17 / 20
16話
しおりを挟む
「報告させていただきます。
ハミルトン地方の道路工事は順調です。
報酬は現金でも食糧現物給付でも望む方にしました」
「どちらが多いのですか?」
「圧倒的に食糧です。
民は餓死する寸前でした。
今回の道路工事は英断だと思います」
報告に来た家臣が私をほめてくれますが、阿諛追従かもしれません。
踊らされないように気を引き締めないといけません。
貴族家の当主になった者には、色々な罠、誘惑があるのです。
些細な事から理想や誇りを失う者がいるのです。
「道路整備の次はどうしますか?」
私はヨウナスに次の策をたずねました。
今まではヨウナスとフェリクスに同時に出仕してもらっていましたが、私が眠っている間も政務が滞らないように、二十四時間どちらかが城にいて即断できるように、交代で出仕してもらっています。
「道路の完成まで待っていられません。
軍が集めてくれた素材を領外に売りましょう。
輸送隊や商人が動くことで、街道沿いにある村々が潤います。
実際のどの道がよくつかわれているのかも分かります。
今準備を整えていますが、かなりの利益になると思われます」
「素材を売った後の輸送隊や商人には、食糧を買ってきてもらうのですか?」
「はい。
公爵閣下がフセインから手に入れられた食糧は、兵糧として活用するべきです。
ここから各地方に送り、他領から購入した食糧をここにまで運び備蓄するのでは、日数も輸送費も無駄になり非効率すぎます」
「ですが、今まで送った食糧だけで足りますか。
民が餓死することはありませんか?」
「計算上は大丈夫です。
ですが輸送隊や商人が、現地の食糧を奪ったり消費したりしては、現地で餓死する者がでてきます。
その点を気をつけなければいけません」
「手は打ってくれているのですね?」
「はい、輸送隊や商人には、自分の食糧を持ち運ぶように厳命しております。
特に輸送隊には、軍が狩った安価な食肉を兵糧とするように命じています」
「……スライムとネズミ肉ですか。
少々かわいそうに思いますが、仕方がないのでしょうね」
「はい、ハミルトン地方の民は、そんなモノも食べられず、餓死寸前でした。
軍事訓練の一環だとすれば、当然の事でございます」
「分かりました。
早急に行ってください」
「刺客だ!
刺客が入り込んでいるぞ!
警戒せよ!
閣下の警備を厳重にしろ!
閣下をお護りするのだ!」
刺客が城内に入りこんだようです。
しかし私の居場所までは探れなかったようですね。
騒ぎ立てて、私を護ろうと移動する者と一緒に行動して、私の側にたどり着こうと画策したようですが、そんな手は想定済みです。
ほどなく殺されることでしょう。
問題は誰が送り込んだかです。
調べて報復する必要がありますね。
ハミルトン地方の道路工事は順調です。
報酬は現金でも食糧現物給付でも望む方にしました」
「どちらが多いのですか?」
「圧倒的に食糧です。
民は餓死する寸前でした。
今回の道路工事は英断だと思います」
報告に来た家臣が私をほめてくれますが、阿諛追従かもしれません。
踊らされないように気を引き締めないといけません。
貴族家の当主になった者には、色々な罠、誘惑があるのです。
些細な事から理想や誇りを失う者がいるのです。
「道路整備の次はどうしますか?」
私はヨウナスに次の策をたずねました。
今まではヨウナスとフェリクスに同時に出仕してもらっていましたが、私が眠っている間も政務が滞らないように、二十四時間どちらかが城にいて即断できるように、交代で出仕してもらっています。
「道路の完成まで待っていられません。
軍が集めてくれた素材を領外に売りましょう。
輸送隊や商人が動くことで、街道沿いにある村々が潤います。
実際のどの道がよくつかわれているのかも分かります。
今準備を整えていますが、かなりの利益になると思われます」
「素材を売った後の輸送隊や商人には、食糧を買ってきてもらうのですか?」
「はい。
公爵閣下がフセインから手に入れられた食糧は、兵糧として活用するべきです。
ここから各地方に送り、他領から購入した食糧をここにまで運び備蓄するのでは、日数も輸送費も無駄になり非効率すぎます」
「ですが、今まで送った食糧だけで足りますか。
民が餓死することはありませんか?」
「計算上は大丈夫です。
ですが輸送隊や商人が、現地の食糧を奪ったり消費したりしては、現地で餓死する者がでてきます。
その点を気をつけなければいけません」
「手は打ってくれているのですね?」
「はい、輸送隊や商人には、自分の食糧を持ち運ぶように厳命しております。
特に輸送隊には、軍が狩った安価な食肉を兵糧とするように命じています」
「……スライムとネズミ肉ですか。
少々かわいそうに思いますが、仕方がないのでしょうね」
「はい、ハミルトン地方の民は、そんなモノも食べられず、餓死寸前でした。
軍事訓練の一環だとすれば、当然の事でございます」
「分かりました。
早急に行ってください」
「刺客だ!
刺客が入り込んでいるぞ!
警戒せよ!
閣下の警備を厳重にしろ!
閣下をお護りするのだ!」
刺客が城内に入りこんだようです。
しかし私の居場所までは探れなかったようですね。
騒ぎ立てて、私を護ろうと移動する者と一緒に行動して、私の側にたどり着こうと画策したようですが、そんな手は想定済みです。
ほどなく殺されることでしょう。
問題は誰が送り込んだかです。
調べて報復する必要がありますね。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる