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第2章
第67話:新規召し抱え
神歴1818年皇歴214年3月25日グレイシー内宮:ロジャー皇子視点
皇都の流民を纏めダンジョンで鍛えるように命じた宮中男爵が問うてきた。
「このまま引き続き訓練を行え。
これは流民を訓練しているのではない、皇国の騎士や徒士を鍛えているのだ。
流民の指揮もできないような奴に、偉大な建国皇帝陛下が建てられたアステリア皇国の家臣を名乗る資格はない!」
「はっ、しかと承りました」
生真面目に報告する宮中男爵は、皇国騎士の中では比較的優秀な人間だから、手を抜く事なく流民を鍛えられるように手配している。
問題は末端で直接流民の相手をしている騎士や徒士だ。
孤児院の連中を流民に紛れ込ませて、汚職をする連中を見張らせている。
流民の数がとんでもなく多いので、ダンジョンで訓練する際に手に入る、ドロップの額もとんでもなく大きくなのるのだ。
ジョージ皇帝の悪政と天災によって、皇国の農民は疲弊していた。
皇国の税は四公六民だが、貴族家の中には七公三民という酷い所がある。
しかも天災で収穫が激減しても、減免ぜずに税を取立てる。
そんな貴族の悪政によって生きて行けなくなった農民は、肉ダンジョンがある皇都に逃げて来る。
以前から皇都には貴族領から逃げて来る流民が多くいた。
それが、父が皇帝になってからはその数が極端に増えたのだ。
皇国全土の人間が3000万人なのに、その内の55万人が農地を捨てて皇都に逃げて来ているのだから、どれほど異常な状態か分かるだろう。
俺はその55万人を活用する事にした。
戦いに向かない者、戦いたくない者は、俺が領主になったバカン辺境伯領に送り、激減した領民の代わりにした。
野心がある者、徒士や騎士に成りたい者、もう農民には戻りたくない者は、皇都のダンジョンに潜らせてレベル上げをさせている。
本気で成り上がりたい者は、命懸けでレベルを上げている。
だからもう既に、堕落した皇国騎士よりも強くなった者が生まれている。
これからもどんどん現れるだろう。
農民には戻りたくないが、頑張るのも嫌だと言う者には、最低限生きて行ける力がつくまで強制的に訓練させている。
今は流民狩りを名目に強制的にダンジョンに潜らせているが、死ぬまでダンジョンに潜らせる気はないのだ。
冒険者として生きて行けるくらいにまで強くさせて、後は好きにさせる。
飢えて犯罪者にならないように、最低限の力をつけさせないといけない。
同時に、性根の腐っている者は早めに駆除しなければいけない!
俺が力をつけさせたことで、誰かを害する事だけは絶対に防ぎたい。
だから自由にする前に、必ず俺自身が解放する奴の性根を確認する。
「能力が上がった流民ごとに部隊を再編成しろ。
相応しい指揮官を選び、どんどん強くしろ。
俺の目に留まった者は、バカン辺境伯家、ロクスバラ公爵の家臣に取立てる。
能力があれば従属男爵を与えても構わない」
「それは、余りにも厚遇し過ぎではありませんか?」
宮中男爵が驚愕の表情を浮かべて聞き返して来た。
こいつはそれなりの能力はあるが、名門譜代準男爵家の生まれだ。
だからこそ突出した能力がないのに宮中男爵に成れた。
辺境伯家が家臣に与えられる従属爵位とは言え、流民が男爵位を与えられるのが信じられないし面白くないのだろう。
「あくまでも能力があればの話だ、能力のない者に与えるわけではない。
もちろん世襲させる気はない。
無能な子孫が先祖の功だけで高位を得るのは害悪だからな」
物凄く複雑な表情をしてやがる。
自分は能力があるから宮中男爵を得るのは当然だと思っているのだ。
最初に準男爵家の生まれた補助がある事を分かっていない。
皇国の士族が無能ばかりだから、人がいないから、宮中男爵に成れただけだ。
俺が厳格に能力を図ってこいつに役目を与えるなら、騎士隊長までだ。
「それは、能力さえあれば、流民でなくても一代男爵に取立てていただけると言う事ですか?」
「ああ、皇都に住む市民であろうと、貴族家の陪臣士族であろうと、家を継げない皇国士族の部屋住みであろうと、能力さえあれば一代男爵にしてやる。
だが、俺の基準は厳しいぞ。
並の皇国騎士だと、徒士どころか兵卒にも成れない」
「率直にお聞きしますが、臣ならどうですか?」
「皇帝陛下が宮中男爵に取立てた者を、余が値踏みする訳にはいかない。
とはいえ、明確な基準を知りたい気持ちは分かる。
余が決めても問題にならないのは、最近召し抱えた皇国騎士の部屋済みだな。
バニングス騎士家の当主を引退したドレイクで領民500人の騎士だ。
長男のショットも父親とは別に領民500人の騎士家を興している。
次男のヘンリーは領民300人だが、どんどん腕をあげているから、近いうちに400人に格上げになるだろう」
「彼らは急激に腕をあげているのですか?」
「ああ、毎日命懸けでゴブリンダンジョンやウルフダンジョンに潜り、皇国にいた頃とは比較にならない強さになっている。
だが、その気になれば誰だって同じくらい強くなれる証拠でもある」
彼らの能力を知っている宮中男爵が顔色を悪くしている。
自分の能力が彼らに及ばないのを自覚しているようだ。
自覚して努力できるのなら、宮中男爵も延びるだろう。
「臣の家族も、腕が上がれば同じように取立てていただけるのですね?」
「ああ、実力と忠誠心があるなら、誰であろうと取立てる。
バカン辺境伯家の限界、領民1万5000人の従属男爵に取立てやる。
そうだな、五選帝侯事件で処罰を受けた者の家族や家臣でも、心を入れ変えると言うのなら、能力と忠誠心があれば召し抱える」
この言葉で、成功する見込みのない叛乱よりも、新規召し抱えを目指す方が可能性があると考えてくれれば良いのだが、どうなるだろうか?
★★★★★★
第4回ファンタジーカップ用の小説を書きました。
「誘拐拉致召喚された日本出身の聖女が、国を救ったら用なしと婚約破棄追放されそうだから、助ける事にした」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/502798456/episode/7689356
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皇都の流民を纏めダンジョンで鍛えるように命じた宮中男爵が問うてきた。
「このまま引き続き訓練を行え。
これは流民を訓練しているのではない、皇国の騎士や徒士を鍛えているのだ。
流民の指揮もできないような奴に、偉大な建国皇帝陛下が建てられたアステリア皇国の家臣を名乗る資格はない!」
「はっ、しかと承りました」
生真面目に報告する宮中男爵は、皇国騎士の中では比較的優秀な人間だから、手を抜く事なく流民を鍛えられるように手配している。
問題は末端で直接流民の相手をしている騎士や徒士だ。
孤児院の連中を流民に紛れ込ませて、汚職をする連中を見張らせている。
流民の数がとんでもなく多いので、ダンジョンで訓練する際に手に入る、ドロップの額もとんでもなく大きくなのるのだ。
ジョージ皇帝の悪政と天災によって、皇国の農民は疲弊していた。
皇国の税は四公六民だが、貴族家の中には七公三民という酷い所がある。
しかも天災で収穫が激減しても、減免ぜずに税を取立てる。
そんな貴族の悪政によって生きて行けなくなった農民は、肉ダンジョンがある皇都に逃げて来る。
以前から皇都には貴族領から逃げて来る流民が多くいた。
それが、父が皇帝になってからはその数が極端に増えたのだ。
皇国全土の人間が3000万人なのに、その内の55万人が農地を捨てて皇都に逃げて来ているのだから、どれほど異常な状態か分かるだろう。
俺はその55万人を活用する事にした。
戦いに向かない者、戦いたくない者は、俺が領主になったバカン辺境伯領に送り、激減した領民の代わりにした。
野心がある者、徒士や騎士に成りたい者、もう農民には戻りたくない者は、皇都のダンジョンに潜らせてレベル上げをさせている。
本気で成り上がりたい者は、命懸けでレベルを上げている。
だからもう既に、堕落した皇国騎士よりも強くなった者が生まれている。
これからもどんどん現れるだろう。
農民には戻りたくないが、頑張るのも嫌だと言う者には、最低限生きて行ける力がつくまで強制的に訓練させている。
今は流民狩りを名目に強制的にダンジョンに潜らせているが、死ぬまでダンジョンに潜らせる気はないのだ。
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同時に、性根の腐っている者は早めに駆除しなければいけない!
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相応しい指揮官を選び、どんどん強くしろ。
俺の目に留まった者は、バカン辺境伯家、ロクスバラ公爵の家臣に取立てる。
能力があれば従属男爵を与えても構わない」
「それは、余りにも厚遇し過ぎではありませんか?」
宮中男爵が驚愕の表情を浮かべて聞き返して来た。
こいつはそれなりの能力はあるが、名門譜代準男爵家の生まれだ。
だからこそ突出した能力がないのに宮中男爵に成れた。
辺境伯家が家臣に与えられる従属爵位とは言え、流民が男爵位を与えられるのが信じられないし面白くないのだろう。
「あくまでも能力があればの話だ、能力のない者に与えるわけではない。
もちろん世襲させる気はない。
無能な子孫が先祖の功だけで高位を得るのは害悪だからな」
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皇国の士族が無能ばかりだから、人がいないから、宮中男爵に成れただけだ。
俺が厳格に能力を図ってこいつに役目を与えるなら、騎士隊長までだ。
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長男のショットも父親とは別に領民500人の騎士家を興している。
次男のヘンリーは領民300人だが、どんどん腕をあげているから、近いうちに400人に格上げになるだろう」
「彼らは急激に腕をあげているのですか?」
「ああ、毎日命懸けでゴブリンダンジョンやウルフダンジョンに潜り、皇国にいた頃とは比較にならない強さになっている。
だが、その気になれば誰だって同じくらい強くなれる証拠でもある」
彼らの能力を知っている宮中男爵が顔色を悪くしている。
自分の能力が彼らに及ばないのを自覚しているようだ。
自覚して努力できるのなら、宮中男爵も延びるだろう。
「臣の家族も、腕が上がれば同じように取立てていただけるのですね?」
「ああ、実力と忠誠心があるなら、誰であろうと取立てる。
バカン辺境伯家の限界、領民1万5000人の従属男爵に取立てやる。
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