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第1章
第58話:淡水養殖真珠の秘密
神歴1817年皇歴213年7月6日バカン辺境伯家領都領城:ロジャー皇子視点
「殿下、本当に俺たち2人だけで、これだけの貝の世話をするんですか?!」
スレッガー叔父上は、最初から泣きが入っている。
「本気も本気、カラス一族の命運がかかる秘術の研究だからな」
「殿下がそこまで言われるからには、とても大切な秘術なのでしょう。
他人には絶対に知られたくないのも理解しました。
ですがさすがに1万個もの貝は世話しきれません。
数を減らしましょうよ、せめて1000個くらいにしましょう」
「どれだけ生き残るか分からない研究だ、数は多いほど良い。
それに秘密にするのは最初の作業だけだ。
それが終わって育てる段階になったら家臣に任せられる」
アコヤ貝などの海水養殖真珠は、核を入れて真珠を造らせる有核真珠だが、淡水真珠は核を入れない無核真珠だ。
だがそれは前世の知識でしかない、この世界で同じ事が成功するとは限らない。
そもそも家臣たちが集めてくれた貝は、とんでもなく大きくて、俺の知るイケチョウ貝とは違うのだ。
家臣たちが集めてくれた淡水の二枚貝は、見た目だけで判断すると5種類いる。
そのそれぞれに有核と無核の実験をして、どうなるのか確かめる。
専門用語になるが、真珠貝の外套膜組織の一片、ピースだけを母貝の体組織の中に入れるのが無核養殖法だ。
一方の有核養殖法は、貝殻を真円に成形した種玉を入れて真珠を造らせる。
その種玉を核と呼んでいるのだが、種玉を中心に真珠層がつくられるから円形の真珠玉ができるのだ。
俺は欲深いので、大きな二枚貝には無核で50個できるかもしれない方に賭けたいのだが、失敗した時が怖いから、有核と無核の両方で1個しか入れない実験もする。
巨大な2種の二枚貝限定だが、1個だけ種玉を入れる実験貝、20個の種玉を入れる実験貝、50個のピースだけを入れる実験貝も試す。
イケチョウ貝くらいの3種の二枚貝には、1個だけ種玉を入れる実験貝、50個のピースを入れる実験貝を試す。
それぞれの実験貝を、5種12パターンに分けて育てる。
そのための巨大水槽を領城の中に造らせた。
死なさないように、犯罪者奴隷に毎日水を替えさせる。
最初は農業用溜池で育てるつもりだったのだが、核入れに失敗した貝を試食してみたら、ハマグリに負けない美味しさだったので、盗み食いが怖くなった。
これだけ美味しい貝なら盗んででも食べたくなる。
「殿下、そこまで秘密にしなければいけないほど重要な貝でも、死なせてしまったら何にもならないのではないですか?
水槽で育てるよりも、領城内にちゃんとした池を造らせましょう。
後宮、奥で育てるなら絶対に盗まれませんよ」
「それは、後宮なら自分が作業させられないと思っているからか?」
「……その通りです」
「確かに養父殿と女しか入れない後宮に叔父上は入れない。
だが、俺の寝場所とした別宮の後宮にはまだ1人の妃もいない。
叔父上が出入りしても何の問題もないのだぞ」
「ギィヤアアアアア、嫌だ、これ以上チマチマした作業はいやだぁ~」
「ジェイデン叔父上や叔母上たちがいてくれれば、スレッガー叔父上に苦手な事をさせたりはしないのだが、オスカー兄上たちが心配なのだ。
スレッガー叔父上以外には、母上、オスカー兄上、フレイヤ姉上、プラドンを守ってもらいたいのだ」
「分かりました、分かりました、分かりましたよ、もう文句は言いません。
言われた通りチマチマした作業をやらせていただきます!」
「助かるよ、叔父上」
「その代わり、終ったら酒と女に溺れさせてもらいますよ!」
「ああ、浴びるくらい酒を飲んでくれ。
女の方は後で問題が起こらないように、子供ができないようにしてくれ。
それか、正式な愛妾にしてくれ、必要な金はいくらでも出す」
「そんな風に言われるとやりたくてもやれなくなるでしょうが!」
「殿下、本当に俺たち2人だけで、これだけの貝の世話をするんですか?!」
スレッガー叔父上は、最初から泣きが入っている。
「本気も本気、カラス一族の命運がかかる秘術の研究だからな」
「殿下がそこまで言われるからには、とても大切な秘術なのでしょう。
他人には絶対に知られたくないのも理解しました。
ですがさすがに1万個もの貝は世話しきれません。
数を減らしましょうよ、せめて1000個くらいにしましょう」
「どれだけ生き残るか分からない研究だ、数は多いほど良い。
それに秘密にするのは最初の作業だけだ。
それが終わって育てる段階になったら家臣に任せられる」
アコヤ貝などの海水養殖真珠は、核を入れて真珠を造らせる有核真珠だが、淡水真珠は核を入れない無核真珠だ。
だがそれは前世の知識でしかない、この世界で同じ事が成功するとは限らない。
そもそも家臣たちが集めてくれた貝は、とんでもなく大きくて、俺の知るイケチョウ貝とは違うのだ。
家臣たちが集めてくれた淡水の二枚貝は、見た目だけで判断すると5種類いる。
そのそれぞれに有核と無核の実験をして、どうなるのか確かめる。
専門用語になるが、真珠貝の外套膜組織の一片、ピースだけを母貝の体組織の中に入れるのが無核養殖法だ。
一方の有核養殖法は、貝殻を真円に成形した種玉を入れて真珠を造らせる。
その種玉を核と呼んでいるのだが、種玉を中心に真珠層がつくられるから円形の真珠玉ができるのだ。
俺は欲深いので、大きな二枚貝には無核で50個できるかもしれない方に賭けたいのだが、失敗した時が怖いから、有核と無核の両方で1個しか入れない実験もする。
巨大な2種の二枚貝限定だが、1個だけ種玉を入れる実験貝、20個の種玉を入れる実験貝、50個のピースだけを入れる実験貝も試す。
イケチョウ貝くらいの3種の二枚貝には、1個だけ種玉を入れる実験貝、50個のピースを入れる実験貝を試す。
それぞれの実験貝を、5種12パターンに分けて育てる。
そのための巨大水槽を領城の中に造らせた。
死なさないように、犯罪者奴隷に毎日水を替えさせる。
最初は農業用溜池で育てるつもりだったのだが、核入れに失敗した貝を試食してみたら、ハマグリに負けない美味しさだったので、盗み食いが怖くなった。
これだけ美味しい貝なら盗んででも食べたくなる。
「殿下、そこまで秘密にしなければいけないほど重要な貝でも、死なせてしまったら何にもならないのではないですか?
水槽で育てるよりも、領城内にちゃんとした池を造らせましょう。
後宮、奥で育てるなら絶対に盗まれませんよ」
「それは、後宮なら自分が作業させられないと思っているからか?」
「……その通りです」
「確かに養父殿と女しか入れない後宮に叔父上は入れない。
だが、俺の寝場所とした別宮の後宮にはまだ1人の妃もいない。
叔父上が出入りしても何の問題もないのだぞ」
「ギィヤアアアアア、嫌だ、これ以上チマチマした作業はいやだぁ~」
「ジェイデン叔父上や叔母上たちがいてくれれば、スレッガー叔父上に苦手な事をさせたりはしないのだが、オスカー兄上たちが心配なのだ。
スレッガー叔父上以外には、母上、オスカー兄上、フレイヤ姉上、プラドンを守ってもらいたいのだ」
「分かりました、分かりました、分かりましたよ、もう文句は言いません。
言われた通りチマチマした作業をやらせていただきます!」
「助かるよ、叔父上」
「その代わり、終ったら酒と女に溺れさせてもらいますよ!」
「ああ、浴びるくらい酒を飲んでくれ。
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「そんな風に言われるとやりたくてもやれなくなるでしょうが!」
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