皇帝の14男ですが、皇位争いの暗殺や謀殺から生き延びて、何とか貧乏辺境伯家に婿入りできました。前世知識と魔力でスローライフしたい。

克全

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第1章

第16話:臣従

神歴1817年皇歴213年1月29日皇都拝領屋敷:ロジャー皇子視点

「ロジャー殿下、召し抱えて頂けるのならぜひお願いいたします。
 かくまっていただけただけでもありがたいお話なのに、図々しくお言葉に甘えさせていただくのは恥だと分かっていますが、他に頼れる方がおられないのです」

 普段よりも遅い晩飯が終わった頃、ドレイクたちがやってきた。
 限界まで肉ダンジョンに潜り、ドロップを皇国売買所に売って来たそうだ。
 まあ、売ったというのは形だけで、実際には借金の利息になっている。

 1度バニングス家に戻り、急いできたそうだが、皇国騎士基準ではかなり遅い。
 俺がダンジョンで手に入れた牛脂で作ったロウソクに照らされる顔は、空腹を我慢しているのが明らかだったから、直ぐに家臣になるか聞いてみた。

「そうか、だったら当主のドレイクと跡継ぎのショットを除き、父親のフラオン、次男のヘンリー、3男のペーゲルを年5000ペクーニアで召し抱える。
 与える金は少ないが、衣食住は保証するし、騎士待遇にする。
 軍馬は俺の馬を貸し与えるから自由に使えばいい。
 ただし、馬の世話もしてもらうぞ」

「有り難き幸せでございます、本当にありがとうございます。
 これで皇国バニングス家が潰れても血統と名跡が残ります!」

「ロジャー殿下、私も家臣にしていただきたい。
 いつ潰されてしまうか分からない皇国バニングス家の跡継ぎに残るよりは、殿下にお仕えしてお金を稼ぎたいのです。
 皇国バニングス家の跡継ぎは、4男のショタンと5男のナックルがいます」

 長男で跡継ぎのショットが頭を下げて頼んで来た。
 お礼に忠義を尽くしたいという建前ではなく、少しでも借金を返したいという、本音を口にするのが気に入った。

「そうか、そこまでの覚悟があるならショットも召し抱えよう。
 それとドレイク、ガラリアとリンジーの事なのだが……」

 俺は先にガラリアとリンジーに話した事をドレイクたちにも話した。
 ガラリアの覚悟とリンジーの望みも話した。
 基本子供の結婚は父親が決めるモノだが、話だけはしておいてやった。

「皇位簒奪の片棒を担ぐのは絶対に嫌ですが、殿下の側室になれるのならば、騎士家の娘には大出世でございます。
 その上、これまで苦しみながらも必死で守って来た、命と名誉を確実に守れるのですから、父親として反対する理由は何もありません」

「だが俺はまだ5歳だぞ、本当の意味で結婚できるまで早くても10年はある。
 それまでにガラリアもリンジーも出産適齢期を過ぎてしまう」

 前世では高齢出産など普通だったが、医療の未熟なこの世界では違う。
 高齢出産は母子ともに命に係わる危険な行為だ。

 それに、前世は表立って言えない雰囲気があったが、高齢出産はダウン症の子供が生まれる確率が高くなる。

 20歳だと1/1450だが、29歳だと1/1050になる。
 30歳だと1/940になり35歳になると1/350になる。
 40歳になると1/85の確率でダウン症の子供を授かる事になる。

 10年後ガラリアは27歳でリンジーは25歳。
 まだまだ若いが、1番元気な頃に子供を産む方が良いと思う。
 最初から子供がいらないのなら別だが、欲しいのなら1番元気な頃が良い。

「何を申されますか、戦国乱世の英傑たちの中には12歳や13歳で子供をもうけられた方々がおられる。
 殿下ならば11歳でも子供をもうけられるのではありませんか?」

「バカな事を言うな、いくら何でも11歳はない、ないかな、ないと思うぞ。
 まあ、いい、その話は置いておいて、ドレイクにそこまでの覚悟があるのなら、少々のウワサは大丈夫だろう、女たち全員を侍女にする。
 ちゃんとお金を払うから、この屋敷の奥を任せる」

「女たち全員を雇っていただけるのですか?!」

「衣食住保証の年5000ペクーニアで良ければな」

「有り難き幸せでございます!」

「明日から奥の掃除を任せるから、そのように伝えておいてくれ」
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