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第1章
第35話:バカン辺境伯領冒険者ギルド
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神歴1817年皇歴213年4月30日バカン辺境伯家領都冒険者ギルド
ロジャー皇子視点
俺が自分の目で冒険者ギルドを確かめようと思ったのは、子爵領で仮病を使っている間に集めた情報の中に、許せない内容があったからだ。
バカン辺境伯家の領都内にある冒険者ギルドの建物はよくある造りだ。
入り口を入った1階正面は受付で、右側の壁に依頼を書いた木板が張られている。
左側には乱暴な冒険者が他の場所で暴れないように、酒場が併設されている。
受付と酒場の間には2階3階に上がる階段があって、2階には冒険者用の安宿があり、行き来出来ないようになっている奥には幹部職員用の部屋もあるはずだ。
3階も通り側の半分は冒険者用の安宿で、奥側半分が平職員用の部屋のはず。
階段と受付の間は通路になっていて、受付で買い取ったモンスターを裏の倉庫に運べる構造になっている。
倉庫には、モンスターだけでなく保存食や薬も保管されていて、いざという時はギルドの建物に籠城する事も考えられている。
ギルドは、領都東側の城壁内、城門の直ぐ近く、何かあれば城門を守れるような場所にあり、冒険者が毎日大森林に通いやすい場所でもある。
領都自体が、大森林から現れるモンスターに対処するためにあるから、領地の中央や交通の要衝ではなく、大森林の直ぐ側にある。
建物に入った直後から、粘り付くような嫌な視線が向けられている。
右側の依頼掲示板と左側の酒場にクズがいるのは当然だが、正面の受付からも粘り付くような嫌な視線が向けられている。
ただ、気をつけなければいけないような強い奴は1人もいない。
連れてきた美少女たちの誰か1人でも、単独で瞬殺できる程度の連中だ。
とんでもなく強い奴が酒場の奥にいたら別だが、まあ大丈夫だろう。
俺たちが受付に向かって進むと、酒場から現れた5人が背後に回った。
腐っても冒険者と冒険者ギルドだな。
範囲魔術を受けないように、獲物を円形に囲む。
「ゴート子爵領で冒険者をしていました、これが証明書と推薦状です」
美少女の1人が、ゴート子爵が領内の冒険者ギルドに命じて作らせてくれた、子爵家の領民で冒険者である証明書とギルドの推薦状を受付に見せる。
1番早い通信手段が、貴族家が抱えている魔術士なので、領地や冒険者ギルドによって連絡の早さや情報の精度が大きく違っている。
多くのラノベでは、冒険者ギルドは国や貴族とは独立した組織になっている。
だがこの世界では、王侯貴族が戦闘力を持つ冒険者ギルドの独立を許さなかった。
皇国はもちろん、全ての貴族が領内の冒険者ギルドを支配下に入れている。
どの貴族だって領内の情報を皇国や他貴族に知られたくないのだ。
当然バカン辺境伯家も冒険者ギルドを統制している。
つまり、さっきまで権力を握っていた10家の支配下にあったのだ。
「ゴート子爵領、聞いた事がありませんね」
10家の支援があるからか、ただの受付嬢のくせに偉そうだ。
「こんな子供まで冒険者登録させるなんて、非常識な領地ですね。
バカン辺境伯領の冒険者ギルドでは、そんな非常識は認められません。
常識のないギルドの証明書や推薦状を信じるわけにはいきません。
ここで冒険者として働きたいのでしたら、1番下の木片級からです」
「ありゃ~、それはいくら何でもかわいそうじゃないか?」
「そう、そう、子爵領でどれくらいの階級だったか知らないけど、木片級、それも初級からやり直すのは大変だぜ」
「だったら俺たちのパーティーに入れてやれば良いんじゃないか?」
「そうだな、そうしてやれば鈦級から始められるぜ」
流れるように話しかけて近づいてくる。
馴れ馴れしく美少女たちの肩を抱こうとしたが、するりとかわされている。
この程度で鈦級なんて笑わせてくれるぜ。
「とはいえ、いくら何でもこんなガキはパーティーに入れられない。
こいつを追い出して上でゆっくり話し合わせてもらおうぜ」
「おい、こんな言動を許しているという事は、冒険者ギルドもグルだな。
この方法で何十何百の冒険者を闇組織に売ったな?!」
「「「「「なっ!」」」」」
「もういいぞ、叩きのめしてやれ!」
「「「「「はい!」」」」」
★★★★★★以下は設定です、好きな方だけ読んでください。
「冒険者ギルドの階級」
木級:ギルドメンバーの認識票が木製
:見習の駆け出しに与えられる
:初級、中級、上級があり、木片に印を加える事で昇級
鋁級:ギルドメンバーの認識票がアルミニウム製
:見習を終えた駆け出しギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、アルミニウム片に印を加える事で昇級
鉄級:ギルドメンバーの認識票が鉄製
:最低限の魔獣を狩れるようになったギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、鉄片に印を加える事で昇級
鈦級:ギルドメンバーの認識票がチタン製
:一人前と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、チタン片に印を加える事で昇級
鎳級:ギルドメンバーの認識票がニッケル製
:一流と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、ニッケル片に印を加える事で昇級
黄銅級:ギルドメンバーの認識票が黄銅製
:超一流と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、黄銅片に印を加える事で昇級
銀級:ギルドメンバーの認識票が銀製
