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第2章
第71話:召し放ちと徴兵
神歴1818年皇歴214年3月26日交易湊代官所:ロジャー皇子視点
「戦えない憶病者に用はない、お前たちは召し放ちだ、出て行け!」
情けない事に、代官所や交易所にいた皇国士族は腰抜けばかりだった。
危険な極寒の流氷の上を渡るのが怖いのは分かる。
だが、危険なのは流氷の上だけではない、戦場も危険なのだ。
皇国に仕える騎士や徒士なら、何時戦場に行くか分からない。
そんな危険な役目だからこそ、領地を与えられ報酬が支給されている。
そんな身分立場の者が、怖いから行けませんと言うのは絶対に許されない。
だから俺は、皇国皇子の立場と権限を使って役立たずを首にした。
単に役目を止めさせたのではなく、皇国士族の地位を剝奪した。
当然領地も召し上げだし報酬も無くなる。
皇国士族がいなくなった代官所と交易所の業務は、地元の役人にやらせる。
五選帝侯事件の時に、汚職をしていた地方役人は全員犯罪者奴隷になっている。
今残っているのは、能力は別にして悪い事をしていなかった連中だ。
能力がないとは言っても、普通に業務をこなす事くらいはできる。
名代官と呼ばれるだけの能力がないだけで、読み書き計算はできる。
それに、交易を禁止しているから仕事も激減している。
「クズグズしていたら徹底的に調べて犯罪者奴隷にするぞ!」
しつこく言い訳して温情を願い出るのがうっとうしかったので、一喝した。
顔色を変えて逃げ出したから、僅かな期間に悪事を働いていたのかもしれない。
余裕ができたら検査役を派遣して徹底的に調べさせよう。
そう思いながら、残った地方役人に敵艦に向かう人間を集めさせる。
交易都市、交易湊に派遣されている皇国士族は少数だ。
何かあった場合の防衛力は近隣の貴族家の負担になっていた。
地方役人に命じて、当番貴族の領主軍が駐屯している兵舎に伝令させた。
『敵艦を拿捕したから管理の兵士500人を送れ』と伝えさせた。
皇国皇子である俺の命令でなくても、交易湊の防衛当番をやらされるような立場の弱い貴族家に拒否権はない。
「ロジャー皇子殿下の命を受けて参上いたしました!」
当番貴族の派遣している兵士は1000人、その内の500人が即座に来た。
領民数55万人の辺境伯家とはいえ、1000兵派遣は大変な経済的負担だ。
外国と戦う事になった以上、貴族には経済的な余裕が必要だ。
それ以上に、皇国の直臣である皇国士族が勇敢でなければいけない。
今後は皇国士族に警備をやらせて、堕落を防ぐ役目の1つにしよう。
「よく集まってくれた!
お前たちも知っているように、ここをクラーケンとザラタンが襲った。
それが敵国の行った卑怯下劣な宣誓布告前攻撃だった!
こちらが見破れなかったら、魔獣災害に見せかける気だったのだ!」
「「「「「なんと!」」」」」
「余がクラーケンを斃しザラタンを使い魔にしたのは聞いているか?」
「「「「「え、聞いていません!」」」」」
「役立たずな皇国士族は追放した。
今は地方役人にしかいないから、今後は地方役人から命令が届く。
俺の命令を伝えているから決して逆らうな、良いな?!」
「「「「「はい!」」」」」
「明朝には危険な流氷を渡って敵艦まで行ってもらう。
憶病で追放された皇国士族のような恥をさらすな!
見事敵艦に渡り勇気を示した者には感状を渡す」
「「「「「はい!」」」」」
「ロジャー皇子殿下、案内を勤める猟師を連れて参りました!」
仕事をやり遂げた誇りに輝く表情をした地方役人が声をかけて来た。
「案内、猟師、流氷を渡って猟をする猛者がいるのか?」
俺の命令を聞いて急いで集めてくれたのか、それとも俺が皇国士族に命じた時から探してくれていたのか分からないが、地方役人が案内役を連れて来てくれた。
極寒の魔海は、冬の間は凍り付く。
俺は知らなかったが、その凍り付いた海の上で生きる海獣が結構いるそうだ。
そんな海獣を狩るために、流氷を渡る命知らずの猟師がいた。
そんな勇敢な猟師が、交易湊警備の領主軍を敵艦まで案内してくれると言う。
彼らに礼金を払うのは当然だが、卑怯下劣な皇国士族以下の扱いはできない。
「皇国士族が逃げ出すような危険な役目を、良く志願してくれた。
礼金を渡すのは当然だが、それだけでは余の気持ちが治まらぬ。
領主軍を無事に敵艦まで案内してくれたら、感状を渡す。
領主軍もお前たちも無事に敵艦まで来い、余は敵艦で待っている」
「身に余るお言葉を賜り、感激の余り心臓が止まりそうでございます」
猟師の代表は、俺の想像以上に強心臓だった。
俺の言葉を受けて、軽いジョークまで返せる臨機応変の才があった。
嫌がらなければ家臣の取立てようと考えながら、領主軍へのフォローもした。
「急な行軍で準備を整えるのも大変であろう。
警備の基本は防衛戦なので、行軍用の兵糧集めに苦労しているのではないか?
余は常にアイテムボックスに大量の兵糧を入れている。
それを下賜するから十分に働け」
俺はそう言って、不意の戦争時に使えるように準備していた兵糧を渡した。
500人が4回食べられるだけのパン、ベーコン、ハム、ソーセージだ。
「渡すのは4食分だが、2食で食べ切れ。
極寒の流氷の上では、想像以上に体力を奪われる。
1食で2回分の量を食べ切るつもりでいろ。
この2食は今夜の分と明日の朝食分だ。
昼食までに敵艦に辿り着けなければ、再度食事を下賜するから安心しろ。
だが、万が一の事を考えて保存食は用意しておけよ」
俺はそれだけ言って、直ぐに兵糧を渡し敵艦に戻った。
大丈夫だとは思うが、新たな敵が現れていないか心配だったのだ。
索敵魔術には何の反応もないが、不安で仕方がなかったのだ。
「戦えない憶病者に用はない、お前たちは召し放ちだ、出て行け!」
情けない事に、代官所や交易所にいた皇国士族は腰抜けばかりだった。
危険な極寒の流氷の上を渡るのが怖いのは分かる。
だが、危険なのは流氷の上だけではない、戦場も危険なのだ。
皇国に仕える騎士や徒士なら、何時戦場に行くか分からない。
そんな危険な役目だからこそ、領地を与えられ報酬が支給されている。
そんな身分立場の者が、怖いから行けませんと言うのは絶対に許されない。
だから俺は、皇国皇子の立場と権限を使って役立たずを首にした。
単に役目を止めさせたのではなく、皇国士族の地位を剝奪した。
当然領地も召し上げだし報酬も無くなる。
皇国士族がいなくなった代官所と交易所の業務は、地元の役人にやらせる。
五選帝侯事件の時に、汚職をしていた地方役人は全員犯罪者奴隷になっている。
今残っているのは、能力は別にして悪い事をしていなかった連中だ。
能力がないとは言っても、普通に業務をこなす事くらいはできる。
名代官と呼ばれるだけの能力がないだけで、読み書き計算はできる。
それに、交易を禁止しているから仕事も激減している。
「クズグズしていたら徹底的に調べて犯罪者奴隷にするぞ!」
しつこく言い訳して温情を願い出るのがうっとうしかったので、一喝した。
顔色を変えて逃げ出したから、僅かな期間に悪事を働いていたのかもしれない。
余裕ができたら検査役を派遣して徹底的に調べさせよう。
そう思いながら、残った地方役人に敵艦に向かう人間を集めさせる。
交易都市、交易湊に派遣されている皇国士族は少数だ。
何かあった場合の防衛力は近隣の貴族家の負担になっていた。
地方役人に命じて、当番貴族の領主軍が駐屯している兵舎に伝令させた。
『敵艦を拿捕したから管理の兵士500人を送れ』と伝えさせた。
皇国皇子である俺の命令でなくても、交易湊の防衛当番をやらされるような立場の弱い貴族家に拒否権はない。
「ロジャー皇子殿下の命を受けて参上いたしました!」
当番貴族の派遣している兵士は1000人、その内の500人が即座に来た。
領民数55万人の辺境伯家とはいえ、1000兵派遣は大変な経済的負担だ。
外国と戦う事になった以上、貴族には経済的な余裕が必要だ。
それ以上に、皇国の直臣である皇国士族が勇敢でなければいけない。
今後は皇国士族に警備をやらせて、堕落を防ぐ役目の1つにしよう。
「よく集まってくれた!
