持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第二章貴族偏

決意

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「凄いな!」
「段違いに強くなっている」
「これは、皇室にどう報告すべきか……」

 色々思い悩みましたが、悩み続けるのは私の性にあいません。
 何かあれば違う大陸に逃げる覚悟は、今も変わっていないのです。
 妹達には直接事情を説明して、何かあればいつでも一緒に逃げられる準備を整えてもらっています。

 領地にいる母上には、手紙を送って知らせました。
 たぶん、いえ、必ず一緒に逃げてくれるはずです。
 養父と義弟は好きにするでしょう。
 一緒に来ると言うのなら、命をかけて護りましょう。
 皇国に残るのなら、持ち運びできない財産を処分すれば、十分豊かな生活ができるはずです。

 復帰最初の狩りは、夜のパーティーメンバーだけで私用時間に行いました。
 さすがに身体の状態を確認できない間は、危険すぎてヨジップ第三皇子殿下と一緒に狩りなどできません。
 それに、私一人がいなくても、残りの七人で十分護衛をしながら亜竜種を狩ることができます。

「属性竜を狩った事で、思っていた以上に身体強化されたようです。
 その確認がしたいので、最初は私だけで亜竜種を狩ってもいいですか?」

 そういう私の頼みを、他のメンバーは快く認めてくれました。
 彼らも色々不安だったと思います。
 私がある程度戦えることは、クラン本部の練習場の動きで理解してくれていますが、それはあくまで錬習中の動きで、実際の狩りで亜竜種を相手にした時にどれだけ動けるかは、未知数なのです。

 その結果は、七人のパーティーメンバーを感嘆させるものでした。
 暴竜、棘竜、塔布竜、瑪格竜などの、草食亜竜種に比べて攻撃的で強い肉食亜竜種を、一撃で簡単に狩れるのです。
 しかも亜竜種素材の魔法薬を作る事を考えて、交互に心臓や脳を破壊する方法で狩る事すらできたのです。
 いえ、それどころか、心臓と脳と眼の素材を確保するために、一刀で首を刎ねて狩る事すらできるようになっていました。

「それが、属性竜をほぼ一人で狩った成果という事か!
 それだけの強さならば、厄竜が平均的な属性竜の三倍の強さであっても、パーティーメンバーで連携すれば狩れるかもしれない。
 だが、問題は皇室の反応だな……」

 ジョージ様は私のために色々と考えてくださっているようです。
 でも腹が決まった私には関係がない事です。
 皇室がどう考えようが、この大陸から逃げればすむことです。
 いざとならば黙って逃げればいい事ですが、命を預けて戦ってきた仲間に黙っているのは少々気が引けます。
 ここはまた正直に話しておきましょう。
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