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第二章
第12話:腐敗
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「警備隊の方々です。
警備隊の方々が来てくださいました!」
物見やぐらで見張りをしていた女が大声をあげた。
盗賊団から受けた心身の傷が癒える間もなく、生きていくために働かなければいけないのが、辺境に生きる者の常識らしい。
「随分と立派になったものだな?
これはお前達が捕まえたという盗賊団がやったのか?」
あまり顔つきがよくない騎乗の指揮官に率いられた警備隊、総計十一人が新しくなった村の門から入って来た。
俺達が村に来た時は、森から切り出してきた丸太を地面に突き刺しただけの防壁だったが、今では空堀を作り、その時に出た土で丸太を補強して土塁にしてある。
騎乗の奴は、俺が手を加える前の村を知っているのか?
騎乗している奴だけでなく、他の徒士兵も嫌な目つきで村の女達を見ている。
警備隊が来たら女達に接待させるのが当たり前だと思っているのか?
「そうだが、それがどうかしたのか?!」
ローグの奴、最初からケンカ腰かよ!
権力者と悪人が大嫌いなローグだ。
いかにもな顔つきと態度の警備隊が癇に障ったのだろう。
「お前、騎士殿に何て態度だ!」
「ふん、俺様達が盗賊団を捕らえるまで、どこに隠れていたんだ?
俺達を殺して自分の手柄にしようという、卑しい計画が顔に出ているぞ。
それとも、盗賊団を開放してまた手先に使うつもりか?」
あちゃ、それは真っ当な警備隊幹部に出会うまで黙っているはずだろうが!
我慢ができなさ過ぎだぞ!
警備隊自体が腐り果てていたらどうする気だ?
「連中の口を割らせたのか?」
悪事を指摘されたというのに、意外と堂々としているな。
曲がりなりにも騎士だから、腕には自信があるのだろうか?
だが俺達は、三十四人もの盗賊団をたった二人で生け捕りにした猛者だぞ?
「ああ、そうだ、お前が黒幕だと白状したぜ」
「くっ、くっ、くっ、くっ、さっさと有り金全部持って逃げればいいものを、賞金と奴隷代金を手に入れようと欲をかくから、死ぬ事になる。
全てを焼き尽くす地獄の業火、ファイア!」
しょぼい、しょぼ過ぎる、レベル1のファイアが勝負魔術なのか?
「ウオーター・ボール」
自信満々だった騎士の切り札が、このしょぼい魔術だったのか?
ローグの話では、この世界で魔術が使える人間は十人に一人の割合だそうだ。
だがその中でレベル2の魔術が使える人間は十人に一人だそうだ。
本当かどうか分からないが、レベルが1つ上がるたびに、魔術が使える人間が十分の一になるのだ。
「お前、水魔術の使い手だったのか?!
殺せ、水魔術の使い手に攻撃力はない。
囲い込んで嬲り殺しにしてやれ!」
「「「「「はっ!」」」」」
徒士が十人がかりで俺を相手している間に、ローグを殺す気なのだろう。
徒士十人に襲われたら、魔法が使えないので、ローグに勝てると思っている。
「民を護る警備隊の役目を放棄した悪逆非道な者達に、死ぬ直前の痛みと俺が許さない限り無くならない麻痺を与えたまえ。
フルボディ・ペイン・ ナァンナァス」
俺に襲いかかろうとしていた徒士十人が、電池に切れたおもちゃのように、ガクリと動きを止めて地面に倒れ込んだ。
顔を惨く擦りむいた奴はまだましで、何人かは鼻の骨を折ていたし、前歯を折っていた者もいたが、中には鼻と前歯の両方を折っている奴もいる。
だが一番悲惨だったのは、騎乗していた奴だ。
俺の魔術は徒士十人限定にしていた訳ではない。
警備隊という括りにしていたので、その中には騎士も含まれていた。
自分の地位をひけらかしたくて、完全装備でこの村まで来たのだ。
完全装備の鎧だから、三十キロの荷物背負った状態で麻痺して落馬した事になる。
死ぬ直前の激痛と麻痺を受けた状態で落馬するのだ。
受け身など取れる訳がない。
比較的軽い重量の日本の鎧でも、落馬で死んだ武将がかなりいる。
まして西洋の完全甲冑で落馬すると、首を折って死に確立がかなり高い。
ガッシャーン!
