16 / 111
第1章
第16話:臣従
神歴1817年皇歴213年1月29日皇都拝領屋敷:ロジャー皇子視点
「ロジャー殿下、召し抱えて頂けるのならぜひお願いいたします。
かくまっていただけただけでもありがたいお話なのに、図々しくお言葉に甘えさせていただくのは恥だと分かっていますが、他に頼れる方がおられないのです」
普段よりも遅い晩飯が終わった頃、ドレイクたちがやってきた。
限界まで肉ダンジョンに潜り、ドロップを皇国売買所に売って来たそうだ。
まあ、売ったというのは形だけで、実際には借金の利息になっている。
1度バニングス家に戻り、急いできたそうだが、皇国騎士基準ではかなり遅い。
俺がダンジョンで手に入れた牛脂で作ったロウソクに照らされる顔は、空腹を我慢しているのが明らかだったから、直ぐに家臣になるか聞いてみた。
「そうか、だったら当主のドレイクと跡継ぎのショットを除き、父親のフラオン、次男のヘンリー、3男のペーゲルを年5000ペクーニアで召し抱える。
与える金は少ないが、衣食住は保証するし、騎士待遇にする。
軍馬は俺の馬を貸し与えるから自由に使えばいい。
ただし、馬の世話もしてもらうぞ」
「有り難き幸せでございます、本当にありがとうございます。
これで皇国バニングス家が潰れても血統と名跡が残ります!」
「ロジャー殿下、私も家臣にしていただきたい。
いつ潰されてしまうか分からない皇国バニングス家の跡継ぎに残るよりは、殿下にお仕えしてお金を稼ぎたいのです。
皇国バニングス家の跡継ぎは、4男のショタンと5男のナックルがいます」
長男で跡継ぎのショットが頭を下げて頼んで来た。
お礼に忠義を尽くしたいという建前ではなく、少しでも借金を返したいという、本音を口にするのが気に入った。
「そうか、そこまでの覚悟があるならショットも召し抱えよう。
それとドレイク、ガラリアとリンジーの事なのだが……」
俺は先にガラリアとリンジーに話した事をドレイクたちにも話した。
ガラリアの覚悟とリンジーの望みも話した。
基本子供の結婚は父親が決めるモノだが、話だけはしておいてやった。
「皇位簒奪の片棒を担ぐのは絶対に嫌ですが、殿下の側室になれるのならば、騎士家の娘には大出世でございます。
その上、これまで苦しみながらも必死で守って来た、命と名誉を確実に守れるのですから、父親として反対する理由は何もありません」
「だが俺はまだ5歳だぞ、本当の意味で結婚できるまで早くても10年はある。
それまでにガラリアもリンジーも出産適齢期を過ぎてしまう」
前世では高齢出産など普通だったが、医療の未熟なこの世界では違う。
高齢出産は母子ともに命に係わる危険な行為だ。
それに、前世は表立って言えない雰囲気があったが、高齢出産はダウン症の子供が生まれる確率が高くなる。
20歳だと1/1450だが、29歳だと1/1050になる。
30歳だと1/940になり35歳になると1/350になる。
40歳になると1/85の確率でダウン症の子供を授かる事になる。
10年後ガラリアは27歳でリンジーは25歳。
まだまだ若いが、1番元気な頃に子供を産む方が良いと思う。
最初から子供がいらないのなら別だが、欲しいのなら1番元気な頃が良い。
「何を申されますか、戦国乱世の英傑たちの中には12歳や13歳で子供をもうけられた方々がおられる。
殿下ならば11歳でも子供をもうけられるのではありませんか?」
「バカな事を言うな、いくら何でも11歳はない、ないかな、ないと思うぞ。
まあ、いい、その話は置いておいて、ドレイクにそこまでの覚悟があるのなら、少々のウワサは大丈夫だろう、女たち全員を侍女にする。
ちゃんとお金を払うから、この屋敷の奥を任せる」
「女たち全員を雇っていただけるのですか?!」
「衣食住保証の年5000ペクーニアで良ければな」
「有り難き幸せでございます!」
「明日から奥の掃除を任せるから、そのように伝えておいてくれ」
「ロジャー殿下、召し抱えて頂けるのならぜひお願いいたします。
かくまっていただけただけでもありがたいお話なのに、図々しくお言葉に甘えさせていただくのは恥だと分かっていますが、他に頼れる方がおられないのです」
普段よりも遅い晩飯が終わった頃、ドレイクたちがやってきた。
限界まで肉ダンジョンに潜り、ドロップを皇国売買所に売って来たそうだ。
まあ、売ったというのは形だけで、実際には借金の利息になっている。
1度バニングス家に戻り、急いできたそうだが、皇国騎士基準ではかなり遅い。
俺がダンジョンで手に入れた牛脂で作ったロウソクに照らされる顔は、空腹を我慢しているのが明らかだったから、直ぐに家臣になるか聞いてみた。
「そうか、だったら当主のドレイクと跡継ぎのショットを除き、父親のフラオン、次男のヘンリー、3男のペーゲルを年5000ペクーニアで召し抱える。
与える金は少ないが、衣食住は保証するし、騎士待遇にする。
軍馬は俺の馬を貸し与えるから自由に使えばいい。
ただし、馬の世話もしてもらうぞ」
「有り難き幸せでございます、本当にありがとうございます。
これで皇国バニングス家が潰れても血統と名跡が残ります!」
「ロジャー殿下、私も家臣にしていただきたい。
いつ潰されてしまうか分からない皇国バニングス家の跡継ぎに残るよりは、殿下にお仕えしてお金を稼ぎたいのです。
皇国バニングス家の跡継ぎは、4男のショタンと5男のナックルがいます」
長男で跡継ぎのショットが頭を下げて頼んで来た。
お礼に忠義を尽くしたいという建前ではなく、少しでも借金を返したいという、本音を口にするのが気に入った。
「そうか、そこまでの覚悟があるならショットも召し抱えよう。
それとドレイク、ガラリアとリンジーの事なのだが……」
俺は先にガラリアとリンジーに話した事をドレイクたちにも話した。
ガラリアの覚悟とリンジーの望みも話した。
基本子供の結婚は父親が決めるモノだが、話だけはしておいてやった。
「皇位簒奪の片棒を担ぐのは絶対に嫌ですが、殿下の側室になれるのならば、騎士家の娘には大出世でございます。
その上、これまで苦しみながらも必死で守って来た、命と名誉を確実に守れるのですから、父親として反対する理由は何もありません」
「だが俺はまだ5歳だぞ、本当の意味で結婚できるまで早くても10年はある。
それまでにガラリアもリンジーも出産適齢期を過ぎてしまう」
前世では高齢出産など普通だったが、医療の未熟なこの世界では違う。
高齢出産は母子ともに命に係わる危険な行為だ。
それに、前世は表立って言えない雰囲気があったが、高齢出産はダウン症の子供が生まれる確率が高くなる。
20歳だと1/1450だが、29歳だと1/1050になる。
30歳だと1/940になり35歳になると1/350になる。
40歳になると1/85の確率でダウン症の子供を授かる事になる。
10年後ガラリアは27歳でリンジーは25歳。
まだまだ若いが、1番元気な頃に子供を産む方が良いと思う。
最初から子供がいらないのなら別だが、欲しいのなら1番元気な頃が良い。
「何を申されますか、戦国乱世の英傑たちの中には12歳や13歳で子供をもうけられた方々がおられる。
殿下ならば11歳でも子供をもうけられるのではありませんか?」
「バカな事を言うな、いくら何でも11歳はない、ないかな、ないと思うぞ。
まあ、いい、その話は置いておいて、ドレイクにそこまでの覚悟があるのなら、少々のウワサは大丈夫だろう、女たち全員を侍女にする。
ちゃんとお金を払うから、この屋敷の奥を任せる」
「女たち全員を雇っていただけるのですか?!」
「衣食住保証の年5000ペクーニアで良ければな」
「有り難き幸せでございます!」
「明日から奥の掃除を任せるから、そのように伝えておいてくれ」
あなたにおすすめの小説
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始!
2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!