大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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下種野郎

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「うへへへへ」
「役得だな」
「名主様の跡取りを誑かすだけあって、しゃぶりつきたくなるくらい好い女だな」
「本当にしゃぶりたい放題だ」
「殺すのが勿体ないな。奴隷にして売ったら、いい金になるぞ」
「待て、待て。新しい王家は、奴隷を禁止しているぞ」
「そんな事知った事か。王族なんぞの言う事は無視すればいい」
「だがバレたら死刑だぞ」
「バレやしないよ。第一、取り締まる役の名主様が黒幕なんだから」
「いや、その名主様が殺せと言っているんだ」
「名主様はそう言っていても、取引相手は欲しがるよ」
「名主様に内緒で売ると言うのか」
「そうだよ」
「だがそんな条件じゃ買い叩かれるぞ。買い叩かれて上に、弱みまで握られるぞ。止めや方がいい」
「ちぃ。だったら、娘が吐くくらい抱いてやる」
「それがいい」
 下種野郎共が好き放題行っているが、聞き流せない事を言っていた。
 村役人を兼任する名主が、ガブリエラ女王陛下の勅命を無視して、奴隷売買を行っていると言う事だ。
 御忍び中のガビも、内心激怒しているようだ。
「待て。下郎共」
 うわ。
 激怒しているよ。
 こりゃ血の雨が降るぞ。
 だが直ぐに殺すわけにはいかない。
 名主が奴隷売買していたと証言してもらわなければならない。
「ガビ。名主が奴隷売買している事を、こいつらに証言してもらわなければならないから、殺しちゃ駄目だよ」
「分かっております。ルイトポルト様」
 うわ。
 余の事をルイではなく、ルイトポルトと呼んだと言う事は、怒りが頂点に達している。
「何だ。ねえちゃん」
「引ん剥かれたいのか」
「おい。好い女だぞ」
「やっちまうか」
「この女達なら、奴隷に売っても問題ないぞ」
「ひゃひゃひゃ。鴨が葱しょってやってきたぜ」
「ねえちゃん。俺達でたっぷり可愛がってやるぜ」
「そうだそうだ。一生男に困らないようにしてやるよ」
「ふぇふぇふぇふぇ」
 下種共が好き勝手言っているが、こりゃ地獄行きだな。
 いや、地獄の方が楽だと言えるくらい、壮絶な拷問を加えられるな。
 ミカサ一族には、拷問専門の役職があると聞いている。
 ベルト王国にも拷問官はいるけれど、拷問を行うには王家に許可を得なければいけないし、許可を出しても行き過ぎた拷問を行わないように、目付を派遣するからな。
「下種は報いを受けよ」
「「「「「ウゲェ」」」」」
 五人の下種野郎共は、ガビの放った魔法で、全ての歯をへし折られ、下顎骨も粉砕骨折させられた。
 これで一生流動食しか食べられないな。
 それどころか、噛みしめる行為をする度に、脳天を突き抜けるような激痛を感じるだろう。
 だがこれで終わらないだろうな。
 狂わないギリギリの所で、拷問をするのだろうな。
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