病弱を演じる妹に婚約者を奪われましたが、大嫌いだったので大助かりです

克全

文字の大きさ
7 / 32
第一章

第7話:旅の空1・キャメロン視点

しおりを挟む
「キャメロンお嬢様もお人が悪いですね」

 ブレンダが私の事をからかうような言い方で話しかけてきます。
 先程筋肉騎士のゴドン・ラムゼイを追い払った事を言っているのでしょう。
 確かにうまく利用できる手駒を王城に残せたともいえます。
 ですが簡単にぼろを出して処罰される未来しか思い浮かびません。
 そう考えれば私はとても人が悪いですね。

「仕方ないでしょう、女六人旅に男一人で参加しようなんて、虫がよすぎます」

「そう、あれはダメ、ガサツな男と一緒は嫌」

 珍しくカチュアこちらから質問もしないのに話します。
 よほどゴドン・ラムゼイのような気の利かない男が嫌いなのでしょう。
 それとも身体が大きな男が苦手なのかもしれないですね。

「そうかい、私はああいう男の方が扱い易くて好きだけどね」

「ブレンダは昔から男の趣味が悪い。
 不潔でガサツで大きな男ならなんでもいい」

「おい、おい、おい、それは言い過ぎだろ」

 ブレンダとカチュアが可愛い言い争いを始めました。
 とは言ってもブレンダが九割話してカチュアは一割返す程度です。
 普通なら震動と騒音の激しいのがこの世界この時代の馬車ですが、私専用の馬車は振動も少ないですし騒音もほとんどありません。
 私が大金を投じて貴重な魔獣素材で作らせた逸品です。
 まあ、馬車のような大きなモノを逸品と呼んでいいかどうかは別ですが。

「キャメロンお嬢様、フクロウが先に盗賊団が潜んでいると言っています」

 御者を務めてくれているテイマーのミリアムが声をかけてきました。
 夜とはいえ王都を出てからまだ半日も経っていないというのに、情けない事です。
 これもブリトニーが王家を操って重税をかけさせたからでしょうか。
 いえ、それにしては治安が悪化するのが早すぎますね。
 元々王家王国の政治が悪かったのでしょう。

「ミリアムの動物達で何とかできますか」

「多少手傷を負うかもしれませんが、全員殺せると思います」

 ミリアムが自信満々で答えてくれる。

「待ってくれ、盗賊団なら懸賞金がかかっているはずだ。
 ミリアムのオオカミやトラに喰われたら金にならない。
 キャメロンお嬢様から大金をいただいてはいるが、稼げる時に稼いでおきたい。
 どうですかね、キャメロンお嬢様。
 私達に小遣い稼ぎさせてもらえませんかね」

 やれ、やれ、できれば急いでオギルヴィ皇国までいきたいのですが、ミリアムも長く傭兵や冒険者として苦労してきているだけに、お金にはうるさいですからね。
 ここは条件付きで認めてあげましょう。

「時間がかかってはダメよ。
 生かして犯罪者奴隷として買い取らせたいのでしょうが、歩かせて連れて行くのなら許可できないわ。
 殺して討伐報酬を稼ぐのは認めます。
 犯罪者奴隷として連れて行くのは、盗賊団に捕らえた後で運べる馬や馬車がある場合だけよ、いいわね」

「ありがてぇえ、直ぐに終わらせますよ」
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?

ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十年目。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。 ※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?

藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」 9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。 そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。 幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。 叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

処理中です...