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第一章
第5話:プロローグ・駆け引き
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「おい、王様が死にようだぞ。
回復魔術をかけてやらないと、本当に死んでしまうぞ」
ローグが魔法服を着た偉そうな奴を挑発する。
「おのれ!
卑しい盗賊風情が調子に乗りっおって!」
魔法服は、血管が切れそうな表情で怒っている。
「ギャアアアアア!
やめよ、やめよ、やめてくれ!」
ローグが俺が折らなかった右薬指を折った。
「俺様は別に王様が死んでも構わないんだぜ?
その前にどれだけ苦しんでも知った事じゃなし。
俺様は勇者様ほど優しくないぞ!」
これまでヘラヘラしていたロークが物凄い殺気を放った!
幼い頃から実戦を重視した古武術を学んできた俺でも恐怖を感じてしまう!
本当に、常に命のやり取りをしている異世界なのだな……
「おのれ!
絶対に許さん、地の果てまで追いかけってでも殺してやる!」
「おりょりょ、そんなに恨まれる覚えはないね。
お前さんたちが普段平民にやっている事を真似しただけなのに」
「我々のような、神々に選ばれた高貴な貴族と平民を一緒にするな!」
身分差が激しい世界なのだな。
「ギャアアアアア!」
ローグが国王の右薬指の爪に剣を突き立てた。
あれは痛いんだ!
人間の身体は末端ほど痛覚が多くて痛みを感じやすい。
「本当にこいつに回復魔術をかけない気か?
なんだかんだ言って、王位の簒奪を狙っているのかい?
流石、権謀術数に優れると噂の魔術師団長様だわ」
「くっ、嘘を言うな!
私は王位を狙ってなどいない!」
「だったら、何故王様に治癒魔術を使わない?
自分の手を汚さずに王様を殺せる好機だと思っているのだろう?」
「おのれ、私に回復した魔力を使わせて、逃げる時に魔術を使わせない気だな!」
「ほう、そんな心算で魔力を惜しんでいたのか?
俺様や勇者を捕らえた手柄を立てに、見殺しにした王様の後釜に座ろうと言うのが、魔術師団長様の謀略なのですね?
そういえば、王妃様と姦通しているとか?
王子の幾人かは魔術師団長様の子供なんですって?」
ローグの奴、とんでもない嘘を並べ立てて、敵を混乱させている。
魔力を使わせようとしているのは、逃げる時に魔法を使われると困るからか!
魔術や魔法が考えに浮かばないのは、異世界では致命的なのだろうな。
「魔術師団長殿、盗賊の言う事は本当なのですか?!」
「まさか本当に王妃殿下と密通している訳ではありませんよね?!」
「王子が不義の子なら、王位継承権はどうなるのだ?!」
「まさか、王太子殿下が不義の子ではないだろうな!」
ウッワ、こんな単純な謀略に引っかかっている!
いきなりこんな世界に連れてこられた俺でさえ、一瞬で嘘だと分かるのに。
「えええええい、愚か者共が!
この程度の事で人が死ぬ者ものか!
私が魔力を使ってしまったら、勇者にも盗賊にも逃げられてしまうだろう!」
あ、それは間違いだぞ。
救急救命士の資格も取った俺には分かる。
この急激な出血は命に係わる!
「た、す、け、よ。
た、す、け、よ」
「おのれ不忠者!
国王陛下を弑逆して王位を簒奪する者を許すな!」
王の弱弱しい訴えに死を感じたのだろう。
騎士の一人が魔術師団長に斬りかかった!
「国王陛下を弑逆しようとする奸臣に火炎の制裁を与えたまえ、ファイアソード」
「な、私が信じられないのか?!」
魔法服を着た一人が魔術師団長に魔術を放った!
あんな呪文で本当に魔術が使えるのか?!
「くっ、くっくっくっ、欲深い連中め。
あいつら、この混乱に乗じて上役を殺して出世する気だぜ」
ローグが小声でとんでもない事を教えてくれた!
確かに、余りにも簡単に騙され過ぎだ。
騙された振りをして、邪魔者を殺してしまおうというのか?
「今のうちに逃げるぞ、ついてきな」
騎士達と魔術師団長、魔術師と魔術師団長、魔術師と魔術師が殺し合っている。
日頃から反目していないと、あんな事にはならないだろうな。
「ドラゴンよぉ、お前さん、魔術は使えるのか?」
「俺のいた世界には魔力も魔術も魔法もなかった」
「だがよぉ、伝説では勇者は強力な魔術が使えるっていうぜ。
連中、今は頭に血が上って殺し合っているが、何時かは俺様達の事に気がつく。
その時の為にも、今のうちに魔術が使えるか試してみないか?」
「魔術が存在しなかった世界から来たんだ。
魔術を使うために必要な呪文も知らない。
どうしても試させたいのなら、ローグが手本を見せてくれ」
「あいにくと、俺様は魔術が使えないんだよ」
頭から信じる訳にはいかないな。
ローグはどう見ても海千山千の犯罪者だ。
国王はもちろん、魔術師団長や騎士達など足元にも及ばない悪党だ。
俺の事も利用するために親切を演じているだけだ。
男の嫉妬、出世争いの醜さは一族の話を聞いて知っている。
まして今は盗んだ富に命までかかっているのだ。
「ローグが手本を見せられないのならしかたがない。
それに、今はできるだけ早く城から逃げ出さないといけない。
魔術が使えるかよりも、生きて城門を突破できるかどうかが問題だ」
「確かにドラゴンの言う通りだった。
厩の位置は知っているからついてきな」
「ローグ、連中を油断させるために、厩の場所を知らない振りしていたのか?!」
「フッふぅうん、馬鹿を騙すのなんて簡単だぜ!」
回復魔術をかけてやらないと、本当に死んでしまうぞ」
ローグが魔法服を着た偉そうな奴を挑発する。
「おのれ!
