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紅花村3

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 村長の証言だけでは証拠として弱いので、村人全員から証言をとった。
 皆一様に村長と同じ事を言っていた。
 口裏合わせをしていない限り、この村の状況は村長の証言通りだ。
 魔晶石使い魔の従者を使い、それこそ屋根裏から床下まで調べて、隠している財産や食糧がないか調べ上げた。
「さて、どうしようか」
「このような件は、ルイ様に御任せしたいです」
「普段はガビに御政道を任せているのだけど」
「だからこそ、このような時くらい、ルイ様に御任せしたいですわ」
「やれやれ。仕方ないね」
 普段面倒な事は全てガビに任せて、余は自由を満喫している。
 二人で新婚旅行をしている間位は、余が面倒事を引き受けないといけないな。
 だが、この村の事情は分かったが、代官からは何も聞いていない。
 一方からだけ証言を聞くのは片手落ちだろう。
 しかし代官と言う権力者なら、証拠を隠滅したり偽証を強要したりすることも可能だ。
「問題は代官だけど、直接証言を聞く前に、色々と調べておいた方がいいだろうね」
「先程も申しましたが、ルイ様に御任せいたします」
「そうは言っても、相談くらいはさせて欲しいな」
「私はルイ様を信頼しておりますから、全て御任せいたしとうございます」
「普段政治向きの事は一切していないから、見落としで民に難儀をかけてはいけないから、相談くらいはさせてくれよ」
「仕方ありませんね」
 なんだかんだ言っても、ガビは母性が強いから、余の甘えを許してくれる。
 もしかしたら、妊娠したら変わってしまうかもしれない。
 子供が生まれたら、余の事など鼻にもかけてくれないかもしれない。
 母性が強いからこそ、年下の夫などよりも、子供に夢中になってしまうかもしれない。
 だから、今位甘えさせてもらってもいいだろう。
「今迄通り、魔晶石使い魔に調べさせればいいではありませんか」
「巡検使の従者として派遣するのかい」
「もう。分かっているのに、分かっていない振りをするのは御止めください」
「ごめん、ごめん。最初は隠密に調べさせるのだね」
「証拠を押さえてから、従者を派遣して拘束するのは、今まで何度もやったではありませんか」
「うん、分かっているよ。ちょっと甘えただけだよ」
 ガビと相談した通り、多くの魔晶石使い魔を隠密に派遣して、紅花村を管轄とする代官の行状を調べさせた。
 その御陰で色々と分かって事があった。
 その全てが代官を黒と断定する証拠となった。
 証拠隠滅が行われないように、強武装の魔晶石使い魔を派遣し、反乱に備えた上で、村人を引き連れて代官所に乗り込むことにした。
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