98 / 111
第2章
第98話:艦隊
神歴1818年皇歴214年9月26日帝国南部交易湊:ロジャー皇子視点
皇国に解放奴隷を帰国させてくれた艦隊が戻ってきた。
今回は5000人もの帝国士族が乗船していた。
前回乗船できなかった者たちが中核の250人になっている。
とは言っても、前回乗船していた者の8割、200人は陸に下りず戻って来た。
艦長や戦隊司令代理を目指す者は、皇国に残る事無く連続で乗船している。
これは俺が将来の海軍組織図を公表したからだ。
誰もが立身出世を目指して能力を高め経験を積もうとしている。
「艦の組織図」
艦長 :上級騎士・準男爵
副艦長 :上級騎士・騎士爵
上級士官:騎乗資格のある士族・騎士
下級士官:騎乗資格のない士族・徒士
兵士 :士族使用人・卒族
「艦隊組織図」
艦隊司令長官:256艦以上の大型艦を指揮・侯爵格
艦隊司令官 :32艦以上の大型艦を指揮・伯爵格
艦隊司令 :4艦以上の大型艦を指揮・子爵格
戦隊司令 :2艦以上の大型艦を指揮・男爵格
既に100艦を越える大型艦が俺の支配下にある。
大型艦とは言えない、中小の艦も200隻以上ある。
今はまだ能力も経験もない皇国士族が艦を指揮しているから、全ての役職が仮初めの物でしかなく、代理となっている。
だが、経験を積み能力が上がれば、正式な上級士族、準男爵になれる。
役職中の一時的な爵位だが、伯爵として遇される。
自分に自信がある者や野心がある者が海軍に志願するのは当然だった。
「嫌な思いをさせてしまったな」
俺は、ジョージ皇帝やハリソン皇父から無能な士族を押し付けられた、戦隊司令代理に労わりの声をかけた。
「いえ、皇帝陛下が相手であろうと、殿下のお言葉を伝えてから受け入れろと言っていただいておりましたので、何の不安も負担もなく受け入れる事ができました。
受け入れた連中も、帝国に来るまでは虐げ搾取できる民がいませんので、大人しいものでした」
戦隊司令代理が言うように、ジョージ皇帝とハリソン皇父が賄賂を受け取って海軍の役職を与えようとした者を、全員受け入れた。
2人がやっている事は、皇国に残した使い魔が逐一伝えてくれる。
今はまだそれほど酷い事をしていないので泳がしているが、今度何かやったら問答無用でタコ殴りにしてやる!
ジョージ皇帝は、皇位継承権の問題があるからまだ殺せないが、ハリソン皇父はもう見逃す気にもならないので、地獄の苦しみを味あわせてから殺す!
俺が直接手を下すべきなのだが、今は無理なので使い魔にやってもらう。
「皇帝陛下とハリソンに押し付けられた連中は、全員俺が引き受ける。
俺が選抜して連れて来てもらった士族の中にも、残念だが期待外れな者がいた。
その連中も俺が引き受けるから、君は残りの者を率いて皇国に戻ってくれ」
「はっ、主命に従わせていただきます」
戦隊司令代理は、皇帝や皇国でなく、俺個人に仕えると言ってくれている。
とてもありがたい事だが、忠誠心だけで役職は与えられない。
能力や経験だけでも与えられないが、多くの命を預かる役目は忠誠心よりも漢気のある者を選ばなければならない。
「分かってくれていると思うが、皇国に戻ったら、希望する者は必ず下艦をゆるしてやれ、良いな?」
「はい、本人や家族の傷病はもちろん、私的な理由であろうと、下艦を希望する者の求めに応じます」
戦隊司令代理が俺の言葉を復唱しながら誓ってくれる。
下艦期間をもうけずに航海を続けてしまうと、妻や恋人に裏切られる者が必ずでてくるから、本当は寄港期間を長くした方が良いのだ。
だが、不幸な目にあった解放奴隷たちを1日でも早く皇国に帰国させてやろうと思うと、艦の整備と消耗品の積み下ろしをするだけで出港する事になる。
これでは家庭の不和を俺が作りだしているようなものだ。
俺はこう見えて物凄く世間の評判を気にする。
