16 / 45
第一章
第16話:エドワーズ子爵
しおりを挟む
エドワーズ子爵家の家族一族家臣を皆殺しにしたあと、急いで籠城の準備をした。
俺も手伝わされたが、予備の魔法袋に死体を詰め込まされたのには吐き気がした。
大量の死体が入った魔法袋など持っていたくないのだが、ヴァイオレットに政治的にも軍事的にも必要な事だと言われたら、黙って持つしかなかった。
だが俺の苦行はそれだけではなかったのだ。
なんと、俺の一番苦手な演説をしろと言われたのだ。
領主一族を武力で滅ぼして城を乗っ取った以上、領民に勝利宣言をする必要があると言われてしまった。
人前で演説などしたら、身体中が震えて舌が上手く動かず、大恥をかいてしまう。
だが、そうしなければ子爵位を奪ったとはみなされないと言うのだ。
貴族にそんな規則があるなんて初めて聞いたが最近は行われていなかったそうだ。
「エドワーズ子爵一族は皆殺しにした。
今日からこの城の主は、この私、カーツ・マジシャン・ナイト・ドラゴンだ。
これからは奴隷も拷問も殺人も絶対に認めない。
ドラゴン辺境伯家の法と同じ基準で領地を治めていく。
私が領主と認められない者は、今直ぐこの城を出て行け。
自分の家財を持ち出す事は許すし、咎める事もしない。
ドラゴン辺境伯家が攻めてくる前に、残るか出ていくか決めろ」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
「カーツ様万歳!」
「新子爵様万歳!」
「俺たちは自由だぞぉおおおお」
「もう怯えて暮らさなくてもいいのだぞ」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
領民たちはよほど苦しんでいたのだろう。
俺の新領主宣言を歓喜の言葉で迎えてくれた。
だが俺が失政をしたら、これが怨嗟の声に代わるのだろうな。
領民の命を背負って生きていく領主という仕事。
責任感のある者には苦行以外の何物でもない。
だが俺は自分からその役目を背負うと決めたのだ。
決めて実行して、その過程で悪人とはいいえ多くの人間を殺した。
もう途中で逃げ出す事も投げ出す事も許されない。
この苦行から解放されるのは、死んだ時か心が壊れた時だ。
まあ、直ぐに殺されて解放される可能性も高いけどな。
まずはあいつらに最後の命令を伝えないといけない。
「お前達に最後の命令を伝える。
ドラゴン辺境伯とドラゴン伯爵に事の顛末を伝えろ。
俺はもうネオドラゴン城には戻らない。
この城でエドワーズ子爵として領主の役目をまっとうする。
目障りなら討伐軍を送ってくれと伝えろ」
俺は冷たい目で領主席から護衛騎士たちを見降ろし、同じような冷たい言葉と態度で最後の命令を下した。
もう安心して彼らを側に近づかせる事はできない。
今の俺が安心して背中を預けられるのは、隣に座っている義姉さんだけだ。
カチュアとヴァイオレットは、共に利用し合う関係だと思う。
これからは安心して眠る事もできないな。
「承りました」
護衛騎士たちを代表して、年長者のセバスチャンが返事をした。
俺と同じように冷たい目で見返し、冷たい言葉と態度で命令に従った。
何の未練も見せず、むしろ堂々とした態度で謁見の間を出て行った。
次に会う時は攻城戦の場でだろう。
俺にネオドラゴン城を攻める力などないから、祖父や父の軍勢をここで迎え討つ時が再会の場となるだろうな。
「ヴァイオレット、城門の修理は進んでいるか」
「お任せください、辺境伯家が全力で攻めてきても大丈夫なように修理します。
もっとも、攻めてくる事はないと思いますがね」
おい、おい、おい、言っている事が違っていないか。
俺に辺境伯家に叛旗を翻せと言っていたよな。
それとも俺が何か勘違いしていたのか。
それとも聞き間違えをしていたのか。
恐怖のあまり、妄想と現実の一緒にしてしまっているのか。
「最悪の可能性は考えておかなければいけないが、普通準備は1番可能性が高い事を中心にやることになるのですよ。
今回は最悪に備えて城の修理と強化を行いますが、子爵には早とちりして勝手に辺境伯家の使者に斬りつけないように、お願い致します」
ヴァイオレットの返事は慇懃無礼で、正直腹が立った。
だがヴァイオレットの態度は最初からこんな感じで、今更家臣のように恭しく接せられても気持ちが悪いだけだろう。
それに、表面だけ恭しい態度を取るだけで、内心では馬鹿にしたり利用しようとしていたり、大切な事を隠したりするような家臣ならいない方がいい。
態度が悪くても間違った時に叱責してくれて、全てを報告してくれる家臣がいい。
「分かった。
では包み隠さず全てを話してもらおうか。
どうして辺境伯家が俺と戦争を始めないと予測しているのだ」
「辺境伯家が本当に守りたいのは人の世界です。
そのために魔族に備えていますが、同時に内乱や後継者争いを恐れています。
今回エドワーズ子爵家の犯罪を見逃していたのも、その中に傍流とはいえ辺境伯家の一族が混じっていて、辺境伯家の求心力が落ちる事を恐れての事とです。
ですが今回その悪人を、四代目候補のカーツ殿が自らの手で粛清されました。
エドワーズ子爵家の悪事の噂は、密かに辺境伯領全体に広まっていましたから、領民たちは拍手喝采でカーツ殿を褒め称える事でしょう。
ここでカーツ殿を討伐などしたら、辺境伯家の評判は地に落ちてしまいます。
しかも直系の長男と魔術師の才能のある大英雄様の娘を殺してしまうのです。
血で血を洗う後継者争いが始まるのは必定です。
そのような愚かな真似を、ご領主様と伯爵様がするわけがありません」
ヴァイオレットの言葉は丁寧なように聞こえるが、内心では祖父と父をバカにしているのはよく分かる話し方だった。
そもそも少々の悪評を恐れず、エドワーズ子爵家に厳罰を与えるべきだった。
一族の犯罪を恐れるのなら、傍流の婚姻先も徹底的に調べるべきだった。
調べる力がないのなら、傍流は一族ではないと斬り捨てるべきだった。
こう考えれば、ヴァイオレットがバカにするのもしかたがない。
それと俺への処遇だが、ヴァイオレットの予測が正しいと思う。
確かにヴァイオレットの言う通り、俺と義姉さんを殺すのは悪手だ。
だが、祖父と父がここで判断を誤らないとは言い切れない。
これを好機ととらえて、辺境伯一族を傀儡にしようとする、佞臣奸臣悪臣が暗躍しているのが目に見える。
★★★★★★
「ドラゴン辺境伯におかれまして、カーツ様の英断を心から称えられておられます。
つきましては、このままエドワーズ子爵を名乗られ、マティルダ様と魔境の探索をするようにとのお言葉でございます」
俺の心配は杞憂だったのだろうか。
結局俺は順当にエドワーズ子爵位を継承し、義姉さんと一緒に魔境の先に開拓地がないか探索する事になった。
「ドラゴン本家が保有する爵位」
ドラゴン辺境伯:ジャック(カーツの祖父)
ドラゴン伯爵 :ウィリアム(カーツの父)
「カーツが保有する事になった爵位」
エドワーズ子爵:カーツ
俺も手伝わされたが、予備の魔法袋に死体を詰め込まされたのには吐き気がした。
大量の死体が入った魔法袋など持っていたくないのだが、ヴァイオレットに政治的にも軍事的にも必要な事だと言われたら、黙って持つしかなかった。
だが俺の苦行はそれだけではなかったのだ。
なんと、俺の一番苦手な演説をしろと言われたのだ。
領主一族を武力で滅ぼして城を乗っ取った以上、領民に勝利宣言をする必要があると言われてしまった。
人前で演説などしたら、身体中が震えて舌が上手く動かず、大恥をかいてしまう。
だが、そうしなければ子爵位を奪ったとはみなされないと言うのだ。
貴族にそんな規則があるなんて初めて聞いたが最近は行われていなかったそうだ。
「エドワーズ子爵一族は皆殺しにした。
今日からこの城の主は、この私、カーツ・マジシャン・ナイト・ドラゴンだ。
これからは奴隷も拷問も殺人も絶対に認めない。
ドラゴン辺境伯家の法と同じ基準で領地を治めていく。
私が領主と認められない者は、今直ぐこの城を出て行け。
自分の家財を持ち出す事は許すし、咎める事もしない。
ドラゴン辺境伯家が攻めてくる前に、残るか出ていくか決めろ」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
「カーツ様万歳!」
「新子爵様万歳!」
「俺たちは自由だぞぉおおおお」
「もう怯えて暮らさなくてもいいのだぞ」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
領民たちはよほど苦しんでいたのだろう。
俺の新領主宣言を歓喜の言葉で迎えてくれた。
だが俺が失政をしたら、これが怨嗟の声に代わるのだろうな。
領民の命を背負って生きていく領主という仕事。
責任感のある者には苦行以外の何物でもない。
だが俺は自分からその役目を背負うと決めたのだ。
決めて実行して、その過程で悪人とはいいえ多くの人間を殺した。
もう途中で逃げ出す事も投げ出す事も許されない。
この苦行から解放されるのは、死んだ時か心が壊れた時だ。
まあ、直ぐに殺されて解放される可能性も高いけどな。
まずはあいつらに最後の命令を伝えないといけない。
「お前達に最後の命令を伝える。
ドラゴン辺境伯とドラゴン伯爵に事の顛末を伝えろ。
俺はもうネオドラゴン城には戻らない。
この城でエドワーズ子爵として領主の役目をまっとうする。
目障りなら討伐軍を送ってくれと伝えろ」
俺は冷たい目で領主席から護衛騎士たちを見降ろし、同じような冷たい言葉と態度で最後の命令を下した。
もう安心して彼らを側に近づかせる事はできない。
今の俺が安心して背中を預けられるのは、隣に座っている義姉さんだけだ。
カチュアとヴァイオレットは、共に利用し合う関係だと思う。
これからは安心して眠る事もできないな。
「承りました」
護衛騎士たちを代表して、年長者のセバスチャンが返事をした。
俺と同じように冷たい目で見返し、冷たい言葉と態度で命令に従った。
何の未練も見せず、むしろ堂々とした態度で謁見の間を出て行った。
次に会う時は攻城戦の場でだろう。
俺にネオドラゴン城を攻める力などないから、祖父や父の軍勢をここで迎え討つ時が再会の場となるだろうな。
「ヴァイオレット、城門の修理は進んでいるか」
「お任せください、辺境伯家が全力で攻めてきても大丈夫なように修理します。
もっとも、攻めてくる事はないと思いますがね」
おい、おい、おい、言っている事が違っていないか。
俺に辺境伯家に叛旗を翻せと言っていたよな。
それとも俺が何か勘違いしていたのか。
それとも聞き間違えをしていたのか。
恐怖のあまり、妄想と現実の一緒にしてしまっているのか。
「最悪の可能性は考えておかなければいけないが、普通準備は1番可能性が高い事を中心にやることになるのですよ。
今回は最悪に備えて城の修理と強化を行いますが、子爵には早とちりして勝手に辺境伯家の使者に斬りつけないように、お願い致します」
ヴァイオレットの返事は慇懃無礼で、正直腹が立った。
だがヴァイオレットの態度は最初からこんな感じで、今更家臣のように恭しく接せられても気持ちが悪いだけだろう。
それに、表面だけ恭しい態度を取るだけで、内心では馬鹿にしたり利用しようとしていたり、大切な事を隠したりするような家臣ならいない方がいい。
態度が悪くても間違った時に叱責してくれて、全てを報告してくれる家臣がいい。
「分かった。
では包み隠さず全てを話してもらおうか。
どうして辺境伯家が俺と戦争を始めないと予測しているのだ」
「辺境伯家が本当に守りたいのは人の世界です。
そのために魔族に備えていますが、同時に内乱や後継者争いを恐れています。
今回エドワーズ子爵家の犯罪を見逃していたのも、その中に傍流とはいえ辺境伯家の一族が混じっていて、辺境伯家の求心力が落ちる事を恐れての事とです。
ですが今回その悪人を、四代目候補のカーツ殿が自らの手で粛清されました。
エドワーズ子爵家の悪事の噂は、密かに辺境伯領全体に広まっていましたから、領民たちは拍手喝采でカーツ殿を褒め称える事でしょう。
ここでカーツ殿を討伐などしたら、辺境伯家の評判は地に落ちてしまいます。
しかも直系の長男と魔術師の才能のある大英雄様の娘を殺してしまうのです。
血で血を洗う後継者争いが始まるのは必定です。
そのような愚かな真似を、ご領主様と伯爵様がするわけがありません」
ヴァイオレットの言葉は丁寧なように聞こえるが、内心では祖父と父をバカにしているのはよく分かる話し方だった。
そもそも少々の悪評を恐れず、エドワーズ子爵家に厳罰を与えるべきだった。
一族の犯罪を恐れるのなら、傍流の婚姻先も徹底的に調べるべきだった。
調べる力がないのなら、傍流は一族ではないと斬り捨てるべきだった。
こう考えれば、ヴァイオレットがバカにするのもしかたがない。
それと俺への処遇だが、ヴァイオレットの予測が正しいと思う。
確かにヴァイオレットの言う通り、俺と義姉さんを殺すのは悪手だ。
だが、祖父と父がここで判断を誤らないとは言い切れない。
これを好機ととらえて、辺境伯一族を傀儡にしようとする、佞臣奸臣悪臣が暗躍しているのが目に見える。
★★★★★★
「ドラゴン辺境伯におかれまして、カーツ様の英断を心から称えられておられます。
つきましては、このままエドワーズ子爵を名乗られ、マティルダ様と魔境の探索をするようにとのお言葉でございます」
俺の心配は杞憂だったのだろうか。
結局俺は順当にエドワーズ子爵位を継承し、義姉さんと一緒に魔境の先に開拓地がないか探索する事になった。
「ドラゴン本家が保有する爵位」
ドラゴン辺境伯:ジャック(カーツの祖父)
ドラゴン伯爵 :ウィリアム(カーツの父)
「カーツが保有する事になった爵位」
エドワーズ子爵:カーツ
41
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活
アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。
妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。
貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。
しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。
小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる