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第1章
第20話:脅迫
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神歴1817年皇歴213年2月1日皇都バカン辺境伯家上屋敷:ロジャー皇子視点
「ロジャー皇子殿下、義父として頼みます、この度の襲撃はなかった事にしていただいたいのだ、どうかこの通り、伏してお願い申し上げる」
急に会いたいと使者をよこすから、しかたなく上屋敷を訪ねたら、義父、婿養子に入る家の養父に深々と頭を下げられた。
「申し訳ありませんでした、私たちが知らない間に家中の者たちが勝手にやってしまったのです、どうかお許しください」
「そうなのです、勝手に私たちの名を騙って刺客を雇ってしまったのです。
もう2度とこのような不始末はさせませんから、どうかお許しください」
「私たちはもちろん、辺境伯閣下にも内緒で刺客を雇った連中は、ロジャー皇子殿下の手をわずらわせる事なく、私たちの手で始末しました。
もう2度とこのような事はやらせませんので、どうかお許しください」
「この事が皇室や皇国に知られてしまいますと、バカン辺境伯家は取り潰しになり、ロジャー皇子殿下の婿入り先が無くなってしまいます。
2度と殿下に弓引く者は出しませんので、ご内密に願います」
「ロジャー皇子殿下が必要と申されるのでしたら、処刑した者たちの妻女を奴隷として差し出させていただきます。
なにとぞ皇室と皇国には秘密にして頂きたいのです、この通りです」
吐き気がするほど恥知らずな連中だ!
10家の当主や跡継ぎが、心にもない事を代わるがわる口にする。
ウソで俺を騙して罰から逃れようとしている。
自分たちがやらせておいて、手先に使った部下を殺して、何もなかった事にしようとしてやがる!
いや、本当に悪事に加担した部下を殺したのか?
何の罪もない、この連中に抵抗していた正義の士を殺したのではないか?
もしそうなら、絶対に許せない、この手でブチ殺さないと怒りが収まらない!
「形だけ頭を下げて、心の中では舌を出して笑っているのだろう?
そのような見え透いたウソが通用するとでも思っているのか?
それに、お前たちが罪をなすりつけて殺した者たちが本当に罪人なのか?」
「本当でございます、ロジャー皇子殿下にウソなど申しません。
私のこの目をご覧ください、真実を申しているかウソを口にしているのか、分かって頂けるはずです!」
「私もでございます、私も目を見ていただきたい。
真実を申している目をご理解して頂けるはずです」
「殿下、ロジャー皇子殿下、言葉や目だけでは信じられないと申されるのでしたら、神にかけて真実を申し上げていると署名させていただきます。
もし偽りがあったら神罰を受けると誓う署名をさせて頂きます」
「私も署名させていただきます、神罰を受けると署名させていただきます」
「私も署名させていただきます、信じてください!」
もうこれ以上恥知らずの言葉を聞いていられない!
「黙れ、うるさい、これ以上わめくとこの場で殺す!」
俺が本気の殺気を放つと、三流役者よりも下手な芝居をしていた10人が黙った。
「お前ら、この手でバカン辺境伯を黙らせたのか?
それとも、叛乱を起こしてバカン辺境伯家を潰すとでも脅したのか?
はっきり言っておくが、俺はバカン辺境伯家など、どうでもいいのだ。
拝領屋敷と持参金、ロジャー伯爵位があれば十分だ!」
俺がウソを言っていない事を分からせるために、軽い殺気を放ちながらにらむ。
軽くとは言っても、根性がなく小汚い欲望だけがある者には耐えられない殺気だ。
10人中4人が泡を吹いて失禁しやがった。
「辺境伯、家を潰して家臣とのその家族を路頭に迷わしたくない気持ちはわかるが、最低限の誇りは持て」
「ロジャー殿下は皇子だからそのような事が言えるのです!
生れた時から家臣に操られるか死ぬかしかなかった者の気持ちなど、何の不自由も心配もなく育った殿下に分かりはしない!」
「ふん、辺境伯こそ何も分かっていない。
皇子などと言うモノは、生まれる前から皇位継承権争いで殺されるのだ。
俺も兄上も、母上のお腹にいる時に何度も流産させられかけた。
生れた後も、何度も毒を盛られ、何とかここまで生きて来られた。
皇子皇女が何人死んでいるか、知らないとは言わせぬぞ!」
「それは……」
「はっきり言っておく、最低限の処分をしなければバカン辺境伯家は潰れる。
潰して家臣を全て放逐し、改めて俺にバカン辺境伯位を与えた方が、選帝侯連中の息がかかった皇国騎士や徒士を押し込めるのだ。
何も32万人の領地全てを俺に与える必要もないのだぞ。
16万人分を俺に渡して、残り16万人分を皇国領にする事もできる。
皇帝陛下が自分の直轄領にする事もあるのだぞ、分かっているのか?!」
「もしや、もう襲撃を報告されているのですか?」
「当たり前だろうが、秘密にして俺まで罪に問われてはかなわん。
襲われたその場で皇帝陛下と皇国に知らせてある。
選帝侯たちには、なぜこのような悪臣佞臣叛臣がいる家と養子縁組したのだと、厳しく問い質してある」
「では、我が家は、バカン辺境伯家は?!」
「良くて領地を削られて当主隠居で重臣皆殺し。
悪くすれば家は完全に潰され当主も重臣も皆殺しだ。
表向き皇子や皇女を殺したとされた連中が、どれほど残虐な処罰を受けたか知っているだろう?