世論によって敵味方の数が圧倒的に違ってくる。
選帝侯たちを処罰した時も世論を利用した。
この世論を利用して敵を排除する方法は、ハリソン皇父が先に使っている。
先代皇帝の子供を次々と殺した際には、先代皇帝の忠臣を世論で悪者に仕立て上げ、反論できないようにしてから嫡男を殺し権力を奪っている。
俺も同じ方法でハリソン皇父に地獄を味あわせてやりたいが、自分以外に全く愛情を持たない奴に同じ方法を使っても、全然苦しまない。
それに、子供を皆殺しにして子孫が残らないようにしようするなら、俺自身も同母の兄弟姉妹も死ななければならない。
あんな腐れ外道の為に死ぬ気にはならないので、別の方法で苦しませるしかない。
皇太子殺しを明らかにして、ジョージ皇帝の即位を不当も明らかにして、他の皇統に皇位を譲り渡すのが1番復讐になるのだが、それだと皇国内が乱れてしまう。
とても腹立たしい事だが、皇国民の幸せを考えれば、ハリソン皇父の血統が皇位を継ぐしかないのだが、本当にそうするしかないのだろうか?
「帝国で建造させた魔海航行艦が10艦進水した。
艦長代理を含めた乗員を選抜してくれ」
「自分が選んで良いのですか?!」
「賄賂を受け取って選ぶのでなければ、航海を指揮した貴君が選んでくれ。
ただし、余から見て見所がない者を選んだら、貴君には航海術や人心掌握術はあっても、人を見る目はないと判断することになる」
「それは、ちょっと恐ろしすぎますね」
「辞退するか?」
「いえ、自分に人を見る目が有るのか無いのか確かめさせて頂きます」
「そうか、それなら任せた」
「はい、ありがとうございます」
皇国に解放奴隷を帰国させてくれた艦隊が戻ってきた。
今回は5000人もの帝国士族が乗船していた。
前回乗船できなかった者たちが中核の250人になっている。
とは言っても、前回乗船していた者の8割、200人は陸に下りず戻って来た。
艦長や戦隊司令代理を目指す者は、皇国に残る事無く連続で乗船している。
これは俺が将来の海軍組織図を公表したからだ。
誰もが立身出世を目指して能力を高め経験を積もうとしている。
「艦の組織図」
艦長 :上級騎士・準男爵
副艦長 :上級騎士・騎士爵
上級士官:騎乗資格のある士族・騎士
下級士官:騎乗資格のない士族・徒士
兵士 :士族使用人・卒族
「艦隊組織図」
艦隊司令長官:256艦以上の大型艦を指揮・侯爵格
艦隊司令官 :32艦以上の大型艦を指揮・伯爵格
艦隊司令 :4艦以上の大型艦を指揮・子爵格
戦隊司令 :2艦以上の大型艦を指揮・男爵格
既に100艦を越える大型艦が俺の支配下にある。
大型艦とは言えない、中小の艦も200隻以上ある。
今はまだ能力も経験もない皇国士族が艦を指揮しているから、全ての役職が仮初めの物でしかなく、代理となっている。
だが、経験を積み能力が上がれば、正式な上級士族、準男爵になれる。
役職中の一時的な爵位だが、伯爵として遇される。
自分に自信がある者や野心がある者が海軍に志願するのは当然だった。
「嫌な思いをさせてしまったな」
俺は、ジョージ皇帝やハリソン皇父から無能な士族を押し付けられた、戦隊司令代理に労わりの声をかけた。
「いえ、皇帝陛下が相手であろうと、殿下のお言葉を伝えてから受け入れろと言っていただいておりましたので、何の不安も負担もなく受け入れる事ができました。
受け入れた連中も、帝国に来るまでは虐げ搾取できる民がいませんので、大人しいものでした」
戦隊司令代理が言うように、ジョージ皇帝とハリソン皇父が賄賂を受け取って海軍の役職を与えようとした者を、全員受け入れた。
2人がやっている事は、皇国に残した使い魔が逐一伝えてくれる。
今はまだそれほど酷い事をしていないので泳がしているが、今度何かやったら問答無用でタコ殴りにしてやる!
