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第1章
第62話:モレル(アミガサタケ)と穀物輸入
神歴1817年皇歴213年7月10日バカン辺境伯家領都領城:ロジャー皇子視点
「叔父上、今日はモレルの人工栽培を覚えてもらう」
「ウゲェ~、今日もですか、昨日の分だけで頭がいっぱいです!」
今日の叔父さんは家臣モードだな。
後で何かお願いでもするつもりなのだろうか?
いや、今日は他の護衛騎士がいるからだな。
「今日のモレルと昨日のマッシュルームだけだ、2つくらい覚えろ」
「2つですね、明日また覚えろとは言いませんね!?」
「言わん、2つだけだからしっかり覚えろ」
「分かりました、2つだけなら死ぬ気で覚えます。
しかし本当に超高級キノコのモレルを、人の手で作れるのですか?」
「ああ、作れる、おがくずに小麦粉を混ぜた菌床に、大森林や普通の森から集めてきた、モレルの菌糸を振りかけて作るのだ」
「小麦が必要なんですか、穀物が不足している辺境伯領では苦しいですね」
「俺が神の啓示を受けたのはこの方法だが、馬糞でも作れるかもしれないし、他の方法でも作れるかもしれない」
「他の高級キノコ、ポルチーニやピエ・ド・ムートン、ジロールは作れませんか?」
「俺が神の啓示を受けたのはマッシュルームとモレルだけだ」
「そうですか、少し残念ですが、普通の人間では教えてもらえない高級キノコの人工栽培を、2つも教えて頂けるだけでも特別待遇、最高ですな」
「そうだ、文句を言っては神罰が下る、後は自分で工夫するのだ」
「今日のやり方も羊皮紙に書かないといけませんか?」
「当然だろう、しっかり書け」
「ウギャ~!」
人工栽培できるモレルは、ブラックモレルだけだったはずだ。
経済的に成功していたのは中国だが、日本でも実験段階では成功していた。
しかも小麦を使わない、放置竹林の竹チップを使うエコな方法だった。
この世界で竹を見た事ないが、切っても直ぐに再生する大森林の魔樹がある。
幹の部分は建築資材として使うが、加工する時のおがくずはもちろん、枝葉の部分をチップにしたり発酵させたりして、菌床に使う事もできる。
「小麦、いや、穀物を輸入したい、できるか?」
護衛任務についている守役のアントニオに聞いてみた。
「私に聞かれるという事は、他領から買うのではなく、皇国を通じて他国から買うという事で良いのですね?」
「ああ、そうだ、他領から買っても皇国全体の穀物量は変わらない。
バカン辺境伯領の民が穀物を食べられるようになった分、他領の民が穀物を食べられなくなってしまう。
それだけでなく、俺が金に糸目をつけずに穀物を買い漁った分、穀物の価格が上がって餓死する民が増えてしまう」
「皇都には肉ダンジョンがありますから、餓死する者は出ないと思いますが、ダンジョンモンスターに殺される平民は激増するでしょう。
それに、皇都以外では民が餓死するかもしれません」
俺の言った事を、言葉を変えて繰り返さなくても良いから。
「だからだ、だから皇国を通して正式な方法で他国から穀物を輸入する」
「いまだにキャバン選帝侯を処分しない皇国上層部に、借りを作る事になるかもしれませんが、それでも良いのですか?」
「かまわない、仲間の悪事が表に出ても大した処分をしない腐った連中だ、何も手に入れられずに無罪の報告を聞くよりは、少しでも利を手に入れる」
「分かりました、守役として皇国に正式な依頼をします」
アントニオはそう言うと自分の家臣に羊皮紙を持ってこさせた。
文武両道のアントニオは、立ったままでもきれいな字で公文書が書ける。
「殿下、殿下からも、正式な願いと私的な願いを届けてください」
俺はアントニオの言葉に従って、母上やオスカー兄上、アバコーン辺境伯とゴート子爵に手紙を書いた。
まだ幼いオスカー兄上には、俺の書いている事は理解できなくても、守役や後見役には理解できるから、ロクスバラ公爵として正式な願いを皇帝や皇国に出せる。
3公爵家の1つ、ロクスバラ公爵の正式な願いは無視できない。
それでなくても、3大大公家からキャバン選帝侯を処刑するように突き上げられているのだ、俺から交渉の機会を与えてやれば必ず喰いついてくる!
