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第2章
第74話:見張りと船大工
神歴1818年皇歴214年3月27日拿捕艦:ロジャー皇子視点
夜になる前に領主軍が拿捕艦にやってきた。
彼らの仕事は捕虜の管理と拿捕艦の技術的な解明だ。
領主軍にそれだけの知識や技術がなくても、拿捕艦の詳細を書く写す事はできる。
「お前たちのやってもらうのは、捕虜にいた連中の管理だ。
王侯貴族を名乗ろうが一切特別扱いをするな。
余の権限により、戦争犯罪者として奴隷にしている。
扱いは犯罪者奴隷とするように厳命する」
「はっ、誰であろうと犯罪者奴隷として扱います」
500人の領主軍を預かる責任者が厳しい表情で誓ってくれた。
もし俺の言葉を守らなかった場合は、自分だけの処罰で済まないのを理解しているから、責任の重さに胃が痛いのかもしれない。
俺がこれまでやって来た事は、皇国中で評判になっている。
俺の厳命を守らなかったら、主君家族も厳罰を受けるのが分かっている。
更に妻子も連座させられて犯罪者奴隷にされるのだ。
部隊を任されているくらいには賢いから、その程度の事は分かる。
だが一般に兵士には、こんな事も分からない奴がいる。
実際に兵を率いているだけに、配下の人間の事を理解しているのだ。
少々の事なら分からないと高を括って、賄賂を受け取り便宜を図る奴が現れる。
俺がどれほど厳しく命じても、バレないと考えるどうしようもないバカがいる。
俺は、領主軍の指揮官たちを艦底に押し込んでいる敵兵の所まで連れて行った。
対面させてどれほど卑怯下劣か分からせた。
領主軍はクラーケンが暴れる交易湊にいたのだ。
運が悪ければ、自分たちが喰われていたかもしれないのを嫌と言うほど理解しているから、クラーケンを操っていた者を増悪するように誘導する。
「私ではない、私がやらせたのではない、自然災害だ、クラーケンが勝手に暴れたのであって、私がやらせたわけではない!」
流石に俺に言い放った『皇国が悪政を行っているから天罰が下った』という言葉は口にしなかったが、徹頭徹尾関与を否定した。
「これが、帝国がこいつにクラーケンを使って皇国を襲えと命じた指令書だ。
本来なら燃やして証拠を隠滅する所だが、こいつも、このような卑怯下劣な方法を命じる帝国を信用していなかった。
我ら皇国に捕らえられた時や、事実がバレて世界中から非難された時の為に、自分が命令されて仕方なくやったという証拠を残してやがった。
悪逆非道な上に忠誠心の欠片も無い糞野郎だが、絶対に死なすな。
証拠だけでなく証人も確保しておきたい」
「はっ、お任せくださいロジャー皇子殿下」
俺の言葉を聞いた領主軍の指揮官は決意の籠った返事をしてくれた。
部下の不正や失敗を恐れる以上に、帝国に対する敵意が高まったのだろう。
目の前にいる帝国人を人間扱いしてはならないと、心から理解したのだ。
領主軍の指揮官に捕虜の管理を引き継いだ後で、また交易湊に戻った。
地方役人に命じて集めさせておいた、船大工を運ぶためだ。
我が国の船大工は帝国の船大工より劣っている。
彼らに魔海航行艦を見せて同じ物を建造させないといけない。
帝国の魔海航行艦を拿捕するまでは、俺が管理しているキャバン辺境伯領の船大工にやらせる気だったが、こうなっては話が違ってくる。
現物があるのなら、それを見て参考にできる。
皇国にいる全ての船大工に見学させて一気に技術を盗む。
拿捕艦は俺が手に入れた俺の物だ。
当然俺が管理しているキャバン辺境伯領の湊に拘留する。
辺境伯領の湊は皇国のかなり東にあり、交易湊は皇国の西端にある。
そうなると、遠く離れた交易湊の船大工は見学に来るのが大変だ。
だったら流氷が無くなるまでの間に交易湊の船大工に見学させればいい。
同時に、やる気のある船大工には何時でも見学させるつもりだ。
その第一弾として、交易都市にいる船大工を拿捕艦にまで運ぶのだ。
10人くらいなら浮遊魔術で浮かせる事ができる。
ロープでつないで引っ張れば、拿捕艦までは直ぐだ。
「「「「「ぎゃあああああ、助けてくれ、しぬ、しぬ、死んでしまう」」」」」
船大工1人1人を防御魔術で守っているから、少々早く引っ張っても大丈夫だと思っていたのだが、とんでもなく怖がってしまった。
可哀想に、日頃は親方と敬われている一流の船大工が、失禁脱糞して見るも無残な状態で泣き出してしまった。
俺も鬼ではないので、そのまま引っ張って拿捕艦にまで運ぶ気にならなかった。
平気そうにしていた1人だけを拿捕艦に連れて行くことにした。
リタイアした9人は、他の船大工と一緒に流氷を渡って来る事になった。
最初は流氷を渡るのも怖がって嫌だと言っていたのだが『俺に運ばれるか自分で流氷は渡るかの2つに1つだ、拒否する事は絶対に許さん』と言ったら自分で渡る方を選んだ。
少々可哀想には思ったが、事は奴隷として運び去られた民の救出なのだ。
1分1秒の遅れが、劣悪な環境で働かされている彼には命に係わる。
1秒遅れた事で死んでしまう民が10人いるかもしれないのだ。
怖いから流氷を渡りたくないと言うのは受け入れられない。
船大工の件は最低限で妥協したが、使い魔に関しては一切の妥協をしない。
使える使い魔がいれば、魔海航行艦の建造と船員の教育ができなかったとしても、帝国に行って帝国に売られた民を救う事ができるから!