それを知った上で俺に毒を盛り刺客を放ったのだろう?」
「どうか、どうか、どうか寛大な処分が下されるように口添え願います!」
「俺の言葉を聞いてくれるかどうか分からないが、条件次第では皇帝陛下に嘆願書を出してやろう」
「ロジャー皇子殿下、義父として頼みます、この度の襲撃はなかった事にしていただいたいのだ、どうかこの通り、伏してお願い申し上げる」
急に会いたいと使者をよこすから、しかたなく上屋敷を訪ねたら、義父、婿養子に入る家の養父に深々と頭を下げられた。
「申し訳ありませんでした、私たちが知らない間に家中の者たちが勝手にやってしまったのです、どうかお許しください」
「そうなのです、勝手に私たちの名を騙って刺客を雇ってしまったのです。
もう2度とこのような不始末はさせませんから、どうかお許しください」
「私たちはもちろん、辺境伯閣下にも内緒で刺客を雇った連中は、ロジャー皇子殿下の手をわずらわせる事なく、私たちの手で始末しました。
もう2度とこのような事はやらせませんので、どうかお許しください」
「この事が皇室や皇国に知られてしまいますと、バカン辺境伯家は取り潰しになり、ロジャー皇子殿下の婿入り先が無くなってしまいます。
2度と殿下に弓引く者は出しませんので、ご内密に願います」
「ロジャー皇子殿下が必要と申されるのでしたら、処刑した者たちの妻女を奴隷として差し出させていただきます。
なにとぞ皇室と皇国には秘密にして頂きたいのです、この通りです」
吐き気がするほど恥知らずな連中だ!
10家の当主や跡継ぎが、心にもない事を代わるがわる口にする。
ウソで俺を騙して罰から逃れようとしている。
自分たちがやらせておいて、手先に使った部下を殺して、何もなかった事にしようとしてやがる!
いや、本当に悪事に加担した部下を殺したのか?
何の罪もない、この連中に抵抗していた正義の士を殺したのではないか?
もしそうなら、絶対に許せない、この手でブチ殺さないと怒りが収まらない!
「形だけ頭を下げて、心の中では舌を出して笑っているのだろう?
そのような見え透いたウソが通用するとでも思っているのか?
それに、お前たちが罪をなすりつけて殺した者たちが本当に罪人なのか?」
「本当でございます、ロジャー皇子殿下にウソなど申しません。
私のこの目をご覧ください、真実を申しているかウソを口にしているのか、分かって頂けるはずです!」
「私もでございます、私も目を見ていただきたい。
真実を申している目をご理解して頂けるはずです」
「殿下、ロジャー皇子殿下、言葉や目だけでは信じられないと申されるのでしたら、神にかけて真実を申し上げていると署名させていただきます。
もし偽りがあったら神罰を受けると誓う署名をさせて頂きます」
「私も署名させていただきます、神罰を受けると署名させていただきます」
「私も署名させていただきます、信じてください!」
もうこれ以上恥知らずの言葉を聞いていられない!
「黙れ、うるさい、これ以上わめくとこの場で殺す!」
俺が本気の殺気を放つと、三流役者よりも下手な芝居をしていた10人が黙った。
「お前ら、この手でバカン辺境伯を黙らせたのか?
それとも、叛乱を起こしてバカン辺境伯家を潰すとでも脅したのか?
はっきり言っておくが、俺はバカン辺境伯家など、どうでもいいのだ。
拝領屋敷と持参金、ロジャー伯爵位があれば十分だ!」
俺がウソを言っていない事を分からせるために、軽い殺気を放ちながらにらむ。
軽くとは言っても、根性がなく小汚い欲望だけがある者には耐えられない殺気だ。
10人中4人が泡を吹いて失禁しやがった。
「辺境伯、家を潰して家臣とのその家族を路頭に迷わしたくない気持ちはわかるが、最低限の誇りは持て」
「ロジャー殿下は皇子だからそのような事が言えるのです!
生れた時から家臣に操られるか死ぬかしかなかった者の気持ちなど、何の不自由も心配もなく育った殿下に分かりはしない!」
「ふん、辺境伯こそ何も分かっていない。
皇子などと言うモノは、生まれる前から皇位継承権争いで殺されるのだ。
俺も兄上も、母上のお腹にいる時に何度も流産させられかけた。
生れた後も、何度も毒を盛られ、何とかここまで生きて来られた。
皇子皇女が何人死んでいるか、知らないとは言わせぬぞ!」
「それは……」
「はっきり言っておく、最低限の処分をしなければバカン辺境伯家は潰れる。
潰して家臣を全て放逐し、改めて俺にバカン辺境伯位を与えた方が、選帝侯連中の息がかかった皇国騎士や徒士を押し込めるのだ。
何も32万人の領地全てを俺に与える必要もないのだぞ。
16万人分を俺に渡して、残り16万人分を皇国領にする事もできる。
皇帝陛下が自分の直轄領にする事もあるのだぞ、分かっているのか?!」
「もしや、もう襲撃を報告されているのですか?」
「当たり前だろうが、秘密にして俺まで罪に問われてはかなわん。
襲われたその場で皇帝陛下と皇国に知らせてある。
選帝侯たちには、なぜこのような悪臣佞臣叛臣がいる家と養子縁組したのだと、厳しく問い質してある」
「では、我が家は、バカン辺境伯家は?!」
「良くて領地を削られて当主隠居で重臣皆殺し。
悪くすれば家は完全に潰され当主も重臣も皆殺しだ。
表向き皇子や皇女を殺したとされた連中が、どれほど残虐な処罰を受けたか知っているだろう?
それを知った上で俺に毒を盛り刺客を放ったのだろう?」
「どうか、どうか、どうか寛大な処分が下されるように口添え願います!」
「俺の言葉を聞いてくれるかどうか分からないが、条件次第では皇帝陛下に嘆願書を出してやろう」
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