持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第二章貴族偏

弟妹

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「ラナお姉様、練習お願いいたします」

 ニコルが武芸訓練をおねだりしてきます。

「私も練習お願い致します」

 マリアも、もっと強くなりたいようです。
 これ以上強くなってしまったら、ほとんどの男性よりも強くなってしまいます。
 大抵の男性は、自分より強い女性を結婚相手には選びません。
 自分よりも強い女性を結婚相手に選ぶのは、寄生虫のような男が多いです。
 私が言ってはいけないのかもしれませんが、強くなりすぎるのも問題です。

「ラナ姉上、僕も狩りに連れて行ってください」

「ダメです、クリスティアン。
 幼いうちから無理をするものではありません。
 今は身体を作る事です。
 そして道場での練習するのです。
 狩りは時機を見て許可します」

「そんな、ラナ姉上」

 最近毎日のようにクリスティアンが狩りに連れて行けとダダをこねます。
 三妹のダリアに狩りに行く許可を出した事で、少々焦っているのでしょう。
 ですが、まだ幼いクリスティアンには早いです。
 この年代の二歳差はとても大きいのです。
 それに女の方が早く大人になりますからね。

 それに、属性竜の肉を食べているだけで、ある程度は身体強化される事が分かったのです。
 私は皇室よりも多くの属性竜肉を確保しています。
 家族には毎食食べてもらって、身体を強くしています。
 幼いにもかかわらず、貧しさから狩りに出なければいけない子供達を見て、焦る必要などないのです。

 実際の狩りに出なくても、補う事は可能なのです。
 補えるだけの鍛錬を、我が家の魔都家臣団はやってくれています。
 マリアもニコルもダリアも、基礎をしっかりやってから狩りに参加しています。
 最近は以前ほど手取り足取り教えることができなっています。
 実妹は手取り足取り教え、義弟は家臣任せにしているわけではありません。

 私が、自分が思っているよりも、性格が悪い可能性はあります。
 意識せず、実妹と義弟に差をつけている可能性も皆無ではありません。
 でも、意識してはやっていません。
 それよりは、状況が弟妹に時間を割けなくしているのです。
 属性竜をもっと狩れ、できれば厄竜を探し出して狩れ。
 そういう雰囲気というか圧力というか、願いが強くなってしまっているのです。

 皇国の民達の不安と期待が、領主達に圧力をかけているようです。
 民の中には、新興城伯八家の領民になれば、疫病から護ってもらえると、本気で信じている人も多く、今いる領地から私達の領地に逃げてくる人がいるのです。
 私達がいる魔都にまで来れば、下働きとして雇ってもらえて、いざという時は属性竜の治療薬を与えてもらえると信じ、土地を捨てて逃げてくる人がいるのです。

 まあ、間違いではないのですが、他の貴族の手前、大ぴらに助けられないのです。
 そして多くの貴族は、そんな不安を解消したくて、私達に無言のプレッシャーをかけるのです。
 お前達なら厄竜を斃せるだろうと。
 確かに、最近は厄竜を斃せる気がしているのは確かです。
 ヨジップ殿下との政略結婚を断った以上、少々無理しなければいけないのです。
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