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第一章
第19話:舞踏会6
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ダンスに誘われている事を忘れて、しかもそのダンスに誘ってくれた相手を放置したまま、物思いにふけっていた私は、放り出していた相手に優しく声をかけられた事で、やっと正気に戻る事ができて、思わず赤面してしまいました。
貴族令嬢とは思えない大失態をしでかしてしまいました。
「大丈夫だよ、ボリングブルック女子爵。
貴女がここ数日とんでもない出来事に翻弄されている事は知っている。
衝撃を受けて物思いに沈むのは当然の事だよ。
私はもちろん、ロジャー第一王子やビゴッド第二王子に続けざまにダンスに誘われるなんて、想像もしていなかっただろうね。
でもこれで最後だから安心していいよ、大丈夫。
俺とも二度踊ったら、権力も実力も兼ね備えた王子と貴族が、貴女の事をとても大切に思っていると全ての貴族が知る事になる。
爵位や領地を目当てに求婚してくる奴も、お零れに預かろうと近寄ってくる貴族もいなくなるから、頑張って後二曲だけ踊ろうか」
顔から火が出そうになるくらい恥ずかしいです。
ほんの僅かでも、自分がモテていると考えた自分が恥ずかしいです。
ロジャー第一王子とビゴッド第二王子が三曲目のダンスを争ってくださったのも、ライアンが姉大好きっこなのをアピールしたのも、これからウィンダム子爵が二曲連続ダンスを踊ってくださるのも、その後で三曲目を誘ってくださるのも、私を護るための演技だったのです。
「はい、踊らせていただきます」
ウィンダム子爵のダンスは、とても優しいダンスでした。
ビゴッド第二王子のダンスのように、雲の上に乗っているかのように、ふわふわとした穏やかな気持ちになれると同時に、身体を支えてくださって、全く力のいらない楽なダンスだったのです。
先ほど口にしてくださったように、とても波乱に満ちたここ数日の私を、心から労わってくださるかのようなダンスでした。
「私ともう一曲踊ってくださいますか、ボリングブルック女子爵」
「はい、よろこんで、ウィンダム子爵」
ダンスに誘われる正確な理由が分かっていれば、戸惑う事も驚く事もなく、即答する事ができます。
戸惑っている間にライアンが余計な事を言ってきても困りますからね。
それに、ウィンダム子爵とのダンスはとても穏やかな気持ちになれますし、疲れる事もありません、心臓にも悪くないです。
ロジャー第一王子が厳しい目で睨んできているのも、爵位やお金目当てに私に求婚する者や近づいてくる者を威嚇するためだと分かっていれば、何も怖くありません。
「私ともう一曲踊ってくださいますか、ボリングブルック女子爵」
「申し訳ありませんが、お断わりさせていただきます。
ウィンダム子爵の事が嫌いだと言うわけではないのですが、同じ方は二度までしか踊らないと決めているのです」
「分かりました、もっと親しくなれるように努力させていただきましょう」
「はい、楽しみに待っております」
貴族令嬢とは思えない大失態をしでかしてしまいました。
「大丈夫だよ、ボリングブルック女子爵。
貴女がここ数日とんでもない出来事に翻弄されている事は知っている。
衝撃を受けて物思いに沈むのは当然の事だよ。
私はもちろん、ロジャー第一王子やビゴッド第二王子に続けざまにダンスに誘われるなんて、想像もしていなかっただろうね。
でもこれで最後だから安心していいよ、大丈夫。
俺とも二度踊ったら、権力も実力も兼ね備えた王子と貴族が、貴女の事をとても大切に思っていると全ての貴族が知る事になる。
爵位や領地を目当てに求婚してくる奴も、お零れに預かろうと近寄ってくる貴族もいなくなるから、頑張って後二曲だけ踊ろうか」
顔から火が出そうになるくらい恥ずかしいです。
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ロジャー第一王子とビゴッド第二王子が三曲目のダンスを争ってくださったのも、ライアンが姉大好きっこなのをアピールしたのも、これからウィンダム子爵が二曲連続ダンスを踊ってくださるのも、その後で三曲目を誘ってくださるのも、私を護るための演技だったのです。
「はい、踊らせていただきます」
ウィンダム子爵のダンスは、とても優しいダンスでした。
ビゴッド第二王子のダンスのように、雲の上に乗っているかのように、ふわふわとした穏やかな気持ちになれると同時に、身体を支えてくださって、全く力のいらない楽なダンスだったのです。
先ほど口にしてくださったように、とても波乱に満ちたここ数日の私を、心から労わってくださるかのようなダンスでした。
「私ともう一曲踊ってくださいますか、ボリングブルック女子爵」
「はい、よろこんで、ウィンダム子爵」
ダンスに誘われる正確な理由が分かっていれば、戸惑う事も驚く事もなく、即答する事ができます。
戸惑っている間にライアンが余計な事を言ってきても困りますからね。
それに、ウィンダム子爵とのダンスはとても穏やかな気持ちになれますし、疲れる事もありません、心臓にも悪くないです。
ロジャー第一王子が厳しい目で睨んできているのも、爵位やお金目当てに私に求婚する者や近づいてくる者を威嚇するためだと分かっていれば、何も怖くありません。
「私ともう一曲踊ってくださいますか、ボリングブルック女子爵」
「申し訳ありませんが、お断わりさせていただきます。
ウィンダム子爵の事が嫌いだと言うわけではないのですが、同じ方は二度までしか踊らないと決めているのです」
「分かりました、もっと親しくなれるように努力させていただきましょう」
「はい、楽しみに待っております」
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