18 / 21
第二章
第18話:開拓開墾耕作
しおりを挟む
やはりどう考えても、穀物が必要でした。
肉や野草では、保存する期間が短くなり、不作凶作に備えられません。
特に私を辺境に追いやったことで、恐ろしいほどの凶作が続きましたから、穀物不足が激しく、備蓄食糧がとても少ないのです。
辺境でも開拓開墾が進み、耕作地が少しは広がりましたが、限界があります。
それもあったので、滅亡した王侯貴族の元耕作地に屯田兵を送ったのです。
「聖女様、もう作物を植えても大丈夫でしょうか?」
神殿長が不安そうに聞いてきますが、私に聞かれても困ります。
王侯貴族の行いを神々が怒られたのですが、それが私の恨み辛みから起こった事なのか、関係なく起こったことなのか、私には分からないのです。
私がお願いしたからといって、神が実りを約束してくださるとは限らないのです。
だから私にできる返事は、どうしても中途半端になります。
「それは私にも分かりません。
神様の怒りが激しければ、いくら耕しても無駄になるでしょう。
ですが諦めるわけにはいきませんから、心から祈ります。
だから神殿長も、一年二年で諦めず、長く頑張ってください」
「は、諦めず不撓不屈の精神で頑張ります」
神殿長は真面目に返事をしてくれますが、頭からは信じられません。
そもそも屯田兵を推し進めたのは神殿長なのですが、本来ならその時に、神の怒りでこれからも実りが得られないという事も、ちゃんと考えておくべきなのです。
まあ、その事に関しては、私も偉そうには言えません。
屯田兵を派遣できたら穀物を収穫できると、単純に思っていたのですから。
「私もできるだけ協力しますね」
私にも、神様に祈祷祈願する以外に協力できることがあります。
それは魔獣達に狩りをお願いする事です。
ここ三年放置されていた元耕作地を開拓開墾するだけでも大変なのに、実りが得られなければ食糧が手に入らないのです。
そもそも開拓開墾しながら狩りをして食糧を手に入れなければいけないのです。
「おねがいいたします」
その事は以前にも神殿長に話しましたから、ひと言で分かってくれたようです。
魔獣が私に仕える神様の御使いと嘘をついていますから、今まで通り獣を狩って、その肉を屯田兵の食糧にするのです。
そうすれば、もし種を蒔いた穀物が実った時にも、害獣被害を防ぐことができますから、一石二鳥になります。
「せいじょさまとせんでんちょう、なかよし?」
とても幼い孤児が、私と神殿長の真面目な会話を横で聞いていて、呟きました。
年嵩の孤児達から、私と神殿長をひっつける話を聞いていたのでしょう。
でも、聞いてはいても、よく理解ができないのですね。
真剣な話をしているのが、仲良しに当たるのかどうか、疑問に思ったようです。
幼い子の口をふさぐ年嵩の孤児の慌てる姿が面白いし、何を言っているのか不思議な顔をしている神殿長にも笑えます。
こんな日々が永遠に続けばいいのに。
肉や野草では、保存する期間が短くなり、不作凶作に備えられません。
特に私を辺境に追いやったことで、恐ろしいほどの凶作が続きましたから、穀物不足が激しく、備蓄食糧がとても少ないのです。
辺境でも開拓開墾が進み、耕作地が少しは広がりましたが、限界があります。
それもあったので、滅亡した王侯貴族の元耕作地に屯田兵を送ったのです。
「聖女様、もう作物を植えても大丈夫でしょうか?」
神殿長が不安そうに聞いてきますが、私に聞かれても困ります。
王侯貴族の行いを神々が怒られたのですが、それが私の恨み辛みから起こった事なのか、関係なく起こったことなのか、私には分からないのです。
私がお願いしたからといって、神が実りを約束してくださるとは限らないのです。
だから私にできる返事は、どうしても中途半端になります。
「それは私にも分かりません。
神様の怒りが激しければ、いくら耕しても無駄になるでしょう。
ですが諦めるわけにはいきませんから、心から祈ります。
だから神殿長も、一年二年で諦めず、長く頑張ってください」
「は、諦めず不撓不屈の精神で頑張ります」
神殿長は真面目に返事をしてくれますが、頭からは信じられません。
そもそも屯田兵を推し進めたのは神殿長なのですが、本来ならその時に、神の怒りでこれからも実りが得られないという事も、ちゃんと考えておくべきなのです。
まあ、その事に関しては、私も偉そうには言えません。
屯田兵を派遣できたら穀物を収穫できると、単純に思っていたのですから。
「私もできるだけ協力しますね」
私にも、神様に祈祷祈願する以外に協力できることがあります。
それは魔獣達に狩りをお願いする事です。
ここ三年放置されていた元耕作地を開拓開墾するだけでも大変なのに、実りが得られなければ食糧が手に入らないのです。
そもそも開拓開墾しながら狩りをして食糧を手に入れなければいけないのです。
「おねがいいたします」
その事は以前にも神殿長に話しましたから、ひと言で分かってくれたようです。
魔獣が私に仕える神様の御使いと嘘をついていますから、今まで通り獣を狩って、その肉を屯田兵の食糧にするのです。
そうすれば、もし種を蒔いた穀物が実った時にも、害獣被害を防ぐことができますから、一石二鳥になります。
「せいじょさまとせんでんちょう、なかよし?」
とても幼い孤児が、私と神殿長の真面目な会話を横で聞いていて、呟きました。
年嵩の孤児達から、私と神殿長をひっつける話を聞いていたのでしょう。
でも、聞いてはいても、よく理解ができないのですね。
真剣な話をしているのが、仲良しに当たるのかどうか、疑問に思ったようです。
幼い子の口をふさぐ年嵩の孤児の慌てる姿が面白いし、何を言っているのか不思議な顔をしている神殿長にも笑えます。
こんな日々が永遠に続けばいいのに。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
820
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる