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第二章
第29話:救出
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村長は俺との約束を守った。
美女エルフの兄達が行った悪事を、村人全員を集めて話した。
集まった人々が皆善良なのは、聞かされた時の表情で分かる。
悪事に係わっていたのは、俺を襲った十三人だけなのだろう。
それが分かって俺も安心できた。
本来は被害者である混血エルフを傷つけるのは嫌だったのだ。
下劣な十三人は村の中央、広場のような場所で縛られ放置された。
石を投げられるような事はないが、蔑みの視線を向けられている。
半数は心から後悔しているようだが、半数は逆恨みしている。
「貴男が言っておられた密貿易商人らしき連中は、二日か三日後に山の頂に現れると思います。
これまでは常に同じ間隔で表れていました。
また現れるまでここで待たれてはいかがですか?」
「その話が嘘ではない保証はあるのか?」
「ないですね、信じてもらうしかありません」
「あのような連中をのさばらせていた貴男を信じろと?」
「信用がないのはよく分かっています。
それでも信じてくださいと言うしかありません」
「信じる事はできないが、滞在はさせてもらう。
何かあればこの村が紅蓮の炎に包まれる魔術をかけておく。
村を滅ぼしたくないのなら、もう二度と下種に襲わせるなよ」
「わかっています、村人はよく言い聞かせておきます」
嫌味な言い方をしたくはなかったが、自分の命がかかっている。
ローグがいなくなったので、熟睡する事ができなくなったのだ。
あんな奴でも、目の前に大金がない限り裏切る心配だけはなかった。
大して大きくもない村長の家、その客間で夜浅い眠りを取っていると、魔術で鍵をかけた扉を無理矢理開けようとする者が来た。
「開けてください、お願いします、開けてください。
兄を許してください、私を差し上げます、だから兄を許してください」
目が覚めた途端に声が聞こえてきた。
村長達を憚って小声で話しかけてくるが、しっかりと伝わってくる。
拡声魔術なのかもしれないのが、その声が苛立ちを高める。
扉の外から攻撃魔術を使われていたら、俺は殺されていたかもしれない。
「村長、村長、村長!
その女をどこかに閉じ込めておいてくれ。
この部屋に入り込まれたら、俺の名誉が地に落ちる」
「申し訳ない、もう二度とこのような事がないようにする」
村長も立て続けの失態を恥じたのだろう。
急いで女を何所に連れて行った。
朝になって村の中を見て回ると、中央の広場に兄達と縛られていた。
女がいい見せしめになったのか、それ以降は誰も部屋にやってこなかった。
俺は村長が用意する食事を断り、自分で作った。
眠る部屋だけを借りて、他は全て自分で行った。
村長が言っていた通り、三日後、頂きに密貿易商人らしき連中が現れた。
俺は毎日頂近くまで登って待ち構えていたので、誰一人逃げすことなく捕らえる事ができた。
「俺に悪意を持つモノを全てに睡魔と麻痺を与えてくれ。
スリーピネス、パララサス 」
「お前達は絶対に逆らえない。
俺の意のままに奴隷にした人達がいる場所まで案内しろ。
ガイド・ミー・トゥー・ホウェア・ザ・ピープル・エンスレイヴド・アー」
俺は密貿易商人に魔術をかけて案内させた。
強制的に案内させるだけの魔術だけでなく、嘘をついたり俺に害を与えようとしたりしたら、激烈な痛みに襲われる魔術もかけた。
密貿易商人達は、何度も激烈な痛みに襲われ、奴隷達が一時的に収容されている場所に着くころには、俺が少しでも視線を向けると失禁する状態になった。
「ミランダに頼まれて助けに来ました。
ミランダのお父さんとお兄さんはおられますか?」
残念ながら奴隷の一時収容場所には、ミランダの父親も兄もいなかった。
その頃には、密貿易商人達は少し聞くだけで全て話すようになっていた。
だが、人間をモノとしか扱わない密貿易商人達は、奴隷にした人達の特徴など覚えていないし、売り先すら記録していなかった。
仕方がないので、激痛を伴う記憶探査魔術をかけて調べた。
ミランダの兄の居場所を見つけるのに十日もかかってしまった。
それと……父親は激しい体罰と劣悪な環境に耐えられずに死んでしまっていた。
