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2話

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「やあ、初めまして。
 僕はこの世界の神様だよ。
 これからよろしくね。
 それと、今回は災難だったね。
 向こうの神様も謝っていたよ。
 でも、もうどうしようもないことだから、心を切り替えよう」

 ええと、この人は何を言っているのでしょうか?
 神様だと言っていますが、頭がおかしいのでしょうか?

「ははははは、まだ記憶が混乱しているようだね。
 あちらの世界からこちらの世界に移ってきたから、それも仕方がないね。
 よく思いだしてごらん。
 記憶も知識も技術も、全部こちらの世界に引き継いだはずだよ」

 私には本当に何を言っているのか分かりませんでした。
 でも、このまま何もせず、この自称神様と二人っきりでいるのも怖いので、がんばって思い出そうとしました。
 そしてすごい勢いで全てを思い出したのです。

「お父さんとお母さんは助かったの?!」

「大丈夫だよ。
 近所の人の中に勇気のある人がいてね、燃え盛る火の中に飛び込んで助け出してくれたんだよ。
 だけど寝ていたので、悪い煙を吸ってしまっていてね。
 君の両親は助かったけど、残念ながら君は助からなかったんだよ」

 よかった!
 本当によかった!
 お父さんとお母さんだけでも助かってよかった!
 でも、納得いきません!
 神様がいて、どうしてこんな非道を許すのですか!

「ああ、それはね、向こうには神がたくさんいるから、それぞれが人間世界に干渉すると、しまいには神々の戦いが人間世界で始まってしまうんだ。
 実際何度か起こってしまったこともあってね、人間だけでなく多くの動植物が絶滅したことがあったのだよ。
 だから、何があろうと現世での人間世界の介入は、上神様の命令もあって禁止されてるんだよ」

 なんていう事でしょう。
 神様の都合で悪い人間が野放しになっているなんて。
 そんな役に立たない神様なら必要ないです。

「手厳しいな。
 まあ、君のような目にあったらそう思うのも仕方ないね。
 まあその罪滅ぼしもあって、向こうの世界の神は、君をこちらに送ったんだよ」

 どういう事でしょう?

「ああ、それはね。
 あっちの世界は当分あのままだ。
 善人も悪人もごちゃ混ぜで、混沌とした時代が続く。
 だが、あんな殺され方をした君を不憫に思う神が、ある程度自由に神が介入できるこちらの世界に君を送り、幸せな生活を送らせてやりたいと考えたのさ。
 うちもまだ魂が少なくてね。
 魂を送ってくれるなら大歓迎の状態なんだよ。
 どうだい?
 こっちに来ないかい?
 君が望むならある程度優遇して迎えてあげるよ」

 ああ、何を言っているのか理解不能です。
 いえ、理解したくないというのが本心です。
 ですが返事をしなければいけないのは分かります。
 しかし、返事をする前に絶対に聞いておかなければいけないことがあります!
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