」
「何時でも構いません。ただ、出来れば五年くらいはゆっくりと復興に時を使って頂きたいです」
「五年か。五年は長いな」
「長いですか」
「ミカサ一族には、五年など一瞬かもしれないが、人間には結構長いぞ」
「しかしながら、ルイトポルト殿下なら、寿命を延ばす方法など幾らでもあるのではありませんか」
「確かに方法はあるが、元々の寿命が短いから、長く生きても途中で心が枯れてしまうかもしれない」
「心が枯れるのですか」
「ああ、絶対にそうなるとは言わないが、敏と共に感動が薄くなると思うのだよ」
「それは、そうかもしれませんね」
「子供の頃や、若い頃の感動が、歳を重ねても感じられるとは思わないのだ」
「若い頃だけの感動でございますか」
「ああ」
「それでも、ガブリエラ陛下の為に、復興に力を注いでいただきたいと申しあげたら、ルイトポルト殿下はいかがなされますか」
「さっきも言ったように、ガビとミカサ一族には国と民と言う重荷を押し付けた。だから、出来る限りその要請には応えるし、出来ない場合は、代案を示そう」
「分かりました」
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