「叔父上、今日はモレルの人工栽培を覚えてもらう」
「ウゲェ~、今日もですか、昨日の分だけで頭がいっぱいです!」
今日の叔父さんは家臣モードだな。
後で何かお願いでもするつもりなのだろうか?
いや、今日は他の護衛騎士がいるからだな。
「今日のモレルと昨日のマッシュルームだけだ、2つくらい覚えろ」
「2つですね、明日また覚えろとは言いませんね!?」
「言わん、2つだけだからしっかり覚えろ」
「分かりました、2つだけなら死ぬ気で覚えます。
しかし本当に超高級キノコのモレルを、人の手で作れるのですか?」
「ああ、作れる、おがくずに小麦粉を混ぜた菌床に、大森林や普通の森から集めてきた、モレルの菌糸を振りかけて作るのだ」
「小麦が必要なんですか、穀物が不足している辺境伯領では苦しいですね」
「俺が神の啓示を受けたのはこの方法だが、馬糞でも作れるかもしれないし、他の方法でも作れるかもしれない」
「他の高級キノコ、ポルチーニやピエ・ド・ムートン、ジロールは作れませんか?」
「俺が神の啓示を受けたのはマッシュルームとモレルだけだ」
「そうですか、少し残念ですが、普通の人間では教えてもらえない高級キノコの人工栽培を、2つも教えて頂けるだけでも特別待遇、最高ですな」
「そうだ、文句を言っては神罰が下る、後は自分で工夫するのだ」
「今日のやり方も羊皮紙に書かないといけませんか?」
「当然だろう、しっかり書け」
「ウギャ~!」
人工栽培できるモレルは、ブラックモレルだけだったはずだ。
経済的に成功していたのは中国だが、日本でも実験段階では成功していた。
しかも小麦を使わない、放置竹林の竹チップを使うエコな方法だった。
この世界で竹を見た事ないが、切っても直ぐに再生する大森林の魔樹がある。
幹の部分は建築資材として使うが、加工する時のおがくずはもちろん、枝葉の部分をチップにしたり発酵させたりして、菌床に使う事もできる。
「小麦、いや、穀物を輸入したい、できるか?」
護衛任務についている守役のアントニオに聞いてみた。
「私に聞かれるという事は、他領から買うのではなく、皇国を通じて他国から買うという事で良いのですね?」
「ああ、そうだ、他領から買っても皇国全体の穀物量は変わらない。
バカン辺境伯領の民が穀物を食べられるようになった分、他領の民が穀物を食べられなくなってしまう。
それだけでなく、俺が金に糸目をつけずに穀物を買い漁った分、穀物の価格が上がって餓死する民が増えてしまう」
「皇都には肉ダンジョンがありますから、餓死する者は出ないと思いますが、ダンジョンモンスターに殺される平民は激増するでしょう。
それに、皇都以外では民が餓死するかもしれません」
俺の言った事を、言葉を変えて繰り返さなくても良いから。
「だからだ、だから皇国を通して正式な方法で他国から穀物を輸入する」
「いまだにキャバン選帝侯を処分しない皇国上層部に、借りを作る事になるかもしれませんが、それでも良いのですか?」
「かまわない、仲間の悪事が表に出ても大した処分をしない腐った連中だ、何も手に入れられずに無罪の報告を聞くよりは、少しでも利を手に入れる」
「分かりました、守役として皇国に正式な依頼をします」
アントニオはそう言うと自分の家臣に羊皮紙を持ってこさせた。
文武両道のアントニオは、立ったままでもきれいな字で公文書が書ける。
「殿下、殿下からも、正式な願いと私的な願いを届けてください」
俺はアントニオの言葉に従って、母上やオスカー兄上、アバコーン辺境伯とゴート子爵に手紙を書いた。
まだ幼いオスカー兄上には、俺の書いている事は理解できなくても、守役や後見役には理解できるから、ロクスバラ公爵として正式な願いを皇帝や皇国に出せる。
3公爵家の1つ、ロクスバラ公爵の正式な願いは無視できない。
それでなくても、3大大公家からキャバン選帝侯を処刑するように突き上げられているのだ、俺から交渉の機会を与えてやれば必ず喰いついてくる!
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