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第一章
第15話:虐殺
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俺たちは間を置くことなく二ノ丸部分に攻め込んだ。
城全体の広さはそれほどでもないが、領民が住む最外部の城内町部分を含めると、三重の城壁に守られたかなり堅固な城だ。
驚いた事に家臣が住む二ノ丸の城門の門扉にはドラゴンの皮が張ってある。
アーサー様と一緒の狩りをしていた頃の秘宝なのだろうが、俺達には無意味だ。
それにどうせ張るのなら、領民も守る最外部の門扉に張れ!
ドッガーン!
マティルダ義姉さんの魔術が炸裂した。
堅固なはずの城門が吹き飛んだ。
急いで門扉はしめたものの、大石を城門内に詰め込む時間はなかったようだ。
楽々と城門を通過して二ノ丸内に入る事ができた。
エドワーズ子爵家の家臣たちは、俺を殺そうと本気で斬りかかってくる。
それをカチュアの使用人たちが弓で迎え討って射殺している。
「マティルダ様に魔術を使ってもらう時は私がお願いします。
それまではカーツ様に飛んでくる矢だけを防いでくください。
属性竜の鎧を射抜くような矢はないとは思いますが、猛毒が塗られている可能性もありますから、油断はできません」
ヴァイオレットがとんでもない事を言ってくる。
確かに俺と義姉さんを殺すと決めた以上、手段を選んではいられないよな。
俺も自分の理想を実現するために辺境伯家に叛旗を翻す覚悟をしたのだから、手段を選んではいられないのだろうが、それでは自分の理想から離れてしまう。
ここで城を落とせたとしても、しんどい戦いになりそうだ。
それにしても、俺とそんなに年齢が違わないはずのカチュアが、とても戦いに慣れているように見えるのはなぜだろう。
凄惨な殺し合いの場にいるのに、眉一つ動かさずに魔法袋から矢を出している。
使用人たちもそれを当たり前のように受け取って、弓射を続けている。
義姉さんの方は必死で表情を隠そうとしているが、初の戦場に心を痛めている。
小刻みに震えているのも、目に一杯に涙をためているのも、痛々し過ぎる。
「ごめんなさい、魔力の回復が遅くて……」
「義姉さんのせいじゃないから、謝る事なんてないよ。
魔境の狩りで魔力を半分使ったのも、隠れ家で子供たちを癒したのも、根城で被害者の人たちを癒したのも、全部人として正しい事をしたんだから」
確かに全部正しい事をしたのだから、義姉さんが謝る事ではない。
それに、どうしても魔力が必要なら魔力回復薬を飲めばいい。
問題はそんな事ではなく、カチュアとヴァイオレットがなにを考えているかだ。
こうなる事を以前から計画していたとしか思えない2人が、なぜ義姉さんが狩りや治療で魔力を使う事を止めなかったかだ。
しかも魔力回復薬を飲めとも言わないのだ。
義姉さんの魔力に代わる切り札があるのか。
それとも危険になりそうになってから魔力回復薬を飲めと言うのか。
理由と予定が分からないと不安で仕方がない。
まあ、実際、城門を通過するとき以外は義姉さん魔術は必要なかった。
敵を殺すだけならカチュアの使用人たちだけで十分だ。
義姉さんの存在は、辺境伯家が攻めてきた時に必要なだけなのだろうか。
「義姉さん、今の魔力量はどれくらいですか」
「三分の一くらいかしら」
義姉さんも自分の魔力量の大切さを分かっているようだ。
真剣な表情で少し時間をかけて確認してくれた。
これなら強がって誇大に伝えている事はないだろう。
「大丈夫です、カーツ様、マティルダ様。
城門を破壊する時以外は、魔術を必要とする事はないと思います。
どうしても必要な時は、回復薬を飲んでいただきます」
必要な時には魔力回復薬を飲んでもらうと言われても、普通に手に入る回復薬だと、飲んで直ぐに魔力が回復するわけではない。
飲んでから魔力が回復するまでの10分とか20分とか経ってからしか回復し始めないし、回復する魔力量もそれほど多くない。
即座に大量の魔力が回復する、ドラゴン素材をの回復薬を飲めと言う事なのか。
そんな俺の心配など全く意味がなく、着々と城の内部に侵攻できた。
普通に鍵をかけられた門なら、密偵が簡単に門を開け、剛力な者が体当たりで門扉を破壊して内部に進むことができた。
時には密偵が城壁をよじ登って内部に入り、守備兵を殺して門を開けてくれた。
「マティルダ様、この城門の破壊をお願いします」
義姉さんんお魔術が必要だったのは、二ノ丸から領主一族が住む本丸に入るための城門だけだったが、それは義姉さんの魔術で簡単に吹き飛んだ。
中から門扉を押さえていた兵士とともに。
自分の魔術で人が吹き飛ぶ姿を見た義姉さんは、真っ青になって震えていた。
覚悟したつもりでも、実際に自分の魔術で人を傷つけてしまったら、心優しい義姉さんの心は傷つき血を流すことになる。
「ここは私が斬り裂きましょう」
本丸内に入った俺たちだが、居館の扉は城門かと思うほど厚く固そうだった。
また義姉さんに破壊してもらわないといけないかと思ったのだが、今度はヴァイオレットが剣で切り裂いてくれた。
城門ほどは厚みがなかったのだろうか。
それとも何か他に理由があったのだろうか。
「カーツ様、マティルダ様を背負って差し上げてください」
ヴァイオレットはそう言うなり義姉さんに当て身をして気絶させてしまった。
俺も義姉さんも全く動くことができないうちに終わっていた。
即座に文句を言おうとしたのだが……
「これから先の事は凄惨すぎてマティルダ様にお見せするわけにはいかないのです。
なんならカーツ様も気絶させて差し上げますが、いかがなされますか」
ヴァイオレットがまた挑戦的に聞いてくる。
そうゆう趣味や性癖があるのか、少し心配になってきた。
「少々の事は先日の魔族との攻防戦で耐性がついている。
どうしても耐えられないような惨状だったら、勝手に気絶するから気にするな」
そうは言ったものの、確かに眼を覆い耳を塞ぎたくなる惨状だった。
「お助け下さいカーツ様、私はなにも知らなかったのでございます。
子爵様が隠れて、ギャッ」
明らかに知っていて黙認していたか、一緒になって悪事に加担していた奴が、噓八百並べ立てて命乞いする途中で首を刎ねられた。
「おお、よくぞ来てくださいましたカーツ様。
某は子爵を諫めてこの部屋に閉じ込められていたのでござます。
これからはカーツ様に従い、領民のために、ギャッ」
この機会を利用して俺に取り入り、以前よりも地位や権力を手に入れようとする腐れ外道も、問答無用で首を刎ねられた。
ヴァイオレットには一切の容赦も妥協もなかった。
女子供まで一緒に首を刎ねようとしたので、とっさに止めてしまったのだが……
「エドワーズ子爵家の一族は、若返りの秘薬だとか延命の秘薬だとか言って、老若男女問わず人の血を飲んでいました。
それでもカーツ様はこの者たちを助けろと申されるのですか」
ヴァイオレットにそう言われ、カチュアに虫けらを見るような視線を向けられては、もう何も言う事はできなかった。
ましてその中に、ドラゴン辺境伯家から嫁入りしていた傍流がいると言われたら、恥ずかしくて穴を掘って隠れてしまいたくなった。
だから、城内の人間が1人残らず皆殺しにされる最後まで、黙って見続けた。
城全体の広さはそれほどでもないが、領民が住む最外部の城内町部分を含めると、三重の城壁に守られたかなり堅固な城だ。
驚いた事に家臣が住む二ノ丸の城門の門扉にはドラゴンの皮が張ってある。
アーサー様と一緒の狩りをしていた頃の秘宝なのだろうが、俺達には無意味だ。
それにどうせ張るのなら、領民も守る最外部の門扉に張れ!
ドッガーン!
マティルダ義姉さんの魔術が炸裂した。
堅固なはずの城門が吹き飛んだ。
急いで門扉はしめたものの、大石を城門内に詰め込む時間はなかったようだ。
楽々と城門を通過して二ノ丸内に入る事ができた。
エドワーズ子爵家の家臣たちは、俺を殺そうと本気で斬りかかってくる。
それをカチュアの使用人たちが弓で迎え討って射殺している。
「マティルダ様に魔術を使ってもらう時は私がお願いします。
それまではカーツ様に飛んでくる矢だけを防いでくください。
属性竜の鎧を射抜くような矢はないとは思いますが、猛毒が塗られている可能性もありますから、油断はできません」
ヴァイオレットがとんでもない事を言ってくる。
確かに俺と義姉さんを殺すと決めた以上、手段を選んではいられないよな。
俺も自分の理想を実現するために辺境伯家に叛旗を翻す覚悟をしたのだから、手段を選んではいられないのだろうが、それでは自分の理想から離れてしまう。
ここで城を落とせたとしても、しんどい戦いになりそうだ。
それにしても、俺とそんなに年齢が違わないはずのカチュアが、とても戦いに慣れているように見えるのはなぜだろう。
凄惨な殺し合いの場にいるのに、眉一つ動かさずに魔法袋から矢を出している。
使用人たちもそれを当たり前のように受け取って、弓射を続けている。
義姉さんの方は必死で表情を隠そうとしているが、初の戦場に心を痛めている。
小刻みに震えているのも、目に一杯に涙をためているのも、痛々し過ぎる。
「ごめんなさい、魔力の回復が遅くて……」
「義姉さんのせいじゃないから、謝る事なんてないよ。
魔境の狩りで魔力を半分使ったのも、隠れ家で子供たちを癒したのも、根城で被害者の人たちを癒したのも、全部人として正しい事をしたんだから」
確かに全部正しい事をしたのだから、義姉さんが謝る事ではない。
それに、どうしても魔力が必要なら魔力回復薬を飲めばいい。
問題はそんな事ではなく、カチュアとヴァイオレットがなにを考えているかだ。
こうなる事を以前から計画していたとしか思えない2人が、なぜ義姉さんが狩りや治療で魔力を使う事を止めなかったかだ。
しかも魔力回復薬を飲めとも言わないのだ。
義姉さんの魔力に代わる切り札があるのか。
それとも危険になりそうになってから魔力回復薬を飲めと言うのか。
理由と予定が分からないと不安で仕方がない。
まあ、実際、城門を通過するとき以外は義姉さん魔術は必要なかった。
敵を殺すだけならカチュアの使用人たちだけで十分だ。
義姉さんの存在は、辺境伯家が攻めてきた時に必要なだけなのだろうか。
「義姉さん、今の魔力量はどれくらいですか」
「三分の一くらいかしら」
義姉さんも自分の魔力量の大切さを分かっているようだ。
真剣な表情で少し時間をかけて確認してくれた。
これなら強がって誇大に伝えている事はないだろう。
「大丈夫です、カーツ様、マティルダ様。
城門を破壊する時以外は、魔術を必要とする事はないと思います。
どうしても必要な時は、回復薬を飲んでいただきます」
必要な時には魔力回復薬を飲んでもらうと言われても、普通に手に入る回復薬だと、飲んで直ぐに魔力が回復するわけではない。
飲んでから魔力が回復するまでの10分とか20分とか経ってからしか回復し始めないし、回復する魔力量もそれほど多くない。
即座に大量の魔力が回復する、ドラゴン素材をの回復薬を飲めと言う事なのか。
そんな俺の心配など全く意味がなく、着々と城の内部に侵攻できた。
普通に鍵をかけられた門なら、密偵が簡単に門を開け、剛力な者が体当たりで門扉を破壊して内部に進むことができた。
時には密偵が城壁をよじ登って内部に入り、守備兵を殺して門を開けてくれた。
「マティルダ様、この城門の破壊をお願いします」
義姉さんんお魔術が必要だったのは、二ノ丸から領主一族が住む本丸に入るための城門だけだったが、それは義姉さんの魔術で簡単に吹き飛んだ。
中から門扉を押さえていた兵士とともに。
自分の魔術で人が吹き飛ぶ姿を見た義姉さんは、真っ青になって震えていた。
覚悟したつもりでも、実際に自分の魔術で人を傷つけてしまったら、心優しい義姉さんの心は傷つき血を流すことになる。
「ここは私が斬り裂きましょう」
本丸内に入った俺たちだが、居館の扉は城門かと思うほど厚く固そうだった。
また義姉さんに破壊してもらわないといけないかと思ったのだが、今度はヴァイオレットが剣で切り裂いてくれた。
城門ほどは厚みがなかったのだろうか。
それとも何か他に理由があったのだろうか。
「カーツ様、マティルダ様を背負って差し上げてください」
ヴァイオレットはそう言うなり義姉さんに当て身をして気絶させてしまった。
俺も義姉さんも全く動くことができないうちに終わっていた。
即座に文句を言おうとしたのだが……
「これから先の事は凄惨すぎてマティルダ様にお見せするわけにはいかないのです。
なんならカーツ様も気絶させて差し上げますが、いかがなされますか」
ヴァイオレットがまた挑戦的に聞いてくる。
そうゆう趣味や性癖があるのか、少し心配になってきた。
「少々の事は先日の魔族との攻防戦で耐性がついている。
どうしても耐えられないような惨状だったら、勝手に気絶するから気にするな」
そうは言ったものの、確かに眼を覆い耳を塞ぎたくなる惨状だった。
「お助け下さいカーツ様、私はなにも知らなかったのでございます。
子爵様が隠れて、ギャッ」
明らかに知っていて黙認していたか、一緒になって悪事に加担していた奴が、噓八百並べ立てて命乞いする途中で首を刎ねられた。
「おお、よくぞ来てくださいましたカーツ様。
某は子爵を諫めてこの部屋に閉じ込められていたのでござます。
これからはカーツ様に従い、領民のために、ギャッ」
この機会を利用して俺に取り入り、以前よりも地位や権力を手に入れようとする腐れ外道も、問答無用で首を刎ねられた。
ヴァイオレットには一切の容赦も妥協もなかった。
女子供まで一緒に首を刎ねようとしたので、とっさに止めてしまったのだが……
「エドワーズ子爵家の一族は、若返りの秘薬だとか延命の秘薬だとか言って、老若男女問わず人の血を飲んでいました。
それでもカーツ様はこの者たちを助けろと申されるのですか」
ヴァイオレットにそう言われ、カチュアに虫けらを見るような視線を向けられては、もう何も言う事はできなかった。
ましてその中に、ドラゴン辺境伯家から嫁入りしていた傍流がいると言われたら、恥ずかしくて穴を掘って隠れてしまいたくなった。
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