「ちっ、運のいい奴だ、生きていやがる」
ローグが落馬した騎士を思いっきり蹴り飛ばしている。
徒士では身代金が取れないから、騎士には生きていてもらわなければいけないと、村長達から何度もお願いされていたのに、最初から聞く気がなかったのだな。
「ローグ、こんな悪人を直ぐに楽にしてやる気か?
俺の魔術を受けたのだから、俺の許しがない限り、ずっと耐えがたい痛みにさいなまれるのだぞ」
「おお、そうか、そうだった、生かしておいた方が苦しむのだったな。
いや~、余りに腹が立って考えが狭くなっていたぜ!
だが、できたらもっと痛くしてやってくれ」
「俺の呪文を聞いていなかったのか?
死ぬ直前の痛みと言っていただろうが!
これ以上痛くしたら本当に死んでしまうぞ。
最初に盗賊を捕らえて村の再建資金にしようと言ったのはお前だぞ!」
「そうだったか、もう忘れちまったぜ。
それよりも村長、こいつの裏にも黒幕がいるかもしれない。
今度の拷問は俺がやるから、悲鳴がもれるかもしれない。
村の外に、女子供でも安全に過ごせる場所は無いか?」
「ローグ、いいかげんにしろ!
お前の私情で女子供を危険な目にあわせる事は絶対に許さん!」
「ドラゴン、この世界でのやり方は俺に任せるはずだぞ!」
「この世界でのやり方は任せるが、これはこの世界のやり方ではない。
お前の私情で捻じ曲がったやり口だ。
そんなモノのために、やっと平穏に暮らせるようになった女子供に、必要もない危険な目にあわせるなど、絶対に見逃せん!」
「俺様とやるというのか?!」
「お前がやるというのなら何時でも相手になってやる」
警備隊の方々が来てくださいました!」
物見やぐらで見張りをしていた女が大声をあげた。
盗賊団から受けた心身の傷が癒える間もなく、生きていくために働かなければいけないのが、辺境に生きる者の常識らしい。
「随分と立派になったものだな?
これはお前達が捕まえたという盗賊団がやったのか?」
あまり顔つきがよくない騎乗の指揮官に率いられた警備隊、総計十一人が新しくなった村の門から入って来た。
俺達が村に来た時は、森から切り出してきた丸太を地面に突き刺しただけの防壁だったが、今では空堀を作り、その時に出た土で丸太を補強して土塁にしてある。
騎乗の奴は、俺が手を加える前の村を知っているのか?
騎乗している奴だけでなく、他の徒士兵も嫌な目つきで村の女達を見ている。
警備隊が来たら女達に接待させるのが当たり前だと思っているのか?
「そうだが、それがどうかしたのか?!」
ローグの奴、最初からケンカ腰かよ!
権力者と悪人が大嫌いなローグだ。
いかにもな顔つきと態度の警備隊が癇に障ったのだろう。
「お前、騎士殿に何て態度だ!」
「ふん、俺様達が盗賊団を捕らえるまで、どこに隠れていたんだ?
俺達を殺して自分の手柄にしようという、卑しい計画が顔に出ているぞ。
それとも、盗賊団を開放してまた手先に使うつもりか?」
あちゃ、それは真っ当な警備隊幹部に出会うまで黙っているはずだろうが!
我慢ができなさ過ぎだぞ!
警備隊自体が腐り果てていたらどうする気だ?
「連中の口を割らせたのか?」
悪事を指摘されたというのに、意外と堂々としているな。
曲がりなりにも騎士だから、腕には自信があるのだろうか?
だが俺達は、三十四人もの盗賊団をたった二人で生け捕りにした猛者だぞ?
