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第一章
第1話最後の同窓会
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これが最後の同窓会になるかと思うと、正直絶望感が押し寄せてくる。
もう仲のよかった友達たちともお別れになると思うと、涙が流れそう。
でも、泣いちゃいけない、みんなに悟られてしまう。
そんなことになったら、みんなが助けようとしてくれるのは明らかだ。
でも、あの連中には常識も情けも人間性もない、どんな悪辣非道な手段を使ってでも、自分たちの利益にして欲望を満たす。
ああ、涙が流れそうになる、こらえなきゃいけない、我慢しないといけない。
女の子が巻き込まれたら、ボロボロになるまで身体を売らされる。
男の子たちは内臓を摘出され、闇ルートで売り払われて殺される。
私は、内臓摘出手術の手伝いを断れば、売春させられ最後は内臓を売られる。
京都の国立大学医大生というブランドは、高値で身体が売れると下卑た表情で笑っていた、腐れ外道の表情が頭から消えてくれない。
もう、死ぬ覚悟はできている。
その為に必要な薬は用意しているし、薬が使えない時の刃物も用意した。
自殺に失敗して、あいつらにこの身を汚されるのだけは絶対に嫌だ。
特にあの男、母を騙し殺したであろうあの男にだけは、近寄られるのも嫌だ!
そう思っただけで、心に激情が渦巻き涙が流れそうになる。
駄目よ、駄目、絶対に涙を流しちゃいけないわ!
「なあ、佐藤さん、さっきから百面相をしているようだけど、何かあったのか」
しまった!
表情を隠していた心算なのに、全然隠せていなかった。
なんとか言い訳しなければいけないわ、絶対に私の事情を悟られちゃいけない。
「あ、ごめんなさい、実習が上手くできなくて、悔しい想いを思い出していたの。
だからなんでもないの、よ、て、御免なさい、本当に失礼なんだけど誰だっけ?」
「あちゃあぁ、俺そんなに影が薄かったっけ?
まあ、残念な事に佐藤さんとは同じクラスになれた事なかったけど。
風魔だよ、風魔龍雄なんだけど、名乗っても思い出してもらえないかな?」
「ええええええ、風魔君、風魔龍雄君なの、そんな大きかった?」
「ああ、これ、俺成長期が遅かったようで、高校出てからも結構身長伸びたんだ。
だから今は百九十五センチくらいかな」
「ええええええ、そんなに伸びたの、信じられないわ、常識外れね。
体つきもぜんぜん違うじゃないの、何か鍛えてるの?」
「うん、実家が古武術の道場をしていてね、子供の頃から徹底的に鍛えられてきたんだけど、それでも成長期に筋肉をつけ過ぎるのは問題があると、ウェイトトレーニングは禁止されていたんだよ。
最近ようやく身長が止まったんで、筋肉をつけ始めたんだ」
「それにしたって変わり過ぎよ、風魔君と言えば学年一位の秀才ってイメージだったのに、今じゃゴリゴリの筋肉ダルマじゃない」
「筋肉ダルマは止めてくれよ、そりゃちょっと表現が古すぎるよ」
よかった、なんとか誤魔化せたみたい。
それに、今の風魔君が側にいたら、誰も近寄ってこないわね。
今日は最後にみんなの顔が見たかっただけだから、友達を私の問題に巻き込まないようにしないと、死んだ後で後悔するのは嫌だから……
もう仲のよかった友達たちともお別れになると思うと、涙が流れそう。
でも、泣いちゃいけない、みんなに悟られてしまう。
そんなことになったら、みんなが助けようとしてくれるのは明らかだ。
でも、あの連中には常識も情けも人間性もない、どんな悪辣非道な手段を使ってでも、自分たちの利益にして欲望を満たす。
ああ、涙が流れそうになる、こらえなきゃいけない、我慢しないといけない。
女の子が巻き込まれたら、ボロボロになるまで身体を売らされる。
男の子たちは内臓を摘出され、闇ルートで売り払われて殺される。
私は、内臓摘出手術の手伝いを断れば、売春させられ最後は内臓を売られる。
京都の国立大学医大生というブランドは、高値で身体が売れると下卑た表情で笑っていた、腐れ外道の表情が頭から消えてくれない。
もう、死ぬ覚悟はできている。
その為に必要な薬は用意しているし、薬が使えない時の刃物も用意した。
自殺に失敗して、あいつらにこの身を汚されるのだけは絶対に嫌だ。
特にあの男、母を騙し殺したであろうあの男にだけは、近寄られるのも嫌だ!
そう思っただけで、心に激情が渦巻き涙が流れそうになる。
駄目よ、駄目、絶対に涙を流しちゃいけないわ!
「なあ、佐藤さん、さっきから百面相をしているようだけど、何かあったのか」
しまった!
表情を隠していた心算なのに、全然隠せていなかった。
なんとか言い訳しなければいけないわ、絶対に私の事情を悟られちゃいけない。
「あ、ごめんなさい、実習が上手くできなくて、悔しい想いを思い出していたの。
だからなんでもないの、よ、て、御免なさい、本当に失礼なんだけど誰だっけ?」
「あちゃあぁ、俺そんなに影が薄かったっけ?
まあ、残念な事に佐藤さんとは同じクラスになれた事なかったけど。
風魔だよ、風魔龍雄なんだけど、名乗っても思い出してもらえないかな?」
「ええええええ、風魔君、風魔龍雄君なの、そんな大きかった?」
「ああ、これ、俺成長期が遅かったようで、高校出てからも結構身長伸びたんだ。
だから今は百九十五センチくらいかな」
「ええええええ、そんなに伸びたの、信じられないわ、常識外れね。
体つきもぜんぜん違うじゃないの、何か鍛えてるの?」
「うん、実家が古武術の道場をしていてね、子供の頃から徹底的に鍛えられてきたんだけど、それでも成長期に筋肉をつけ過ぎるのは問題があると、ウェイトトレーニングは禁止されていたんだよ。
最近ようやく身長が止まったんで、筋肉をつけ始めたんだ」
「それにしたって変わり過ぎよ、風魔君と言えば学年一位の秀才ってイメージだったのに、今じゃゴリゴリの筋肉ダルマじゃない」
「筋肉ダルマは止めてくれよ、そりゃちょっと表現が古すぎるよ」
よかった、なんとか誤魔化せたみたい。
それに、今の風魔君が側にいたら、誰も近寄ってこないわね。
今日は最後にみんなの顔が見たかっただけだから、友達を私の問題に巻き込まないようにしないと、死んだ後で後悔するのは嫌だから……
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