皇帝の14男ですが、皇位争いの暗殺や謀殺から生き延びて、何とか貧乏辺境伯家に婿入りできました。前世知識と魔力でスローライフしたい。

克全

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第2章

第102話:検証トンネル工事

神歴1818年皇歴214年10月10日帝国北部大山脈裾野:ロジャー皇子視点

 最初に少しだけ俺自身の魔力が使われる。
 が、その後は全く俺の魔力は使われない。

 成功だった、俺がマッハ10で駆ける程度なら、トンネルを造る障害にはならないのが確認できた。

 だが、大きさは条件に入れていないのに、最初のトンネルよりも縦に高く横幅も少し広いトンネルになっている。

 高さは10メートルくらいで幅も10メートルくらいある。
 前世の高速道路は幅3・5メートルだった。
 これだけあれば十分な歩道を左右に造れる

 いや、この世界の馬車は前世の車よりも小さいものが多い。
 前世のコネストーガ幌馬車でも横幅が1・2メートルしかなかった。
 この世界の荷馬車も最大でそれくらいだから、6車線にできる。

 いや、メインのトンネルの左右に予備のトンネルが勝手に造られている。
 高さは中央のトンネルと同じ10メートルくらい。
 幅は半分の5メートルくらいだが、何を基準にしているのだろう?

 中央のトンネルと左右のトンネルの間には、強固な岩盤になっている。
 俺の願った大地震にもマッハ10にも耐える為の岩盤だと思う。
 だが、左右に別のトンネルを造る意味が分からない?

 確かめるために中央のトンネルに入ってみたが、左右の強固な岩盤の所々に穴が開いていて、3つのトンネルで空気が流れるようになっている。

 恐らくだが、ソニックブームの衝撃を逃す為だろう。
 それと、1本しかないトンネルをマッハ10で駆けると、空気の流れがとても激しく一方的になってしまうからだろう。

 左右に中央トンネルの空気を逃がすトンネルがあれば、対流を起こすのかもしれないし、爆音を少しでも小さくできるのかもしれない。

 そう考えると、トンネル間の岩盤に開けられた幾何学的な穴にも意味があるのかもしれないし、単なる神々の趣味なのかもしれない。

 俺は10分ほどトンネルが造られるのを見守っていた。
 ただ時間を使うのはもったいないので、ストレージの料理を食べ、そのカロリーで魔力を作りながら、徐々にトンネルが造られるのを確かめた。

 周囲の魔力がトンネル造りに使われているのが分かる。
 大気の魔力は主にトンネルを造るために使われている。
 
 具体的に言えば、土や石を移動させて集めてトンネルの空間を造っている。
 大地の魔力は、トンネルの上下左右に造られる岩盤の強化に使われている。

 金属に魔力が蓄えられる事で恐ろしく強度が高まるのは、良く知られている。
 鉄に一定以上の魔力が蓄えられた物が魔鉄、アダマントと呼ばれている。

 銀に一定以上の魔力が蓄えられた物を魔銀、ミスリルと呼ぶ。
 黄銅に一定以上の魔力が蓄えられた物を魔黄銅、オリハルコンと呼ぶ。
 金に一定以上の魔力が蓄えられた物を魔金、ヒヒイロカネと呼ぶ。

 だがそれは、皇国以外の国々での事だ。
 ダンジョンが土から金属を造り、人に与えてくれる皇国では違っている。

 皇国で1番手に入り易い金属は、土に1番多く含まれているアルミだ。
 地球ではなかなか精錬できなかった金属だ。

 この世界でも精錬が難しくて皇国でしか手に入らない。
 発音的にはアルミやアルミニウムではなくアルーマナムと言う。

 そのアルーマナムを漢字で表すと鋁と言う字になり、魔力を帯びて強固になると魔鋁という漢字となり、マジック・アルーマナムと呼ばれている。

 そういう名付で言えば、魔鉄はアダマントではなくマジック・アイアンと呼ばれるべきなのだが、何故かアダマントと呼ばれている。

 チタンはタイテイニァムで、魔力を帯びるとマジック・タイテイニァム。
 ニッケルはニクルで、魔力を帯びるとマジック・ニクル。
 臭う、とても臭う、地球人が何か関わっているんじゃないかと考えてしまう。

 俺のような転生者なのか、召喚者なのかは分からない。
 だが偶然にしてはおかし過ぎる名前の一致と差異があるのだ。

 などと考えながら10分2つ目のトンネルを確認し、最初のトンネルがどうなっているのか、確かめに戻る事にした

 1つ目のトンネルと2つ目のトンネルの間には900kmの距離があるが、ソニックブームを起こさない時速1000キロメートルでも1時間あれば着く

 最初のトンネルは、大気と大地の魔力を取り込みながら造り続けている。
 このまま何もしなくても皇国まで造り続けてくれれば何も言う事はない。
 これなら毎日1度確かめに来るだけで良い。

 ただ、全く俺の魔力を使わずにすむのなら、もう1本トンネルを造っても良い。
 東西に1000キロメートルも広がるのが大山脈だが、その長さが皇国と帝国の東西の広さでもあるので、等間隔に3本くらいトンネルがあっても良い。

 俺は3ケ所目のトンネルを造る場所を探した。
 取り潰して接収した貴族の領都の中で、トンネル工事中の場所と等間隔になる領都を探した。

 1番に確かめないといけないのは、その場所の魔力と魔素の動きだ。
 あまり動かないはずの魔力と魔素が、先に造ったトンネルの方に流れているようなら、下手をすると先のトンネル造りが終わってしまうかもしれない。

 必要な魔力と魔素の量が足らなくなると、魔術が維持できなくなるかもしれない。
 そう考えて慎重な上にも慎重に魔力と魔素の流れを見極めた。

「この世界に正義の神々がいるのなら、皇国と帝国の民を救う俺に力を貸せ。
 大地と大気に満ちる魔力を俺の為に使え。
 大型の馬車が20台行き交えるくらいのトンネルを造れ。
 大地震が起こっても絶対に崩れない強固なトンネルを造れ。
 俺がマッハ10で駆けても絶対に壊れない強固なトンネルを造れ。
 ビルド・ア・ヒュージ・アンド・ストロング・タネル!」
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