ジョージ皇帝は、皇位継承権の問題があるからまだ殺せないが、ハリソン皇父はもう見逃す気にもならないので、地獄の苦しみを味あわせてから殺す!
俺が直接手を下すべきなのだが、今は無理なので使い魔にやってもらう。
「皇帝陛下とハリソンに押し付けられた連中は、全員俺が引き受ける。
俺が選抜して連れて来てもらった士族の中にも、残念だが期待外れな者がいた。
その連中も俺が引き受けるから、君は残りの者を率いて皇国に戻ってくれ」
「はっ、主命に従わせていただきます」
戦隊司令代理は、皇帝や皇国でなく、俺個人に仕えると言ってくれている。
とてもありがたい事だが、忠誠心だけで役職は与えられない。
能力や経験だけでも与えられないが、多くの命を預かる役目は忠誠心よりも漢気のある者を選ばなければならない。
「分かってくれていると思うが、皇国に戻ったら、希望する者は必ず下艦をゆるしてやれ、良いな?」
「はい、本人や家族の傷病はもちろん、私的な理由であろうと、下艦を希望する者の求めに応じます」
戦隊司令代理が俺の言葉を復唱しながら誓ってくれる。
下艦期間をもうけずに航海を続けてしまうと、妻や恋人に裏切られる者が必ずでてくるから、本当は寄港期間を長くした方が良いのだ。
だが、不幸な目にあった解放奴隷たちを1日でも早く皇国に帰国させてやろうと思うと、艦の整備と消耗品の積み下ろしをするだけで出港する事になる。
これでは家庭の不和を俺が作りだしているようなものだ。
俺はこう見えて物凄く世間の評判を気にする。
世論によって敵味方の数が圧倒的に違ってくる。
選帝侯たちを処罰した時も世論を利用した。
この世論を利用して敵を排除する方法は、ハリソン皇父が先に使っている。
先代皇帝の子供を次々と殺した際には、先代皇帝の忠臣を世論で悪者に仕立て上げ、反論できないようにしてから嫡男を殺し権力を奪っている。
俺も同じ方法でハリソン皇父に地獄を味あわせてやりたいが、自分以外に全く愛情を持たない奴に同じ方法を使っても、全然苦しまない。
それに、子供を皆殺しにして子孫が残らないようにしようするなら、俺自身も同母の兄弟姉妹も死ななければならない。
あんな腐れ外道の為に死ぬ気にはならないので、別の方法で苦しませるしかない。
皇太子殺しを明らかにして、ジョージ皇帝の即位を不当も明らかにして、他の皇統に皇位を譲り渡すのが1番復讐になるのだが、それだと皇国内が乱れてしまう。
とても腹立たしい事だが、皇国民の幸せを考えれば、ハリソン皇父の血統が皇位を継ぐしかないのだが、本当にそうするしかないのだろうか?
「帝国で建造させた魔海航行艦が10艦進水した。
艦長代理を含めた乗員を選抜してくれ」
「自分が選んで良いのですか?!」
「賄賂を受け取って選ぶのでなければ、航海を指揮した貴君が選んでくれ。
ただし、余から見て見所がない者を選んだら、貴君には航海術や人心掌握術はあっても、人を見る目はないと判断することになる」
「それは、ちょっと恐ろしすぎますね」
「辞退するか?」
「いえ、自分に人を見る目が有るのか無いのか確かめさせて頂きます」
「そうか、それなら任せた」
「はい、ありがとうございます」
あなたにおすすめの小説
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始!
2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!