2 / 20
復讐編
1話
「可哀想だが、イザベラには王女の責任を果たしてもらわなければならなくなった」
嘘です。
国王陛下は悲しんでいる振りをしているだけです。
「本当に可哀想な子。
私が代われるものなら代わってあげたいわ」
大嘘です。
我が身が一番可愛い身勝手な王妃が、私の身代わりになる事は絶対にありません。
「民のためにその身を犠牲にされる御姉様は、私の誇りです。
後の事は心配されないでください」
最後に本音が見えましたね。
私を犠牲にした後で全てを手に入れるつもりなのでしょう。
強欲で冷酷、残忍で陰湿、美しい容姿からは想像できない極悪非道な王女です。
こんな人達が血の繋がった家族だなんて、信じたくありません。
「イザベラ王女殿下。
貴女の尊い犠牲は生涯忘れません。
気高い貴女の婚約者に選ばれていたことは、私の誇りです」
ああ、ダニエル!
貴男だけは私を庇ってくれると思っていたのに。
貴男までミアに誘惑されて私を見捨てるなんて。
全ては神の御心のままにという意味を込めて、先代ブレットソー公爵は貴男にダニエルという名をつけたと言っていたのに。
「ダニエル殿。
御姉様の御心を乱してはいけませんわ。
御姉様亡き後の国の生末が大変でございますから、あちらでゆっくりと相談いたしませんか?」
ミアがダニエル腕をとって自分の胸に押し付けています。
私を死地に追いやり、婚約者を奪ったことを勝ち誇っているのです。
ダニエルが満更でもない表情を浮かべています。
こんな人を愛していたかと思うと、情けなく、哀しく、悔しいです。
ミアの眼には私を陥れた満足感と優越感が込められています。
それを隠すことなく私に視線を向けています。
「あ~、我らは大魔境までイザベラを送ろうではないか」
「そうですわ!
民のために魔竜の生贄になってくれるイザベラを、最後まで送ってあげましょう」
もう父とも母とも思っていない国王と王妃が、貴族達のミアとダニエルに向けられた憎しみの籠った眼を気にして、私を急いで大魔境に追いやろうとします。
もしかしたら、心ある貴族が私を逃がそうとするのではないかと、心配しているのかもしれません。
そうですね。
そんな心ある貴族もいるかもしれません。
少なくとも先代ブレットソー公爵はそういう誇り高い貴族でした。
あの方が生きてくださっていた間は、ミアも好き勝手できませんでした。
国王も王妃も、極端にミアに依怙贔屓できませんでした。
でも、もう先代ブレットソー公爵はおられません。
第一王女である私を立ててくれていた貴族は、徐々に王宮から遠ざけられました。
不慮の死を遂げた者も少なくありません。
国王がやったのか王妃がやったのか?
ミアが直接手を下した可能性もありまます。
誰だって命は大切です。
私を立ててくれる者も庇ってくれる者もいなくなりました。
嘘です。
国王陛下は悲しんでいる振りをしているだけです。
「本当に可哀想な子。
私が代われるものなら代わってあげたいわ」
大嘘です。
我が身が一番可愛い身勝手な王妃が、私の身代わりになる事は絶対にありません。
「民のためにその身を犠牲にされる御姉様は、私の誇りです。
後の事は心配されないでください」
最後に本音が見えましたね。
私を犠牲にした後で全てを手に入れるつもりなのでしょう。
強欲で冷酷、残忍で陰湿、美しい容姿からは想像できない極悪非道な王女です。
こんな人達が血の繋がった家族だなんて、信じたくありません。
「イザベラ王女殿下。
貴女の尊い犠牲は生涯忘れません。
気高い貴女の婚約者に選ばれていたことは、私の誇りです」
ああ、ダニエル!
貴男だけは私を庇ってくれると思っていたのに。
貴男までミアに誘惑されて私を見捨てるなんて。
全ては神の御心のままにという意味を込めて、先代ブレットソー公爵は貴男にダニエルという名をつけたと言っていたのに。
「ダニエル殿。
御姉様の御心を乱してはいけませんわ。
御姉様亡き後の国の生末が大変でございますから、あちらでゆっくりと相談いたしませんか?」
ミアがダニエル腕をとって自分の胸に押し付けています。
私を死地に追いやり、婚約者を奪ったことを勝ち誇っているのです。
ダニエルが満更でもない表情を浮かべています。
こんな人を愛していたかと思うと、情けなく、哀しく、悔しいです。
ミアの眼には私を陥れた満足感と優越感が込められています。
それを隠すことなく私に視線を向けています。
「あ~、我らは大魔境までイザベラを送ろうではないか」
「そうですわ!
民のために魔竜の生贄になってくれるイザベラを、最後まで送ってあげましょう」
もう父とも母とも思っていない国王と王妃が、貴族達のミアとダニエルに向けられた憎しみの籠った眼を気にして、私を急いで大魔境に追いやろうとします。
もしかしたら、心ある貴族が私を逃がそうとするのではないかと、心配しているのかもしれません。
そうですね。
そんな心ある貴族もいるかもしれません。
少なくとも先代ブレットソー公爵はそういう誇り高い貴族でした。
あの方が生きてくださっていた間は、ミアも好き勝手できませんでした。
国王も王妃も、極端にミアに依怙贔屓できませんでした。
でも、もう先代ブレットソー公爵はおられません。
第一王女である私を立ててくれていた貴族は、徐々に王宮から遠ざけられました。
不慮の死を遂げた者も少なくありません。
国王がやったのか王妃がやったのか?
ミアが直接手を下した可能性もありまます。
誰だって命は大切です。
私を立ててくれる者も庇ってくれる者もいなくなりました。
あなたにおすすめの小説
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
追放された役立たず聖女、実は国家の回復システムでした。私が消えた途端に国は崩壊、今さら泣いても戻りません。元勇者の魔王様に独占されています
唯崎りいち
恋愛
「役立たずの聖女はいらない」と国王に追放された私。
だがその瞬間、国中の“宿屋で一晩寝れば全回復する仕組み”は崩壊した。
――それは、私の力で成り立っていたから。
混乱する人間たちをよそに、私は元勇者だった魔王様に連れ去られる。
魔王様はかつて勇者として魔物を虐げていた過去を持ち、
今は魔物を守るために魔王となった存在だった。
そして私は気づく。
自分の力は、一人を癒すだけでなく――世界そのものを支えていたのだと。
やがて回復手段を失った勇者たちは崩壊し、
国王は失脚、国は混乱に陥る。
それでも私は戻らない。
「君は俺のものだ。一生手放さない」
元勇者の魔王様に囲われ、甘やかされ、溺愛されながら、
私は魔王城で幸せに暮らしています。
今さら「帰ってきて」と言われても、もう遅いのです。
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気だと疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う幸せな未来を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
静かなる才女は、すべてを見通す
しばゎんゎん
ファンタジー
突然婚約破棄を言い渡される伯爵家の長女エリシア。
理由は、義妹ミレーユを虐げていたという偽りのものだった。
エリシアの社交界における評価は「地味な令嬢」。
だが実際には、婚約者である侯爵家の長男レオナルトを陰で支え続けていた才女だった。
やがて明らかになる「本当に優れていたのは誰か」という事実。
エリシアを失い崩れてゆく、レオナルト。
無知さと我儘で評判を落とす、ミレーユ。
一方で彼女は、第二王子に見出される。
これは、愚かな選択をした者たちがすべてを失い、静かなる才女が正当に評価される物語。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
『お前のためを思って言っている』が千回記された日記帳が、社交界に流出した件
歩人
ファンタジー
「お前のためを思って言っている」「普通はこうだろう?」「お前が悪いから怒るんだ」——ディートリヒ侯爵子息は、婚約者のカティアにそう言い続けた。3年間、毎日。カティアは日記をつけていた。恨みではない。「何が普通なのか」を確かめるために。日記には日付と、彼が言った言葉だけが記されている。感想も解釈もない。ただ事実だけ。婚約破棄の場で、カティアは日記を読み上げなかった。ただ、茶会で親しい令嬢に見せただけだ。令嬢たちは青ざめた。「これ、全部言われたの?」日記は写本され、社交界に広がった。ディートリヒ本人は「何がおかしいのかわからない」と主張した。——それが一番怖いのだと、誰もが理解した。
「異常」と言われて追放された最強聖女、隣国で超チートな癒しの力で溺愛される〜前世は過労死した介護士、今度は幸せになります〜
赤紫
恋愛
私、リリアナは前世で介護士として過労死した後、異世界で最強の癒しの力を持つ聖女に転生しました。でも完璧すぎる治療魔法を「異常」と恐れられ、婚約者の王太子から「君の力は危険だ」と婚約破棄されて魔獣の森に追放されてしまいます。
絶望の中で瀕死の隣国王子を救ったところ、「君は最高だ!」と初めて私の力を称賛してくれました。新天地では「真の聖女」と呼ばれ、前世の介護経験も活かして疫病を根絶!魔獣との共存も実現して、国民の皆さんから「ありがとう!」の声をたくさんいただきました。
そんな時、私を捨てた元の国で災いが起こり、「戻ってきて」と懇願されたけれど——「私を捨てた国には用はありません」。
今度こそ私は、私を理解してくれる人たちと本当の幸せを掴みます!