39 / 111
第1章
第39話:掲示
しおりを挟む
神歴1817年皇歴213年5月1日バカン辺境伯家領都領城:ロジャー皇子視点
俺は10家の悪事を包み隠さず領民に発表した。
手先になっていた、冒険者ギルドなどのギルド名と個人名を公表した。
同時に、誘拐された人を助ける手伝いをしてくれとも伝えた。
その効果は劇的だった。
家族親戚縁者の誰かが行方不明になっている者がとても多かった。
その中には、10家の家臣もいたのだから笑ってしまう。
10家は、協力するふりをしながら陰では敵対していた。
闇商人の手先が上手く操っていたのかもしれないが、互いの家臣や領民を誘拐しあっていたのだから、愚かとしか言いようがない。
だから、大森林の近くにあった、被害者を一時的に置いておくアジトだけでなく、10家の領地にも誘拐して人たちを置いておくアジトがあった。
全てのアジトに家臣を送って被害者を解放した。
10家と協力していた、バカン辺境伯の直臣は全て捕らえて牢にぶち込んだ。
誘拐の被害にあっていたとしても、10家などの陪臣も全員牢にぶち込んだ。
あまりに多くの直臣陪臣を捕らえたので、見張りをする者が足らなくなった。
「皆に告げる、悪臣佞臣叛臣を捕らえたので人手が足りなくなった。
バカン辺境伯家に仕えて領地を良くしたいと思う者は申し出ろ。
最初は悪人を見張る簡単な仕事からやらせる。
徐々に難しい仕事ができるように教えるから、安心して申し出ろ」
領内のあらゆる場所に俺の言葉を書いた木板が張られた。
日本の江戸時代なら高札場に掲げられるのと同じ物だ。
御触書のように、役人を通して広める方法もあるが、今回はその役人の大半が捕らえられているので伝わり難い。
そもそも、その役人が悪事をしていたのだから、残っていたとしても、俺が伝えたいことをちゃんと領民に伝えるはずがない。
正しく伝えたい伝言ゲームでも、全く別の内容になってしまうのだ。
最初からゆがめる気だったら、正しく伝わるはずがない。
特に今回は、家臣を追放して平民を新しく召し抱えるのだ。
追放されるかもしれない連中が正直に伝えるはずがない。
だから領都にいる平民を集めて金を渡し、俺の伝えたい事を書いた板を、領内各地に運ばせた。
ギリギリの生活をしていた領民が多かったので、出発させる前に、直ぐに食べられる肉を与えて体力が戻るようにした。
肉がもらえると知った領都の民が一斉に集まったので、板の争奪戦が起こりそうになり、慌てて別の仕事を与えなければいけなくなった。
「慌てるな、仕事はいくらでもある。
争うような奴には仕事を与えない、ちゃんと並ぶ奴には必ず仕事を与える。
アステリア皇国第14皇子ロジャーとして約束する!」
こういう時に皇子の地位はとても役に立つ。
先を争って殴り合っていた連中が、慌ててケンカを止めて列に並び出した。
彼らが疑わないように、フェルス豚の前脚と内臓付き下半身を山のように積み上げて、どこからでも見えるようにしてやった。
「うぉおおおおお、肉だ、肉の山だぞ!」
「食べられる、お腹一杯肉が食べられるぞ!」
「おすな、皇子殿下の前で争ったら肉が食べられなくなるぞ!」
「並べ、もう1度ちゃんと並び直せ!」
肉の山を見て思わず前に出た連中を、他の平民たちが抑える。
誰だって他人の失敗のせいで飯抜きにされたくはない。
ちょうど良かった、領民に内臓の掃除をさせよう。
バカン辺境伯家の領都近くにはきれいな川が流れている。
そこから水を引き入れているので、領都はきれいな水に恵まれている。
その水を使えば、剥ぎ取った内臓を洗って臭みを取る事ができる。
「板を運ぶ仕事の他に、目の前にある肉の内臓を洗う仕事がある。
見た通り山のようにあるから、仕事が無くなる事はない。
どちらの仕事も肉の食べ放題だから心配するな」
俺はここでスレッガー叔父上に耳打ちした。
直ぐにこの場でバーベキューを始めてもらうのだ。
領都中から集まって人間全員に肉を食べさせるのだ、いちいち料理などできないから、集まって領民に焼かせる事にした。
「殿下、さすがにフェルス豚はやりすぎです。
家の家臣が肉ダンジョンで集めたエミューやシープのドロップにしてください」
「残念だが、その辺りの肉は旅の途中で食べ尽くした。
今は最低でもダチョウかディアになる」
「それで良いですから、これまで1度も世の中に出ていないような肉を、当たり前のように出すのは止めてください!」