お前たちも知っているように、ここをクラーケンとザラタンが襲った。
それが敵国の行った卑怯下劣な宣誓布告前攻撃だった!
こちらが見破れなかったら、魔獣災害に見せかける気だったのだ!」
「「「「「なんと!」」」」」
「余がクラーケンを斃しザラタンを使い魔にしたのは聞いているか?」
「「「「「え、聞いていません!」」」」」
「役立たずな皇国士族は追放した。
今は地方役人にしかいないから、今後は地方役人から命令が届く。
俺の命令を伝えているから決して逆らうな、良いな?!」
「「「「「はい!」」」」」
「明朝には危険な流氷を渡って敵艦まで行ってもらう。
憶病で追放された皇国士族のような恥をさらすな!
見事敵艦に渡り勇気を示した者には感状を渡す」
「「「「「はい!」」」」」
「ロジャー皇子殿下、案内を勤める猟師を連れて参りました!」
仕事をやり遂げた誇りに輝く表情をした地方役人が声をかけて来た。
「案内、猟師、流氷を渡って猟をする猛者がいるのか?」
俺の命令を聞いて急いで集めてくれたのか、それとも俺が皇国士族に命じた時から探してくれていたのか分からないが、地方役人が案内役を連れて来てくれた。
極寒の魔海は、冬の間は凍り付く。
俺は知らなかったが、その凍り付いた海の上で生きる海獣が結構いるそうだ。
そんな海獣を狩るために、流氷を渡る命知らずの猟師がいた。
そんな勇敢な猟師が、交易湊警備の領主軍を敵艦まで案内してくれると言う。
彼らに礼金を払うのは当然だが、卑怯下劣な皇国士族以下の扱いはできない。
「皇国士族が逃げ出すような危険な役目を、良く志願してくれた。
礼金を渡すのは当然だが、それだけでは余の気持ちが治まらぬ。
領主軍を無事に敵艦まで案内してくれたら、感状を渡す。
領主軍もお前たちも無事に敵艦まで来い、余は敵艦で待っている」
「身に余るお言葉を賜り、感激の余り心臓が止まりそうでございます」
猟師の代表は、俺の想像以上に強心臓だった。
俺の言葉を受けて、軽いジョークまで返せる臨機応変の才があった。
嫌がらなければ家臣の取立てようと考えながら、領主軍へのフォローもした。
「急な行軍で準備を整えるのも大変であろう。
警備の基本は防衛戦なので、行軍用の兵糧集めに苦労しているのではないか?
余は常にアイテムボックスに大量の兵糧を入れている。
それを下賜するから十分に働け」
俺はそう言って、不意の戦争時に使えるように準備していた兵糧を渡した。
500人が4回食べられるだけのパン、ベーコン、ハム、ソーセージだ。
「渡すのは4食分だが、2食で食べ切れ。
極寒の流氷の上では、想像以上に体力を奪われる。
1食で2回分の量を食べ切るつもりでいろ。
この2食は今夜の分と明日の朝食分だ。
昼食までに敵艦に辿り着けなければ、再度食事を下賜するから安心しろ。
だが、万が一の事を考えて保存食は用意しておけよ」
俺はそれだけ言って、直ぐに兵糧を渡し敵艦に戻った。
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