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プロローグ
序1
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アイル皇国は千年の歴史を誇る大帝国だった。
多くの分家王家や属国王家が臣従する大帝国だった。
だが千年の歴史は、皇国を腐敗させ弱体化させた。
近年では諸王の力が皇家を圧し、政を壟断するほどだった。
多くの派閥が暗闘を繰り返し、外戚として実権を握ろうと、皇位継承権に介入してきた。
時には兄弟骨肉の争いが行われ、暗殺まで行われてきた。
そんな皇家に、希望の星が現れた。
文武両道に秀で、聖者と評されるほどの治癒魔法の名手の第一皇子だ。
年端もゆかぬ幼い頃から、自身に向けられた毒薬を無効にするだけでなく、多くの毒見役の命まで救った。
これにより、第一皇子の忠臣が横死する事がなくなり、力を保つことが出来た。
毒殺がムリと判断され、次は直接の刺客が送られた。
その刺客の凶刃から第一皇子を護ろうと、近衛騎士が瀕死の重体となるが、第一皇子治癒魔法で完治した。
そんな事が度重なり、近衛騎士団の心を得た。
一般騎士団が危険な魔獣討伐に出ると聞けば、何を置いても臨席すると言い、負傷した騎士を死の淵から救い出した。
皇帝陛下を御護りする親衛騎士団も、皇族を護る近衛騎士団も、皇国を護る一般騎士団も、何時しか第一皇子殿下を心から慕い、忠誠を尽くすようになっていった。
だがこれが、皇国を私している諸王国と大貴族の危機感を煽った。
諸王国と大貴族が連合すれば、皇家の直臣全てが結束しても負けることはない。
だが、諸王国でも飛び抜けた戦闘力を誇り、権力争いから距離を置き、独立独歩の姿勢を貫いてきた、ギャラハー王国が皇家の味方に付いたら話は別だ。
諸王国のリーダーだったオキャラン王家のイーハ王が、ギャラハー王国のコナン王を懐柔しようとした。
それが、清廉潔白なコナン王を激怒させた。
歴代のギャラハー王は皇国の政とは距離を置いていたが、イーハ王に嫌がらせをする為に、第一皇子との謁見を願い出た。
「コナン王殿。
私に剣を教えてもらえませんか?」
第一皇子はコナン王との謁見で、突拍子もない事を言い出した。
イーハ王への意趣返しの為だけに謁見を願い出たコナン王だったが、その言葉で初めて第一皇子オシーンに興味を抱いた。
そして立ち会ってみて、第一皇子の弛まぬ努力を知った。
まだ若いにもかかわらず、指には何度も何度も潰したであろう剣ダコがあった。
まだまだ円熟したとは言い難いが、足運びも視線の動きも努力が見受けられた。
必死で自分の人柄を見抜こうとしている姿勢も好感が持てた。
コナン王は実際に剣を交えて分かり合う事にした。
思う存分剣を交えたコナン王は、皇帝陛下にオシーン皇子と娘の婚約を申し込んだ。
多くの分家王家や属国王家が臣従する大帝国だった。
だが千年の歴史は、皇国を腐敗させ弱体化させた。
近年では諸王の力が皇家を圧し、政を壟断するほどだった。
多くの派閥が暗闘を繰り返し、外戚として実権を握ろうと、皇位継承権に介入してきた。
時には兄弟骨肉の争いが行われ、暗殺まで行われてきた。
そんな皇家に、希望の星が現れた。
文武両道に秀で、聖者と評されるほどの治癒魔法の名手の第一皇子だ。
年端もゆかぬ幼い頃から、自身に向けられた毒薬を無効にするだけでなく、多くの毒見役の命まで救った。
これにより、第一皇子の忠臣が横死する事がなくなり、力を保つことが出来た。
毒殺がムリと判断され、次は直接の刺客が送られた。
その刺客の凶刃から第一皇子を護ろうと、近衛騎士が瀕死の重体となるが、第一皇子治癒魔法で完治した。
そんな事が度重なり、近衛騎士団の心を得た。
一般騎士団が危険な魔獣討伐に出ると聞けば、何を置いても臨席すると言い、負傷した騎士を死の淵から救い出した。
皇帝陛下を御護りする親衛騎士団も、皇族を護る近衛騎士団も、皇国を護る一般騎士団も、何時しか第一皇子殿下を心から慕い、忠誠を尽くすようになっていった。
だがこれが、皇国を私している諸王国と大貴族の危機感を煽った。
諸王国と大貴族が連合すれば、皇家の直臣全てが結束しても負けることはない。
だが、諸王国でも飛び抜けた戦闘力を誇り、権力争いから距離を置き、独立独歩の姿勢を貫いてきた、ギャラハー王国が皇家の味方に付いたら話は別だ。
諸王国のリーダーだったオキャラン王家のイーハ王が、ギャラハー王国のコナン王を懐柔しようとした。
それが、清廉潔白なコナン王を激怒させた。
歴代のギャラハー王は皇国の政とは距離を置いていたが、イーハ王に嫌がらせをする為に、第一皇子との謁見を願い出た。
「コナン王殿。
私に剣を教えてもらえませんか?」
第一皇子はコナン王との謁見で、突拍子もない事を言い出した。
イーハ王への意趣返しの為だけに謁見を願い出たコナン王だったが、その言葉で初めて第一皇子オシーンに興味を抱いた。
そして立ち会ってみて、第一皇子の弛まぬ努力を知った。
まだ若いにもかかわらず、指には何度も何度も潰したであろう剣ダコがあった。
まだまだ円熟したとは言い難いが、足運びも視線の動きも努力が見受けられた。
必死で自分の人柄を見抜こうとしている姿勢も好感が持てた。
コナン王は実際に剣を交えて分かり合う事にした。
思う存分剣を交えたコナン王は、皇帝陛下にオシーン皇子と娘の婚約を申し込んだ。
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