俺は、自分を売春宿に売ってまで親兄弟を助けようとしたミランダへの義理を果たすために、密貿易商人達を殺そうとしたのだが……
美女エルフの兄達が行った悪事を、村人全員を集めて話した。
集まった人々が皆善良なのは、聞かされた時の表情で分かる。
悪事に係わっていたのは、俺を襲った十三人だけなのだろう。
それが分かって俺も安心できた。
本来は被害者である混血エルフを傷つけるのは嫌だったのだ。
下劣な十三人は村の中央、広場のような場所で縛られ放置された。
石を投げられるような事はないが、蔑みの視線を向けられている。
半数は心から後悔しているようだが、半数は逆恨みしている。
「貴男が言っておられた密貿易商人らしき連中は、二日か三日後に山の頂に現れると思います。
これまでは常に同じ間隔で表れていました。
また現れるまでここで待たれてはいかがですか?」
「その話が嘘ではない保証はあるのか?」
「ないですね、信じてもらうしかありません」
「あのような連中をのさばらせていた貴男を信じろと?」
「信用がないのはよく分かっています。
それでも信じてくださいと言うしかありません」
「信じる事はできないが、滞在はさせてもらう。
何かあればこの村が紅蓮の炎に包まれる魔術をかけておく。
村を滅ぼしたくないのなら、もう二度と下種に襲わせるなよ」
「わかっています、村人はよく言い聞かせておきます」
嫌味な言い方をしたくはなかったが、自分の命がかかっている。
ローグがいなくなったので、熟睡する事ができなくなったのだ。
あんな奴でも、目の前に大金がない限り裏切る心配だけはなかった。
大して大きくもない村長の家、その客間で夜浅い眠りを取っていると、魔術で鍵をかけた扉を無理矢理開けようとする者が来た。
「開けてください、お願いします、開けてください。
兄を許してください、私を差し上げます、だから兄を許してください」
目が覚めた途端に声が聞こえてきた。
村長達を憚って小声で話しかけてくるが、しっかりと伝わってくる。
拡声魔術なのかもしれないのが、その声が苛立ちを高める。
扉の外から攻撃魔術を使われていたら、俺は殺されていたかもしれない。
「村長、村長、村長!
その女をどこかに閉じ込めておいてくれ。
この部屋に入り込まれたら、俺の名誉が地に落ちる」
「申し訳ない、もう二度とこのような事がないようにする」
村長も立て続けの失態を恥じたのだろう。
急いで女を何所に連れて行った。
朝になって村の中を見て回ると、中央の広場に兄達と縛られていた。
女がいい見せしめになったのか、それ以降は誰も部屋にやってこなかった。
俺は村長が用意する食事を断り、自分で作った。
眠る部屋だけを借りて、他は全て自分で行った。
村長が言っていた通り、三日後、頂きに密貿易商人らしき連中が現れた。
俺は毎日頂近くまで登って待ち構えていたので、誰一人逃げすことなく捕らえる事ができた。
「俺に悪意を持つモノを全てに睡魔と麻痺を与えてくれ。
スリーピネス、パララサス 」
「お前達は絶対に逆らえない。
俺の意のままに奴隷にした人達がいる場所まで案内しろ。
ガイド・ミー・トゥー・ホウェア・ザ・ピープル・エンスレイヴド・アー」
俺は密貿易商人に魔術をかけて案内させた。
強制的に案内させるだけの魔術だけでなく、嘘をついたり俺に害を与えようとしたりしたら、激烈な痛みに襲われる魔術もかけた。
密貿易商人達は、何度も激烈な痛みに襲われ、奴隷達が一時的に収容されている場所に着くころには、俺が少しでも視線を向けると失禁する状態になった。
「ミランダに頼まれて助けに来ました。
ミランダのお父さんとお兄さんはおられますか?」
残念ながら奴隷の一時収容場所には、ミランダの父親も兄もいなかった。
その頃には、密貿易商人達は少し聞くだけで全て話すようになっていた。
だが、人間をモノとしか扱わない密貿易商人達は、奴隷にした人達の特徴など覚えていないし、売り先すら記録していなかった。
仕方がないので、激痛を伴う記憶探査魔術をかけて調べた。
ミランダの兄の居場所を見つけるのに十日もかかってしまった。
それと……父親は激しい体罰と劣悪な環境に耐えられずに死んでしまっていた。
俺は、自分を売春宿に売ってまで親兄弟を助けようとしたミランダへの義理を果たすために、密貿易商人達を殺そうとしたのだが……
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