夜になる前に領主軍が拿捕艦にやってきた。
彼らの仕事は捕虜の管理と拿捕艦の技術的な解明だ。
領主軍にそれだけの知識や技術がなくても、拿捕艦の詳細を書く写す事はできる。
「お前たちのやってもらうのは、捕虜にいた連中の管理だ。
王侯貴族を名乗ろうが一切特別扱いをするな。
余の権限により、戦争犯罪者として奴隷にしている。
扱いは犯罪者奴隷とするように厳命する」
「はっ、誰であろうと犯罪者奴隷として扱います」
500人の領主軍を預かる責任者が厳しい表情で誓ってくれた。
もし俺の言葉を守らなかった場合は、自分だけの処罰で済まないのを理解しているから、責任の重さに胃が痛いのかもしれない。
俺がこれまでやって来た事は、皇国中で評判になっている。
俺の厳命を守らなかったら、主君家族も厳罰を受けるのが分かっている。
更に妻子も連座させられて犯罪者奴隷にされるのだ。
部隊を任されているくらいには賢いから、その程度の事は分かる。
だが一般に兵士には、こんな事も分からない奴がいる。
実際に兵を率いているだけに、配下の人間の事を理解しているのだ。
少々の事なら分からないと高を括って、賄賂を受け取り便宜を図る奴が現れる。
俺がどれほど厳しく命じても、バレないと考えるどうしようもないバカがいる。
俺は、領主軍の指揮官たちを艦底に押し込んでいる敵兵の所まで連れて行った。
対面させてどれほど卑怯下劣か分からせた。
領主軍はクラーケンが暴れる交易湊にいたのだ。
運が悪ければ、自分たちが喰われていたかもしれないのを嫌と言うほど理解しているから、クラーケンを操っていた者を増悪するように誘導する。
「私ではない、私がやらせたのではない、自然災害だ、クラーケンが勝手に暴れたのであって、私がやらせたわけではない!」
流石に俺に言い放った『皇国が悪政を行っているから天罰が下った』という言葉は口にしなかったが、徹頭徹尾関与を否定した。
「これが、帝国がこいつにクラーケンを使って皇国を襲えと命じた指令書だ。
本来なら燃やして証拠を隠滅する所だが、こいつも、このような卑怯下劣な方法を命じる帝国を信用していなかった。
我ら皇国に捕らえられた時や、事実がバレて世界中から非難された時の為に、自分が命令されて仕方なくやったという証拠を残してやがった。
悪逆非道な上に忠誠心の欠片も無い糞野郎だが、絶対に死なすな。
証拠だけでなく証人も確保しておきたい」
「はっ、お任せくださいロジャー皇子殿下」
俺の言葉を聞いた領主軍の指揮官は決意の籠った返事をしてくれた。
部下の不正や失敗を恐れる以上に、帝国に対する敵意が高まったのだろう。
目の前にいる帝国人を人間扱いしてはならないと、心から理解したのだ。
領主軍の指揮官に捕虜の管理を引き継いだ後で、また交易湊に戻った。
地方役人に命じて集めさせておいた、船大工を運ぶためだ。
我が国の船大工は帝国の船大工より劣っている。
彼らに魔海航行艦を見せて同じ物を建造させないといけない。
帝国の魔海航行艦を拿捕するまでは、俺が管理しているキャバン辺境伯領の船大工にやらせる気だったが、こうなっては話が違ってくる。
現物があるのなら、それを見て参考にできる。
皇国にいる全ての船大工に見学させて一気に技術を盗む。
拿捕艦は俺が手に入れた俺の物だ。
当然俺が管理しているキャバン辺境伯領の湊に拘留する。
辺境伯領の湊は皇国のかなり東にあり、交易湊は皇国の西端にある。
そうなると、遠く離れた交易湊の船大工は見学に来るのが大変だ。
だったら流氷が無くなるまでの間に交易湊の船大工に見学させればいい。
同時に、やる気のある船大工には何時でも見学させるつもりだ。
その第一弾として、交易都市にいる船大工を拿捕艦にまで運ぶのだ。
10人くらいなら浮遊魔術で浮かせる事ができる。
ロープでつないで引っ張れば、拿捕艦までは直ぐだ。
「「「「「ぎゃあああああ、助けてくれ、しぬ、しぬ、死んでしまう」」」」」
船大工1人1人を防御魔術で守っているから、少々早く引っ張っても大丈夫だと思っていたのだが、とんでもなく怖がってしまった。
可哀想に、日頃は親方と敬われている一流の船大工が、失禁脱糞して見るも無残な状態で泣き出してしまった。
俺も鬼ではないので、そのまま引っ張って拿捕艦にまで運ぶ気にならなかった。
平気そうにしていた1人だけを拿捕艦に連れて行くことにした。
リタイアした9人は、他の船大工と一緒に流氷を渡って来る事になった。
最初は流氷を渡るのも怖がって嫌だと言っていたのだが『俺に運ばれるか自分で流氷は渡るかの2つに1つだ、拒否する事は絶対に許さん』と言ったら自分で渡る方を選んだ。
少々可哀想には思ったが、事は奴隷として運び去られた民の救出なのだ。
1分1秒の遅れが、劣悪な環境で働かされている彼には命に係わる。
1秒遅れた事で死んでしまう民が10人いるかもしれないのだ。
怖いから流氷を渡りたくないと言うのは受け入れられない。
船大工の件は最低限で妥協したが、使い魔に関しては一切の妥協をしない。
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