「ああ、そうだ、お前が黒幕だと白状したぜ」
「くっ、くっ、くっ、くっ、さっさと有り金全部持って逃げればいいものを、賞金と奴隷代金を手に入れようと欲をかくから、死ぬ事になる。
全てを焼き尽くす地獄の業火、ファイア!」
しょぼい、しょぼ過ぎる、レベル1のファイアが勝負魔術なのか?
「ウオーター・ボール」
自信満々だった騎士の切り札が、このしょぼい魔術だったのか?
ローグの話では、この世界で魔術が使える人間は十人に一人の割合だそうだ。
だがその中でレベル2の魔術が使える人間は十人に一人だそうだ。
本当かどうか分からないが、レベルが1つ上がるたびに、魔術が使える人間が十分の一になるのだ。
「お前、水魔術の使い手だったのか?!
殺せ、水魔術の使い手に攻撃力はない。
囲い込んで嬲り殺しにしてやれ!」
「「「「「はっ!」」」」」
徒士が十人がかりで俺を相手している間に、ローグを殺す気なのだろう。
徒士十人に襲われたら、魔法が使えないので、ローグに勝てると思っている。
「民を護る警備隊の役目を放棄した悪逆非道な者達に、死ぬ直前の痛みと俺が許さない限り無くならない麻痺を与えたまえ。
フルボディ・ペイン・ ナァンナァス」
俺に襲いかかろうとしていた徒士十人が、電池に切れたおもちゃのように、ガクリと動きを止めて地面に倒れ込んだ。
顔を惨く擦りむいた奴はまだましで、何人かは鼻の骨を折ていたし、前歯を折っていた者もいたが、中には鼻と前歯の両方を折っている奴もいる。
だが一番悲惨だったのは、騎乗していた奴だ。
俺の魔術は徒士十人限定にしていた訳ではない。
警備隊という括りにしていたので、その中には騎士も含まれていた。
自分の地位をひけらかしたくて、完全装備でこの村まで来たのだ。
完全装備の鎧だから、三十キロの荷物背負った状態で麻痺して落馬した事になる。
死ぬ直前の激痛と麻痺を受けた状態で落馬するのだ。
受け身など取れる訳がない。
比較的軽い重量の日本の鎧でも、落馬で死んだ武将がかなりいる。
まして西洋の完全甲冑で落馬すると、首を折って死に確立がかなり高い。
ガッシャーン!
「ちっ、運のいい奴だ、生きていやがる」
ローグが落馬した騎士を思いっきり蹴り飛ばしている。
徒士では身代金が取れないから、騎士には生きていてもらわなければいけないと、村長達から何度もお願いされていたのに、最初から聞く気がなかったのだな。
「ローグ、こんな悪人を直ぐに楽にしてやる気か?
俺の魔術を受けたのだから、俺の許しがない限り、ずっと耐えがたい痛みにさいなまれるのだぞ」
「おお、そうか、そうだった、生かしておいた方が苦しむのだったな。
いや~、余りに腹が立って考えが狭くなっていたぜ!
だが、できたらもっと痛くしてやってくれ」
「俺の呪文を聞いていなかったのか?
死ぬ直前の痛みと言っていただろうが!
これ以上痛くしたら本当に死んでしまうぞ。
最初に盗賊を捕らえて村の再建資金にしようと言ったのはお前だぞ!」
「そうだったか、もう忘れちまったぜ。
それよりも村長、こいつの裏にも黒幕がいるかもしれない。
今度の拷問は俺がやるから、悲鳴がもれるかもしれない。
村の外に、女子供でも安全に過ごせる場所は無いか?」
「ローグ、いいかげんにしろ!
お前の私情で女子供を危険な目にあわせる事は絶対に許さん!」
「ドラゴン、この世界でのやり方は俺に任せるはずだぞ!」
「この世界でのやり方は任せるが、これはこの世界のやり方ではない。
お前の私情で捻じ曲がったやり口だ。
そんなモノのために、やっと平穏に暮らせるようになった女子供に、必要もない危険な目にあわせるなど、絶対に見逃せん!」
「俺様とやるというのか?!」
「お前がやるというのなら何時でも相手になってやる」
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