:伝説級と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、銀片に印を加える事で昇級
ロジャー皇子視点
俺が自分の目で冒険者ギルドを確かめようと思ったのは、子爵領で仮病を使っている間に集めた情報の中に、許せない内容があったからだ。
バカン辺境伯家の領都内にある冒険者ギルドの建物はよくある造りだ。
入り口を入った1階正面は受付で、右側の壁に依頼を書いた木板が張られている。
左側には乱暴な冒険者が他の場所で暴れないように、酒場が併設されている。
受付と酒場の間には2階3階に上がる階段があって、2階には冒険者用の安宿があり、行き来出来ないようになっている奥には幹部職員用の部屋もあるはずだ。
3階も通り側の半分は冒険者用の安宿で、奥側半分が平職員用の部屋のはず。
階段と受付の間は通路になっていて、受付で買い取ったモンスターを裏の倉庫に運べる構造になっている。
倉庫には、モンスターだけでなく保存食や薬も保管されていて、いざという時はギルドの建物に籠城する事も考えられている。
ギルドは、領都東側の城壁内、城門の直ぐ近く、何かあれば城門を守れるような場所にあり、冒険者が毎日大森林に通いやすい場所でもある。
領都自体が、大森林から現れるモンスターに対処するためにあるから、領地の中央や交通の要衝ではなく、大森林の直ぐ側にある。
建物に入った直後から、粘り付くような嫌な視線が向けられている。
右側の依頼掲示板と左側の酒場にクズがいるのは当然だが、正面の受付からも粘り付くような嫌な視線が向けられている。
ただ、気をつけなければいけないような強い奴は1人もいない。
連れてきた美少女たちの誰か1人でも、単独で瞬殺できる程度の連中だ。
とんでもなく強い奴が酒場の奥にいたら別だが、まあ大丈夫だろう。
俺たちが受付に向かって進むと、酒場から現れた5人が背後に回った。
腐っても冒険者と冒険者ギルドだな。
範囲魔術を受けないように、獲物を円形に囲む。
「ゴート子爵領で冒険者をしていました、これが証明書と推薦状です」
美少女の1人が、ゴート子爵が領内の冒険者ギルドに命じて作らせてくれた、子爵家の領民で冒険者である証明書とギルドの推薦状を受付に見せる。
1番早い通信手段が、貴族家が抱えている魔術士なので、領地や冒険者ギルドによって連絡の早さや情報の精度が大きく違っている。
多くのラノベでは、冒険者ギルドは国や貴族とは独立した組織になっている。
だがこの世界では、王侯貴族が戦闘力を持つ冒険者ギルドの独立を許さなかった。
皇国はもちろん、全ての貴族が領内の冒険者ギルドを支配下に入れている。
どの貴族だって領内の情報を皇国や他貴族に知られたくないのだ。
当然バカン辺境伯家も冒険者ギルドを統制している。
つまり、さっきまで権力を握っていた10家の支配下にあったのだ。
「ゴート子爵領、聞いた事がありませんね」
10家の支援があるからか、ただの受付嬢のくせに偉そうだ。
「こんな子供まで冒険者登録させるなんて、非常識な領地ですね。
バカン辺境伯領の冒険者ギルドでは、そんな非常識は認められません。
常識のないギルドの証明書や推薦状を信じるわけにはいきません。
ここで冒険者として働きたいのでしたら、1番下の木片級からです」
「ありゃ~、それはいくら何でもかわいそうじゃないか?」
「そう、そう、子爵領でどれくらいの階級だったか知らないけど、木片級、それも初級からやり直すのは大変だぜ」
「だったら俺たちのパーティーに入れてやれば良いんじゃないか?」
「そうだな、そうしてやれば鈦級から始められるぜ」
流れるように話しかけて近づいてくる。
馴れ馴れしく美少女たちの肩を抱こうとしたが、するりとかわされている。
この程度で鈦級なんて笑わせてくれるぜ。
「とはいえ、いくら何でもこんなガキはパーティーに入れられない。
こいつを追い出して上でゆっくり話し合わせてもらおうぜ」
「おい、こんな言動を許しているという事は、冒険者ギルドもグルだな。
この方法で何十何百の冒険者を闇組織に売ったな?!」
「「「「「なっ!」」」」」
「もういいぞ、叩きのめしてやれ!」
「「「「「はい!」」」」」
★★★★★★以下は設定です、好きな方だけ読んでください。
「冒険者ギルドの階級」
木級:ギルドメンバーの認識票が木製
:見習の駆け出しに与えられる
:初級、中級、上級があり、木片に印を加える事で昇級
鋁級:ギルドメンバーの認識票がアルミニウム製
:見習を終えた駆け出しギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、アルミニウム片に印を加える事で昇級
鉄級:ギルドメンバーの認識票が鉄製
:最低限の魔獣を狩れるようになったギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、鉄片に印を加える事で昇級
鈦級:ギルドメンバーの認識票がチタン製
:一人前と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、チタン片に印を加える事で昇級
鎳級:ギルドメンバーの認識票がニッケル製
:一流と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、ニッケル片に印を加える事で昇級
黄銅級:ギルドメンバーの認識票が黄銅製
:超一流と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、黄銅片に印を加える事で昇級
銀級:ギルドメンバーの認識票が銀製
:伝説級と認められたギルドメンバーに与えられる
:初級、中級、上級があり、銀片に印を加える事で昇級
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