7 / 7
6話
しおりを挟む
(ダリヤ。
わらわはメフメトが気に入りました。
メフメトがゴーマンストン王家を滅ぼし、建国王となるように勧めなさい)
(はい、我が守り神ペレ様)
私は直ぐに早馬車を仕立てて神殿から王都に向かいました。
わずかでも時間が遅れて、メフメトが他の女と恋するようなことになったら、メフメトも私もペレ様に焼き殺されてしまいます。
私がペレ様から受けたイメージでは、ペレ様の想い人と恋仲になった妹神が、想い人共々焼き殺されているのです。
私自身が焼き殺されるのも恐ろしいですが、美しくて気立てのいい妹アンナがメフメトが恋仲になってしまったら、アンナが殺されてしまいます。
それだけは絶対に防がなくてはいけません。
そう決意して、急ぎに急いで王都に駆けつけました。
「守護神ペレ様の聖女として命じます。
ゴーマンストン王家を滅ぼして建国王となりなさい。
そして寝室でペレ様のお成りを待つのです」
「慎んでお受けさせていただきます」
何とか変な事が起こる前に王都につくことができました。
心に大きな傷を受けたアンナはとても魅力的で、メフメトと出会っていたら取り返しのつかない事になっていたかもしれません。
ですが間に合った事で、メフメトもペレ様の想いを知りました。
この国の民で、守護神ペレ様の嫉妬深さを知らない者はいません。
もうメフメトはペレ様の許可なしに女性を近づける事はないでしょう。
それからは簡単な話でした。
ペレ様の力の一部を分け与えられたメフメトが、国王と王族が籠る王宮を焼き払い、王族を皆殺しにしました。
火山の女神で炎の女神のペレ様にふさわしい神力です。
火山を噴火させなかったのは、この後でこの国を統治するメフメトの事が気に入ったからでしょう。
火山の溶岩で滅ぼした国や都は、復興するのが大変ですからね。
私と妹のアンナは伯爵の地位を頂きました。
領地は今回滅ぼされた貴族家の領地から伯爵家にふさわしい広さを頂きました。
そして婿を迎えたのですが、人柄はとてもいいけれど、容姿が十人並の男性を選んで、万が一にもペレ様の怒りを買わないように気をつけました。
ただ気になるのは、新たに王家となったプレストン家に事です。
嫉妬深いペレ様の守護を受ける以上、メフメト王は男性女性にかかわらず人間の愛人を持つことができません。
王家の後継者は、メフメト王以外のプレストン家の者が受け継ぐのでしょうか?
それとも、ペレ様とメフメト王の間に生まれた方が継がれるのでしょうか?
もしそうなれば、半神が王位に就くことになります。
ペレ様と同じように奔放で嫉妬深い方だったら……
わらわはメフメトが気に入りました。
メフメトがゴーマンストン王家を滅ぼし、建国王となるように勧めなさい)
(はい、我が守り神ペレ様)
私は直ぐに早馬車を仕立てて神殿から王都に向かいました。
わずかでも時間が遅れて、メフメトが他の女と恋するようなことになったら、メフメトも私もペレ様に焼き殺されてしまいます。
私がペレ様から受けたイメージでは、ペレ様の想い人と恋仲になった妹神が、想い人共々焼き殺されているのです。
私自身が焼き殺されるのも恐ろしいですが、美しくて気立てのいい妹アンナがメフメトが恋仲になってしまったら、アンナが殺されてしまいます。
それだけは絶対に防がなくてはいけません。
そう決意して、急ぎに急いで王都に駆けつけました。
「守護神ペレ様の聖女として命じます。
ゴーマンストン王家を滅ぼして建国王となりなさい。
そして寝室でペレ様のお成りを待つのです」
「慎んでお受けさせていただきます」
何とか変な事が起こる前に王都につくことができました。
心に大きな傷を受けたアンナはとても魅力的で、メフメトと出会っていたら取り返しのつかない事になっていたかもしれません。
ですが間に合った事で、メフメトもペレ様の想いを知りました。
この国の民で、守護神ペレ様の嫉妬深さを知らない者はいません。
もうメフメトはペレ様の許可なしに女性を近づける事はないでしょう。
それからは簡単な話でした。
ペレ様の力の一部を分け与えられたメフメトが、国王と王族が籠る王宮を焼き払い、王族を皆殺しにしました。
火山の女神で炎の女神のペレ様にふさわしい神力です。
火山を噴火させなかったのは、この後でこの国を統治するメフメトの事が気に入ったからでしょう。
火山の溶岩で滅ぼした国や都は、復興するのが大変ですからね。
私と妹のアンナは伯爵の地位を頂きました。
領地は今回滅ぼされた貴族家の領地から伯爵家にふさわしい広さを頂きました。
そして婿を迎えたのですが、人柄はとてもいいけれど、容姿が十人並の男性を選んで、万が一にもペレ様の怒りを買わないように気をつけました。
ただ気になるのは、新たに王家となったプレストン家に事です。
嫉妬深いペレ様の守護を受ける以上、メフメト王は男性女性にかかわらず人間の愛人を持つことができません。
王家の後継者は、メフメト王以外のプレストン家の者が受け継ぐのでしょうか?
それとも、ペレ様とメフメト王の間に生まれた方が継がれるのでしょうか?
もしそうなれば、半神が王位に就くことになります。
ペレ様と同じように奔放で嫉妬深い方だったら……
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さくら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる