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第2章
第70話:調査強奪
神歴1818年皇歴214年3月26日魔海敵艦甲板:ロジャー皇子視点
急いで戻ると、特に何事もなく元人質たちが麦粥を貪り食べている。
湊と交易所の間を往復するくらい1分もかからない。
役人に命令する時間の方が長いくらいだ。
吐く者が沢山いると思ったのだが、誰1人吐いていない。
俺の予想が外れたのが少々腹立たしい。
原因がとても気になるのだが、気にするよりも先にしなければいけない事がある。
「敵を浮かせて艦底に運ぶ、フロウト・イン・ザ・エアー」
艦長や幹部士族は最低限の身嗜みを整えているが、一般船員は違う。
人質ほどではないが、長期間の航海で汚く臭くなっている船員。
そんな連中を、こちらの人質にしなければいけないとはいえ、触って艦底にまで運ぶのは絶対嫌だった。
だから魔術を使って空中に浮かせた状態にして運ぶことにした。
これなら1度にある程度の人数を運ぶ事ができる。
回復した敵や隠れていた敵、新たに敵が現れたとしても、運んでいる敵を人質にも盾にも使える。
そう考えて、帆柱に作られた見張り籠にいる船員から艦底に運んだ。
次に上層甲板に倒れている船員を数回に分けて囲んだ。
中層甲板や下層甲板に倒れている船員も十数回に分けて艦底に運ぶ。
普通は平民、徒士、騎士、貴族で待遇を変えないといけない。
捕虜宣誓をした貴族士族には、身分に相応しい待遇を与え、その分を身代金として実家に請求する事ができる。
戦乱期には、その身代金を目当てに言い掛かりをつけて決闘に持ち込む者もいた。
本来なら、ジョージ皇帝の悪政が続いて収支が苦しくなった皇室と皇国は、捕虜に特権を与えて身代金の増額をはかる所だ。
だが、こいつらを捕らえたのは俺個人で、皇室も皇国も全く関係ない。
そして俺は、こいつらが宣戦布告前に行った無差別虐殺を絶対に許さない。
金など幾らでも自分で稼げるから、貴族も士族も奴隷として扱う!
甲板にいる敵を全員艦底の地獄に運んだら、次は艦長室などの個室の確認だ。
細心の注意を払い、索敵魔術で不意討ちをされないように艦長室に入る。
敵の艦長と思われる派手な服装の中年が机に突っ伏している。
机や物入兼用の箱椅子を探り、機密命令書や暗号解読書が無いか探る。
機密文書を処分する時間などなかったはずだから、必ずある!
俺が処罰した、腐った皇国貴族士族なら、金目の物から戦利品として奪っている。
だが俺は、情報的な価値を優先して艦長室の物をストレージやアイテムボックスに放り込んでいく。
何か少しでも手掛かりになるそうなモノが無いか必死で探す。
敵国の状況を知る事のできるモノも大切だが、何よりも一番大切なのは、奴隷として連れ去られた人々の居場所につながるモノだ!
宣戦布告前に魔獣で襲うという、王侯貴族の誇りなど微塵もない卑怯下劣な連中だが、人質を使った交渉も考えていた事は、100人が艦底にいた事で明らかだ。
だとすれば、最高責任者である艦長が他の奴隷の情報も持っているはずだ。
そう思って、艦長室にある移動可能なモノは全部保管した。
吊ベッドもプライベートなモノも全部だ!
その上で、壁、天井、床を徹底的に調べた。
隠し金庫や隠し扉が無いか、魔力や魔術も使って徹底的に調べた。
案の定、4ケ所もの隠し扉があり、命令書、暗号解読所、工作資金、敵国にいる我が国出身の奴隷名簿があった。
もう何もないだろうと思われたが、俺の力では探しだせない秘密があるかもしれないので、魔術と物理的に艦長室を封鎖して、俺以外誰も入れないようにした。
次に調べるのは次席指揮官である副艦長室だ。
艦長室よりも格段に劣るが、それでも個室になっていた。
その場で調べられる事は全て徹底的に調べた。
艦長室と同じように動かせるモノは全て保管した。
残念ながら、パッとわかるような重大な秘密やモノはなかった。
副艦長室も完全に封鎖して、次は上級士官、騎士階級の部屋を探す。
魔海航行艦はよほど空間に余裕がないのだろう、個室ではなく大部屋だった。
ここも同じように徹底的に調べて全部保管した。
簡易吊ベッドやプライベートなモノも、個人別にしてストレージに保管した。
下級士官、徒士階級の大部屋も一応探した。
階級と権限を考えるとろくな情報を持っているとは思えない。
だが、士官次室の情報には侮れない部分もある。
艦長や上級士官の横暴から身を守るために、個々の艦では収まらない、他艦にまでまたがる情報を持っている可能性がある。
細心の注意を払って調べられるだけ調べたので、結構時間が掛かった。
最初に艦長室を調べ始めてから12時間はかかっていた。
だが、ずっと集中して調べていたわけではない。
「もう落ち着いたか、吐いていないか、吐いていないなら次の飯を渡す」
俺は艦長室を調べている途中で中層甲板に戻り、元人質に2食目を与えた。
支給する麦粥を、肉と魚の入った味を重視した料理にした。
最初の麦粥を吐いていないので、思っていたほど胃腸は弱っていないと判断した。
12時の間に、3時間おきに3度の食事を与えた。
前後の2回を含めれば、5度の食事を与えた事になる。
半日に5度なら、約束していた1日6度よりは多いから大丈夫だろう。
最後にはチーズとハムも与えたが、吐く事なくぺろりと食べ切っていた。
「今からもう一度湊に行って援軍がどうなっているか確認してくる。
敵は、お前達が閉じ込められていた艦底に全員閉じ込めているから安心しろ。
お前たちが寒さに苦しまないように防御魔術を展開しているが、眠るのならハンモックの方が心地良いから、敵兵が使っていたハンモックを利用しろ」
俺はそう言い置いて再び交易湊に向かった。
幾ら何でも、もう流氷の上を渡ろうとしていると思う。
もし恐怖に負けて時間稼ぎをしているようなら、首にしてやる!
急いで戻ると、特に何事もなく元人質たちが麦粥を貪り食べている。
湊と交易所の間を往復するくらい1分もかからない。
役人に命令する時間の方が長いくらいだ。
吐く者が沢山いると思ったのだが、誰1人吐いていない。
俺の予想が外れたのが少々腹立たしい。
原因がとても気になるのだが、気にするよりも先にしなければいけない事がある。
「敵を浮かせて艦底に運ぶ、フロウト・イン・ザ・エアー」
艦長や幹部士族は最低限の身嗜みを整えているが、一般船員は違う。
人質ほどではないが、長期間の航海で汚く臭くなっている船員。
そんな連中を、こちらの人質にしなければいけないとはいえ、触って艦底にまで運ぶのは絶対嫌だった。
だから魔術を使って空中に浮かせた状態にして運ぶことにした。
これなら1度にある程度の人数を運ぶ事ができる。
回復した敵や隠れていた敵、新たに敵が現れたとしても、運んでいる敵を人質にも盾にも使える。
そう考えて、帆柱に作られた見張り籠にいる船員から艦底に運んだ。
次に上層甲板に倒れている船員を数回に分けて囲んだ。
中層甲板や下層甲板に倒れている船員も十数回に分けて艦底に運ぶ。
普通は平民、徒士、騎士、貴族で待遇を変えないといけない。
捕虜宣誓をした貴族士族には、身分に相応しい待遇を与え、その分を身代金として実家に請求する事ができる。
戦乱期には、その身代金を目当てに言い掛かりをつけて決闘に持ち込む者もいた。
本来なら、ジョージ皇帝の悪政が続いて収支が苦しくなった皇室と皇国は、捕虜に特権を与えて身代金の増額をはかる所だ。
だが、こいつらを捕らえたのは俺個人で、皇室も皇国も全く関係ない。
そして俺は、こいつらが宣戦布告前に行った無差別虐殺を絶対に許さない。
金など幾らでも自分で稼げるから、貴族も士族も奴隷として扱う!
甲板にいる敵を全員艦底の地獄に運んだら、次は艦長室などの個室の確認だ。
細心の注意を払い、索敵魔術で不意討ちをされないように艦長室に入る。
敵の艦長と思われる派手な服装の中年が机に突っ伏している。
机や物入兼用の箱椅子を探り、機密命令書や暗号解読書が無いか探る。
機密文書を処分する時間などなかったはずだから、必ずある!
俺が処罰した、腐った皇国貴族士族なら、金目の物から戦利品として奪っている。
だが俺は、情報的な価値を優先して艦長室の物をストレージやアイテムボックスに放り込んでいく。
何か少しでも手掛かりになるそうなモノが無いか必死で探す。
敵国の状況を知る事のできるモノも大切だが、何よりも一番大切なのは、奴隷として連れ去られた人々の居場所につながるモノだ!
宣戦布告前に魔獣で襲うという、王侯貴族の誇りなど微塵もない卑怯下劣な連中だが、人質を使った交渉も考えていた事は、100人が艦底にいた事で明らかだ。
だとすれば、最高責任者である艦長が他の奴隷の情報も持っているはずだ。
そう思って、艦長室にある移動可能なモノは全部保管した。
吊ベッドもプライベートなモノも全部だ!
その上で、壁、天井、床を徹底的に調べた。
隠し金庫や隠し扉が無いか、魔力や魔術も使って徹底的に調べた。
案の定、4ケ所もの隠し扉があり、命令書、暗号解読所、工作資金、敵国にいる我が国出身の奴隷名簿があった。
もう何もないだろうと思われたが、俺の力では探しだせない秘密があるかもしれないので、魔術と物理的に艦長室を封鎖して、俺以外誰も入れないようにした。
次に調べるのは次席指揮官である副艦長室だ。
艦長室よりも格段に劣るが、それでも個室になっていた。
その場で調べられる事は全て徹底的に調べた。
艦長室と同じように動かせるモノは全て保管した。
残念ながら、パッとわかるような重大な秘密やモノはなかった。
副艦長室も完全に封鎖して、次は上級士官、騎士階級の部屋を探す。
魔海航行艦はよほど空間に余裕がないのだろう、個室ではなく大部屋だった。
ここも同じように徹底的に調べて全部保管した。
簡易吊ベッドやプライベートなモノも、個人別にしてストレージに保管した。
下級士官、徒士階級の大部屋も一応探した。
階級と権限を考えるとろくな情報を持っているとは思えない。
だが、士官次室の情報には侮れない部分もある。
艦長や上級士官の横暴から身を守るために、個々の艦では収まらない、他艦にまでまたがる情報を持っている可能性がある。
細心の注意を払って調べられるだけ調べたので、結構時間が掛かった。
最初に艦長室を調べ始めてから12時間はかかっていた。
だが、ずっと集中して調べていたわけではない。
「もう落ち着いたか、吐いていないか、吐いていないなら次の飯を渡す」
俺は艦長室を調べている途中で中層甲板に戻り、元人質に2食目を与えた。
支給する麦粥を、肉と魚の入った味を重視した料理にした。
最初の麦粥を吐いていないので、思っていたほど胃腸は弱っていないと判断した。
12時の間に、3時間おきに3度の食事を与えた。
前後の2回を含めれば、5度の食事を与えた事になる。
半日に5度なら、約束していた1日6度よりは多いから大丈夫だろう。
最後にはチーズとハムも与えたが、吐く事なくぺろりと食べ切っていた。
「今からもう一度湊に行って援軍がどうなっているか確認してくる。
敵は、お前達が閉じ込められていた艦底に全員閉じ込めているから安心しろ。
お前たちが寒さに苦しまないように防御魔術を展開しているが、眠るのならハンモックの方が心地良いから、敵兵が使っていたハンモックを利用しろ」
俺はそう言い置いて再び交易湊に向かった。
幾ら何でも、もう流氷の上を渡ろうとしていると思う。
もし恐怖に負けて時間稼ぎをしているようなら、首にしてやる!
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