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援軍
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「殿様。新しい兵士がやってきました」
「分かった。ここに通してくれ」
「はい」
わざわざ知らせてくれなくても、探知魔法で新兵が来たことなど分かっていたが、俺が探知魔法を使えることは秘密にしているので、知らない振りをしなくてはいけない。
今度の増援で、当初百名だった俺の配下は五百名を超えることになる。
最初にネッツェ王国のイマーン王国国境線に砦を築いた。
次にイマーン王国内の村を城に造り変えた。
ネッツェ王国イブラヒム王家には、イマーン王国内に拠点を作ったので、アッバース首長家から援軍を呼びたいと伝令を送った。
これはイブラヒム王家にとって好都合だったのだろう。
この辺りはろくに作物が実らない荒れ地だから、イマーン王国の領地を切り取ったアッバース首長家に与えても惜しくない場所だ。
いや、領地を奪われたイマーン王国が取り返そうと反撃を企てるから、兵力も兵糧も軍資金も湯水のように浪費することになる、負担だけしかない土地だ。
だからこそ、イブラヒム王家はアッバース首長家が増援を送ることを認めた。
一方アッバース首長家に対しては、アリステラ王国の冒険者を援軍に使いたいと伝令を送った。
アッバース首長家にしたら、何の負担もなくイブラヒム王家に貸しを作ることが出来る。
兵力も兵糧も軍資金も浪費することなく、荒れ地とは言え土地を手に入れることができる。
何よりも、ネッツェ王国長年の宿敵であるイマーン王国を打ち破り、領地を切り取ったという武名を得ることができる。
だからアッバース首長家も、俺が多くの援軍を呼びよせても問題にしなかった。
その結果、自弁で土地を護るという条件を出すだけで、イブラヒム王家はこの土地をアッバース首長家の飛び地だと承認した。
更にアッバース首長家も、自弁で領地を護ることを条件に、この土地を俺の領地だと承認した。
ネッツェ王国アッバース首長家陪臣士爵・ゴールウェイ家の誕生である。
そこまで段取りを付けてから、新たな家臣を募集した。
今は冒険者をしているが、元は貴族士族卒族だった者に優先的に声をかけた。
条件は正直に話した。
今与えられるのは荒地か扶持のどちらか。
地位は卒族の若党まで。
ネッツェ王国アッバース首長家陪臣士爵の家臣でしかない事。
イマーン王国と戦争中で命の危険がある事。
本当に悪条件だ。
だがそれでも、先祖の地位に拘りの有る冒険者が集まってくれた。
それにしても皆嬉しそうだ。
まあそれも当然か。
父や祖父、祖先が失った地位を取り返すことが出来るのだから。
だがこれで終わる気は毛頭ない。
集まってくれた者達の為にも、更なる土地と地位を手に入れる。
「分かった。ここに通してくれ」
「はい」
わざわざ知らせてくれなくても、探知魔法で新兵が来たことなど分かっていたが、俺が探知魔法を使えることは秘密にしているので、知らない振りをしなくてはいけない。
今度の増援で、当初百名だった俺の配下は五百名を超えることになる。
最初にネッツェ王国のイマーン王国国境線に砦を築いた。
次にイマーン王国内の村を城に造り変えた。
ネッツェ王国イブラヒム王家には、イマーン王国内に拠点を作ったので、アッバース首長家から援軍を呼びたいと伝令を送った。
これはイブラヒム王家にとって好都合だったのだろう。
この辺りはろくに作物が実らない荒れ地だから、イマーン王国の領地を切り取ったアッバース首長家に与えても惜しくない場所だ。
いや、領地を奪われたイマーン王国が取り返そうと反撃を企てるから、兵力も兵糧も軍資金も湯水のように浪費することになる、負担だけしかない土地だ。
だからこそ、イブラヒム王家はアッバース首長家が増援を送ることを認めた。
一方アッバース首長家に対しては、アリステラ王国の冒険者を援軍に使いたいと伝令を送った。
アッバース首長家にしたら、何の負担もなくイブラヒム王家に貸しを作ることが出来る。
兵力も兵糧も軍資金も浪費することなく、荒れ地とは言え土地を手に入れることができる。
何よりも、ネッツェ王国長年の宿敵であるイマーン王国を打ち破り、領地を切り取ったという武名を得ることができる。
だからアッバース首長家も、俺が多くの援軍を呼びよせても問題にしなかった。
その結果、自弁で土地を護るという条件を出すだけで、イブラヒム王家はこの土地をアッバース首長家の飛び地だと承認した。
更にアッバース首長家も、自弁で領地を護ることを条件に、この土地を俺の領地だと承認した。
ネッツェ王国アッバース首長家陪臣士爵・ゴールウェイ家の誕生である。
そこまで段取りを付けてから、新たな家臣を募集した。
今は冒険者をしているが、元は貴族士族卒族だった者に優先的に声をかけた。
条件は正直に話した。
今与えられるのは荒地か扶持のどちらか。
地位は卒族の若党まで。
ネッツェ王国アッバース首長家陪臣士爵の家臣でしかない事。
イマーン王国と戦争中で命の危険がある事。
本当に悪条件だ。
だがそれでも、先祖の地位に拘りの有る冒険者が集まってくれた。
それにしても皆嬉しそうだ。
まあそれも当然か。
父や祖父、祖先が失った地位を取り返すことが出来るのだから。
だがこれで終わる気は毛頭ない。
集まってくれた者達の為にも、更なる土地と地位を手に入れる。
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