俺は10家の悪事を包み隠さず領民に発表した。
手先になっていた、冒険者ギルドなどのギルド名と個人名を公表した。
同時に、誘拐された人を助ける手伝いをしてくれとも伝えた。
その効果は劇的だった。
家族親戚縁者の誰かが行方不明になっている者がとても多かった。
その中には、10家の家臣もいたのだから笑ってしまう。
10家は、協力するふりをしながら陰では敵対していた。
闇商人の手先が上手く操っていたのかもしれないが、互いの家臣や領民を誘拐しあっていたのだから、愚かとしか言いようがない。
だから、大森林の近くにあった、被害者を一時的に置いておくアジトだけでなく、10家の領地にも誘拐して人たちを置いておくアジトがあった。
全てのアジトに家臣を送って被害者を解放した。
10家と協力していた、バカン辺境伯の直臣は全て捕らえて牢にぶち込んだ。
誘拐の被害にあっていたとしても、10家などの陪臣も全員牢にぶち込んだ。
あまりに多くの直臣陪臣を捕らえたので、見張りをする者が足らなくなった。
「皆に告げる、悪臣佞臣叛臣を捕らえたので人手が足りなくなった。
バカン辺境伯家に仕えて領地を良くしたいと思う者は申し出ろ。
最初は悪人を見張る簡単な仕事からやらせる。
徐々に難しい仕事ができるように教えるから、安心して申し出ろ」
領内のあらゆる場所に俺の言葉を書いた木板が張られた。
日本の江戸時代なら高札場に掲げられるのと同じ物だ。
御触書のように、役人を通して広める方法もあるが、今回はその役人の大半が捕らえられているので伝わり難い。
そもそも、その役人が悪事をしていたのだから、残っていたとしても、俺が伝えたいことをちゃんと領民に伝えるはずがない。
正しく伝えたい伝言ゲームでも、全く別の内容になってしまうのだ。
最初からゆがめる気だったら、正しく伝わるはずがない。
特に今回は、家臣を追放して平民を新しく召し抱えるのだ。
追放されるかもしれない連中が正直に伝えるはずがない。
だから領都にいる平民を集めて金を渡し、俺の伝えたい事を書いた板を、領内各地に運ばせた。
ギリギリの生活をしていた領民が多かったので、出発させる前に、直ぐに食べられる肉を与えて体力が戻るようにした。
肉がもらえると知った領都の民が一斉に集まったので、板の争奪戦が起こりそうになり、慌てて別の仕事を与えなければいけなくなった。
「慌てるな、仕事はいくらでもある。
争うような奴には仕事を与えない、ちゃんと並ぶ奴には必ず仕事を与える。
アステリア皇国第14皇子ロジャーとして約束する!」
こういう時に皇子の地位はとても役に立つ。
先を争って殴り合っていた連中が、慌ててケンカを止めて列に並び出した。
彼らが疑わないように、フェルス豚の前脚と内臓付き下半身を山のように積み上げて、どこからでも見えるようにしてやった。
「うぉおおおおお、肉だ、肉の山だぞ!」
「食べられる、お腹一杯肉が食べられるぞ!」
「おすな、皇子殿下の前で争ったら肉が食べられなくなるぞ!」
「並べ、もう1度ちゃんと並び直せ!」
肉の山を見て思わず前に出た連中を、他の平民たちが抑える。
誰だって他人の失敗のせいで飯抜きにされたくはない。
ちょうど良かった、領民に内臓の掃除をさせよう。
バカン辺境伯家の領都近くにはきれいな川が流れている。
そこから水を引き入れているので、領都はきれいな水に恵まれている。
その水を使えば、剥ぎ取った内臓を洗って臭みを取る事ができる。
「板を運ぶ仕事の他に、目の前にある肉の内臓を洗う仕事がある。
見た通り山のようにあるから、仕事が無くなる事はない。
どちらの仕事も肉の食べ放題だから心配するな」
俺はここでスレッガー叔父上に耳打ちした。
直ぐにこの場でバーベキューを始めてもらうのだ。
領都中から集まって人間全員に肉を食べさせるのだ、いちいち料理などできないから、集まって領民に焼かせる事にした。
「殿下、さすがにフェルス豚はやりすぎです。
家の家臣が肉ダンジョンで集めたエミューやシープのドロップにしてください」
「残念だが、その辺りの肉は旅の途中で食べ尽くした。
今は最低でもダチョウかディアになる」
「それで良いですから、これまで1度も世の中に出ていないような肉を、当たり前のように出すのは止めてください!」
172
あなたにおすすめの小説
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる