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第一章
第7話:恋
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「申し訳ありませんでした、この通りでございます。
どうか、どうか、どうかお許しください」
ラディアン辺境伯をはじめとした、あの場にいたジュディン王国の貴族全員が這いつくばって詫びています。
私が正式に事件を学院に提訴したので、傷を確認した大陸連合魔法学院が直ぐに加害全貴族家とジュディン王国に魔術通信で事実を伝え、学院として厳重に正式抗議をしました。
そして私がルクセン公爵家の次期当主として宣戦布告した事実も伝えてくれたのですが、それだけでは済まなかったのです。
シャリーフ王太子殿下も烈火の如く怒りだしてしまい、王太子の権限で宣戦布告をしてしまったのです。
ここまでやられてしまうと、殿下の好意を疑いようもありません。
私のどこを気にいられたのか分かりませんが、とても困りました。
このままでは、次期王妃にされてしまうかもしれないと、回避の方法を真剣に考えていたのですが、更に話がややこしくなる事が起こってしまいました。
キプロス大公国出身の生徒が、この事件を本国に報告したのです。
テリーとの婚約解消騒動で私に負い目のあるキプロス大公国が、私への借りをなくそうとして、ジュディン王国に宣戦布告したのです。
大陸に隠然たる力を持つ大陸連合魔法学院から絶縁処分を受け、全生徒を退学処分にされ、二カ国から宣戦布告されたら、隣国も尻馬に乗って侵攻しようとします。
このままでは亡国一直線です。
それが目の前の恥も外聞もない詫びになっています。
「私はジュディン王国の全権大使のジェイコブと申します。
王弟であり公爵の位を頂いておりますので、ここで約束した事は必ず守ります。
ジュディン王国人の言葉など信じられないと仰らず、どうか信じて頂きたい」
ジェイコブは必死でした。
国が滅ぶか生き残れるかの瀬戸際ですから、当然です。
形振り構わず賠償を約束し、今回の件にかかわった貴族を処分することも確約してくれました。
目の前で這いつくばって詫びている貴族家の当主は、全員隠居して長男に家督を譲るそうです。
賠償金も国家予算十年分に相当する額が現金と宝石で持ってこられました。
おそらくジュディン王国と関係貴族の宝物室は空っぽでしょう。
学院に在学しているジュディン王国の学生全員を処刑すると言いだしましたが、関係のない平民生徒の処刑は止めました。
処刑するのは貴族子弟と腰巾着の平民生徒だけでいいです。
一番大きかったのが、処刑される全貴族家の領地の半分が私に割譲され、王家所有の未開地と魔境も割譲されましたが、これにはジュディン王国側のしたたかな計算があります。
私の領地がジュディン王国内にあれば、ネーデル王国とキプロス大公国を警戒して、隣国がジュディン王国に侵攻する事はありません。
「セシル嬢、一緒に食事をしないかい」
あれ以来、シャリーフ王太子殿下が研究を放り出して私の側から離れません。
私の事が心配で、護ろうとしてくださっているのでしょうが、これでは逆に結婚へと追い込まれてしまいます。
まあ、貴族が政略結婚を強いられるのは仕方のない事です。
前世のお見合い結婚だと思って、じっくりと愛情を育てるしかありませんね。
どうか、どうか、どうかお許しください」
ラディアン辺境伯をはじめとした、あの場にいたジュディン王国の貴族全員が這いつくばって詫びています。
私が正式に事件を学院に提訴したので、傷を確認した大陸連合魔法学院が直ぐに加害全貴族家とジュディン王国に魔術通信で事実を伝え、学院として厳重に正式抗議をしました。
そして私がルクセン公爵家の次期当主として宣戦布告した事実も伝えてくれたのですが、それだけでは済まなかったのです。
シャリーフ王太子殿下も烈火の如く怒りだしてしまい、王太子の権限で宣戦布告をしてしまったのです。
ここまでやられてしまうと、殿下の好意を疑いようもありません。
私のどこを気にいられたのか分かりませんが、とても困りました。
このままでは、次期王妃にされてしまうかもしれないと、回避の方法を真剣に考えていたのですが、更に話がややこしくなる事が起こってしまいました。
キプロス大公国出身の生徒が、この事件を本国に報告したのです。
テリーとの婚約解消騒動で私に負い目のあるキプロス大公国が、私への借りをなくそうとして、ジュディン王国に宣戦布告したのです。
大陸に隠然たる力を持つ大陸連合魔法学院から絶縁処分を受け、全生徒を退学処分にされ、二カ国から宣戦布告されたら、隣国も尻馬に乗って侵攻しようとします。
このままでは亡国一直線です。
それが目の前の恥も外聞もない詫びになっています。
「私はジュディン王国の全権大使のジェイコブと申します。
王弟であり公爵の位を頂いておりますので、ここで約束した事は必ず守ります。
ジュディン王国人の言葉など信じられないと仰らず、どうか信じて頂きたい」
ジェイコブは必死でした。
国が滅ぶか生き残れるかの瀬戸際ですから、当然です。
形振り構わず賠償を約束し、今回の件にかかわった貴族を処分することも確約してくれました。
目の前で這いつくばって詫びている貴族家の当主は、全員隠居して長男に家督を譲るそうです。
賠償金も国家予算十年分に相当する額が現金と宝石で持ってこられました。
おそらくジュディン王国と関係貴族の宝物室は空っぽでしょう。
学院に在学しているジュディン王国の学生全員を処刑すると言いだしましたが、関係のない平民生徒の処刑は止めました。
処刑するのは貴族子弟と腰巾着の平民生徒だけでいいです。
一番大きかったのが、処刑される全貴族家の領地の半分が私に割譲され、王家所有の未開地と魔境も割譲されましたが、これにはジュディン王国側のしたたかな計算があります。
私の領地がジュディン王国内にあれば、ネーデル王国とキプロス大公国を警戒して、隣国がジュディン王国に侵攻する事はありません。
「セシル嬢、一緒に食事をしないかい」
あれ以来、シャリーフ王太子殿下が研究を放り出して私の側から離れません。
私の事が心配で、護ろうとしてくださっているのでしょうが、これでは逆に結婚へと追い込まれてしまいます。
まあ、貴族が政略結婚を強いられるのは仕方のない事です。
前世のお見合い結婚だと思って、じっくりと愛情を育てるしかありませんね。
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