皇帝の14男ですが、皇位争いの暗殺や謀殺から生き延びて、何とか貧乏辺境伯家に婿入りできました。前世知識と魔力でスローライフしたい。

克全

文字の大きさ
13 / 111
第1章

第13話:ロジャーの後宮

神歴1817年皇歴213年1月29日皇都拝領屋敷:ロジャー皇子視点

 今日は本当に色々あって予定が大幅に狂ってしまった。
 バカン辺境伯家で夕食会のはずだったのだが、刺客に襲われ誘拐現場に出くわし、更に皇位簒奪事件まで聞く事になった。

 全て母上を通して皇帝に伝えるが、どう判断するかはあいつしだい。
 俺がするべき事は、約束を全力で守る事だけだ。

 皇帝から罰を受けないように、俺の手助けに集まった者たちは、礼を言ってそれぞれの屋敷に帰した。

 見所があると判断したハミルトン家のノアには、時間がある時は必ず顔を見せるように言っておいた。

 俺を襲った刺客とリンジーを誘拐しようとしてゴロツキは、拝領屋敷の地下牢屋に放り込んだ。

 俺の屋敷が何所になるか決まってから、正式に伝えられるまでに6日あった。
 その間に拝領屋敷の地下に大きな砦を造っておいたのだ。

 これで敵が誰であろと、そう簡単には負けなくなった。
 いや、俺個人は最初から負けないと思っていた。
 大切な人たちを守るために拠点が必要だっただけだ。

 そんな拝領屋敷に入り、直ぐにやらなければいけない事を終えて、これからどうするのかを決めるために、1番広い部屋に俺の家臣を含めた全員を集めた。

「ドレイクが男たちを連れて来る前に、お前たちに確認しておく。
 ディクソン家のハンター、あいつの言いなりにはなりたくないのだな?」

 最初は誰も答えず、互いの顔を見るだけだった。
 本来なら当主の妻が話すべきなのだろうが、実家が敵の手先だった可能性があり、とても家を代表して話す気にはなれないのだろう。

 そんな感情を思いやったのか、最初は嫁に任せる気だったドレイクの母親が、嫁と孫の顔を確認してから話しだした。

「……息子が申していた通り、皇位簒奪のウワサまである男に、大切な孫娘を送る訳にはいきません!」

「そうか、孫娘、ガラリアとリンジーだったな、2人も同じ気持ちか?
 ウワサが本当なら、自分の子供が皇帝になるかもしれないのだぞ?」

「そのような恥知らずなマネをするくらいなら、自害します!」

「私もガラリアお姉様と同じ気持ちです。
 もしあの時、殿下の護衛騎士の方が助けてくださらなかったら、あの場で自害するつもりでした!」

「そうか、ならば次の確認をする。
 お前たちをこの屋敷にかくまうのは間違いない。
 問題はどういう立場にしてかくまい守るかだ。
 4人の女を俺の後宮に務める侍女とするのか、愛妾にするのか、この2つがある」

「「「「愛妾!」」」」

「驚くのは当然だが、俺が負けて殺される可能性もある。
 その場合、侍女なら、バカン辺境伯家がハンターの脅迫に負けて差し出す可能性があるのだ」

「「「「……」」」」

「だが俺の愛妾ならば、バカン辺境伯家も家の誇りにかけて手放せない。
 どれほど脅かされても、何が何でも守ろうとする」

「「「「……」」」」

「ああ、そうだ、もう1つ、3つ目の方法があるな。
 3つ目の方法は、ドレイクの男子を俺が家臣として召し抱える事だ。
 この屋敷に住む事を許すから、お前たちも家族として暮らす。
 これなら変なウワサを立てられる事がなく、後に面倒なく結婚できるだろう。
 ドレイクや家の為でなく、自分が1番良いと思う方法を考えろ」

 俺はそう言って6人を客間で休ませようとした。
 士爵級の屋敷だからそれほど広くはないが、それでも地下砦抜きで家臣使用人合わせて80家族が住めるくらいの建物と部屋数がある。

 今俺に仕えているのは15家15人しかいないが、敵やモンスターに襲われた時のために、家臣使用人が家族と共に籠城できるようになっている。
 バニングス家が、家臣9家族を連れて逃げて来てもどうとでもなる。

「私は家族と一緒に暮らしたいです。
 どれほど危険でも、愛妾だと疑われるような暮らしは嫌です」

 客間に行って考える事もなく、姉を待つ事もなく、リンジーが直ぐに答えた。
 俺の愛妾だと疑われるのが嫌なのだろう、好きな男でもいるのか?

「私も愛妾だと疑われるのは嫌ですが、家族のために少しでも役に立ちたいです。
 侍女として仕えれば、少しは給金がいただけるのですか?」

 長女のガラリアは、姉だからかしっかりしている。
 家の借金を少しでも返そうと、俺の侍女になる覚悟をしている。
 ハンター狙われた事で既に悪いウワサがたち、結婚を諦めているのか?

「今この屋敷にいるのは皇国から派遣された護衛騎士と護衛侍女だけだ。
 皇室に仕える騎士や侍女と、俺個人に仕える騎士や侍女では極端に待遇が違う。
 それは分かっているな?」

「はい、心得ています」

「衣食住を保証したうえで、年に5000ペクーニア。
 皇帝陛下の後宮に仕える最下級侍女と同じだ、どうする?」

 何を基準に前世の物価と比べるのかで全く違ってくるが、5000ペクーニアは50万くらいになると思う。

「仕えさせていただきます。
 父や兄が何と言おうと、仕えさせていただきます」

「「ガラリア!」」
「お姉様!」
「「姉上!」」

 ★★★★★★以下は設定です、好きな方だけ読んでください。

「護衛侍女」   :格   ・領地の基準人数
シムス・フローズン:騎士隊長・4000
マチルダ・ハング :騎士長 ・1000
ミライ・ジョン  :騎士  ・300
マーベル・カラス :騎士  ・300
ララァ・アズナブル:騎士  ・300
アルテイシア・ノア:騎士  ・300
フラウ・ダイクン :騎士  ・300
感想 19

あなたにおすすめの小説

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!