卑しい盗賊風情が調子に乗りっおって!」
魔法服は、血管が切れそうな表情で怒っている。
「ギャアアアアア!
やめよ、やめよ、やめてくれ!」
ローグが俺が折らなかった右薬指を折った。
「俺様は別に王様が死んでも構わないんだぜ?
その前にどれだけ苦しんでも知った事じゃなし。
俺様は勇者様ほど優しくないぞ!」
これまでヘラヘラしていたロークが物凄い殺気を放った!
幼い頃から実戦を重視した古武術を学んできた俺でも恐怖を感じてしまう!
本当に、常に命のやり取りをしている異世界なのだな……
「おのれ!
絶対に許さん、地の果てまで追いかけってでも殺してやる!」
「おりょりょ、そんなに恨まれる覚えはないね。
お前さんたちが普段平民にやっている事を真似しただけなのに」
「我々のような、神々に選ばれた高貴な貴族と平民を一緒にするな!」
身分差が激しい世界なのだな。
「ギャアアアアア!」
ローグが国王の右薬指の爪に剣を突き立てた。
あれは痛いんだ!
人間の身体は末端ほど痛覚が多くて痛みを感じやすい。
「本当にこいつに回復魔術をかけない気か?
なんだかんだ言って、王位の簒奪を狙っているのかい?
流石、権謀術数に優れると噂の魔術師団長様だわ」
「くっ、嘘を言うな!
私は王位を狙ってなどいない!」
「だったら、何故王様に治癒魔術を使わない?
自分の手を汚さずに王様を殺せる好機だと思っているのだろう?」
「おのれ、私に回復した魔力を使わせて、逃げる時に魔術を使わせない気だな!」
「ほう、そんな心算で魔力を惜しんでいたのか?
俺様や勇者を捕らえた手柄を立てに、見殺しにした王様の後釜に座ろうと言うのが、魔術師団長様の謀略なのですね?
そういえば、王妃様と姦通しているとか?
王子の幾人かは魔術師団長様の子供なんですって?」
ローグの奴、とんでもない嘘を並べ立てて、敵を混乱させている。
魔力を使わせようとしているのは、逃げる時に魔法を使われると困るからか!
魔術や魔法が考えに浮かばないのは、異世界では致命的なのだろうな。
「魔術師団長殿、盗賊の言う事は本当なのですか?!」
「まさか本当に王妃殿下と密通している訳ではありませんよね?!」
「王子が不義の子なら、王位継承権はどうなるのだ?!」
「まさか、王太子殿下が不義の子ではないだろうな!」
ウッワ、こんな単純な謀略に引っかかっている!
いきなりこんな世界に連れてこられた俺でさえ、一瞬で嘘だと分かるのに。
「えええええい、愚か者共が!
この程度の事で人が死ぬ者ものか!
私が魔力を使ってしまったら、勇者にも盗賊にも逃げられてしまうだろう!」
あ、それは間違いだぞ。
救急救命士の資格も取った俺には分かる。
この急激な出血は命に係わる!
「た、す、け、よ。
た、す、け、よ」
「おのれ不忠者!
国王陛下を弑逆して王位を簒奪する者を許すな!」
王の弱弱しい訴えに死を感じたのだろう。
騎士の一人が魔術師団長に斬りかかった!
「国王陛下を弑逆しようとする奸臣に火炎の制裁を与えたまえ、ファイアソード」
「な、私が信じられないのか?!」
魔法服を着た一人が魔術師団長に魔術を放った!
あんな呪文で本当に魔術が使えるのか?!
「くっ、くっくっくっ、欲深い連中め。
あいつら、この混乱に乗じて上役を殺して出世する気だぜ」
ローグが小声でとんでもない事を教えてくれた!
確かに、余りにも簡単に騙され過ぎだ。
騙された振りをして、邪魔者を殺してしまおうというのか?
「今のうちに逃げるぞ、ついてきな」
騎士達と魔術師団長、魔術師と魔術師団長、魔術師と魔術師が殺し合っている。
日頃から反目していないと、あんな事にはならないだろうな。
「ドラゴンよぉ、お前さん、魔術は使えるのか?」
「俺のいた世界には魔力も魔術も魔法もなかった」
「だがよぉ、伝説では勇者は強力な魔術が使えるっていうぜ。
連中、今は頭に血が上って殺し合っているが、何時かは俺様達の事に気がつく。
その時の為にも、今のうちに魔術が使えるか試してみないか?」
「魔術が存在しなかった世界から来たんだ。
魔術を使うために必要な呪文も知らない。
どうしても試させたいのなら、ローグが手本を見せてくれ」
「あいにくと、俺様は魔術が使えないんだよ」
頭から信じる訳にはいかないな。
ローグはどう見ても海千山千の犯罪者だ。
国王はもちろん、魔術師団長や騎士達など足元にも及ばない悪党だ。
俺の事も利用するために親切を演じているだけだ。
男の嫉妬、出世争いの醜さは一族の話を聞いて知っている。
まして今は盗んだ富に命までかかっているのだ。
「ローグが手本を見せられないのならしかたがない。
それに、今はできるだけ早く城から逃げ出さないといけない。
魔術が使えるかよりも、生きて城門を突破できるかどうかが問題だ」
「確かにドラゴンの言う通りだった。
厩の位置は知っているからついてきな」
「ローグ、連中を油断させるために、厩の場所を知らない振りしていたのか?!」
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