15 / 52
第一章
第15話:圧勝
しおりを挟む
最悪の可能性を考えて傭兵と冒険者に喝を入れたが、今回は本当に大当たりの人材に恵まれていたようで、慢心している愚か者は三人だけだった。
傭兵と護衛を纏めている冒険者のリーダーは、その三人の事は把握していたようで、眼に見える巨大な毒蜘蛛を迎撃する役目を与えていた。
皆の命を危険に晒す馬鹿はこの機会に取り除こうという事らしい。
非情な考えだが、俺も賛成なのでここで死んでもらうことにした。
「エラ、目に見えているのは左翼の巨大毒蜘蛛だけど、本当に危険なのは右翼の極小毒蜘蛛なんだよ。
巨大毒蜘蛛に注意を引いている間に、俺を殺そうとしている。
あまりにも小さいから、護衛も見逃してしまうほどだ。
多分だけど、裏の世界では有名な暗殺者なんだろうね」
オリビア王女は本当にしつこすぎるし、国王も甘すぎる。
こんな暗殺者を雇おうと思ったら、結構な依頼料が必要になる。
オリビア王女に与えられた台所領だけではとても賄えないはずだ。
どうせ金を無心された国王が何に使うか分かっているのに与えたのだろう。
本当に困った父娘だ。
いや、金を与えたのが国王とは限らないな。
愚かなオリビア王女を擁立して王国を意のままにしたいと考える貴族は多い。
ハザートン公爵家を邪魔だと考えている貴族も同じように多い。
そんな連中が一石二鳥を考えて暗殺資金を援助した可能性もあるな。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、もうドロドロの権力闘争はごめんだ。
運よく公爵家を継がなくてもよくなったのだ、自由にのんびりと暮らすさ。
「何を考えておられるのですか、ノアお兄様。
極小の毒蜘蛛は退治されないのですか」
「もう直ぐだよ、今あの冒険者の右側と、あっちの冒険者の左側を通過したよ。
もう少し近づいて来たら叩き潰すからね」
「まあ、捕まえて護衛達に見せないのですか。
護衛達にノアお兄様の正しさを示して欲しいですわ」
ふむ、確かに今後の事を考えれば、傭兵や冒険者に俺の正しさを示しておいた方がいいかもしれないな。
「そうだね、エラの言う通りだね。
じゃあ捕獲用の魔術を使って毒蜘蛛を確保しよう」
やる事が決まれば後は簡単だ。
希少で高価な魔獣を生きたまま捕獲するために開発された魔術で極小毒蜘蛛を捕獲して、その後直ぐに巨人を斃した時と同じ風魔法で巨大毒蜘蛛を斃す。
素材として売れば高値がつくが、巨大毒蜘蛛は上手く料理をすれば美味なのだ。
「なんだこれは、レッド・バック・スカル・スパイダーじゃないか。
解毒薬も治癒魔術も効かないこんな奴に噛まれたら死んでいたぞ」
冒険者の中に毒蜘蛛に詳し奴がいて助かった。
今回始末し損ねた三人が露骨に視線を外しているが、エラが俺の雄姿を喜んでくれているのなら、まあいいか。
傭兵と護衛を纏めている冒険者のリーダーは、その三人の事は把握していたようで、眼に見える巨大な毒蜘蛛を迎撃する役目を与えていた。
皆の命を危険に晒す馬鹿はこの機会に取り除こうという事らしい。
非情な考えだが、俺も賛成なのでここで死んでもらうことにした。
「エラ、目に見えているのは左翼の巨大毒蜘蛛だけど、本当に危険なのは右翼の極小毒蜘蛛なんだよ。
巨大毒蜘蛛に注意を引いている間に、俺を殺そうとしている。
あまりにも小さいから、護衛も見逃してしまうほどだ。
多分だけど、裏の世界では有名な暗殺者なんだろうね」
オリビア王女は本当にしつこすぎるし、国王も甘すぎる。
こんな暗殺者を雇おうと思ったら、結構な依頼料が必要になる。
オリビア王女に与えられた台所領だけではとても賄えないはずだ。
どうせ金を無心された国王が何に使うか分かっているのに与えたのだろう。
本当に困った父娘だ。
いや、金を与えたのが国王とは限らないな。
愚かなオリビア王女を擁立して王国を意のままにしたいと考える貴族は多い。
ハザートン公爵家を邪魔だと考えている貴族も同じように多い。
そんな連中が一石二鳥を考えて暗殺資金を援助した可能性もあるな。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、もうドロドロの権力闘争はごめんだ。
運よく公爵家を継がなくてもよくなったのだ、自由にのんびりと暮らすさ。
「何を考えておられるのですか、ノアお兄様。
極小の毒蜘蛛は退治されないのですか」
「もう直ぐだよ、今あの冒険者の右側と、あっちの冒険者の左側を通過したよ。
もう少し近づいて来たら叩き潰すからね」
「まあ、捕まえて護衛達に見せないのですか。
護衛達にノアお兄様の正しさを示して欲しいですわ」
ふむ、確かに今後の事を考えれば、傭兵や冒険者に俺の正しさを示しておいた方がいいかもしれないな。
「そうだね、エラの言う通りだね。
じゃあ捕獲用の魔術を使って毒蜘蛛を確保しよう」
やる事が決まれば後は簡単だ。
希少で高価な魔獣を生きたまま捕獲するために開発された魔術で極小毒蜘蛛を捕獲して、その後直ぐに巨人を斃した時と同じ風魔法で巨大毒蜘蛛を斃す。
素材として売れば高値がつくが、巨大毒蜘蛛は上手く料理をすれば美味なのだ。
「なんだこれは、レッド・バック・スカル・スパイダーじゃないか。
解毒薬も治癒魔術も効かないこんな奴に噛まれたら死んでいたぞ」
冒険者の中に毒蜘蛛に詳し奴がいて助かった。
今回始末し損ねた三人が露骨に視線を外しているが、エラが俺の雄姿を喜んでくれているのなら、まあいいか。
0
あなたにおすすめの小説
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。
しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。
全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。
超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!?
万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。
一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。
「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」
――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。
これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!
「毒が効かない体になるまで毒を盛られた令嬢は、復讐なんて望まない——ただ、助けもしないだけ」
歩人
ファンタジー
侯爵令嬢エレーナは、義母と義妹に3年間毒を盛られ続けた。「病弱な姉」として
社交界から消し、財産と婚約者を奪う計画——しかしエレーナには、前世の記憶から
来る毒物の知識があった。毒の種類を特定し、密かに解毒しながら「弱った姉」を
演じ続け、証拠が積み上がるのを待つ。卒業の夜会で義妹が勝ち誇るその場で、
エレーナは3年分の診断書を差し出す。「復讐? いいえ。ただ、もう助けないだけ」
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる