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第1章
東京競馬場を愉しもう2(ラーメン優駿 2017 秋の陣)
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東京競馬場:パドック
「ごめん、12時からだと思っていたけど、馬車の運行時間は13時30分からだった。整理券が配布されるのが13時20分だから、まだまだ2時間近く間が有るよ」
「勘違いは誰にだってることですから、そんなに気にされないでください」
「べつにいいよぉ~」
「花子もいいよぉ~」
パドックに着いて、太郎君と花子ちゃんちゃんに元気な順に3頭教えてもらっていたのだが、何気なくレーシングプログラム・出馬表を見ると、俺が思っていた時間と実際の運行時間が違っていたのだ。
「じゃあ内馬場公園に行こう、綾香さんが調べてくれた色んなフェアをやっているそうだから、お昼ご飯もそこで食べちゃおう」
「そうですね、そうしていれば2時間なんて直ぐですよ」
「お昼ご飯食べるぅ~」
「花子もお昼ご飯食べるぅ~」
俺達4人は特に急ぐこともなく、手を繋いでゆっくりとフジビュースタンドの中を通過し、地下道を渡って内馬場内に入った。地下道から上がってすぐに目にしたのは、綺麗に手入れされたバラ園だった。
「勝也さん、バラが咲いています、なんて綺麗なんでしょう!」
「そうですね、よく手入れされて綺麗に咲いていますね」
「花よりごはん」
「花子もごはん」
「まぁ、ごめんなさいね、そんなにお腹が空いていたのね」
「べつにいいよぉ~」
「花子もべつにいいよぉ~」
太郎君と花子ちゃんはそう言ってくれるが、祟りの事を考えればひもじい思いをさせるなんて絶対にあってはならない。そもそもその為に前金を1000万円も頂いているのだし、馬券で1億円近くも利益を上げさせてもらっているのだ。
「左手にある、東側特設エリアで「ラーメン優駿 2017 秋の陣」をやっているから、まずはそこで腹ごなしにラーメンを食べよう」
「そうですね、それがいいですね」
「らーめんてなあにぃ~」
「花子もらーめんしらなぁ~い~」
「太郎君と花子ちゃんはラーメン食べた事がないの? 小麦粉でうった麺をスープに入れて具材と一緒に食べるのよ?」
「めんはそばとうどんならしってるぅ~」
「花子もそばとうどんしってるぅ~」」
「そうか、太郎君と花子ちゃんのお家は旧家だから、蕎麦とうどんしか食べた事無かったのね」
「太郎君と花子ちゃんはどれが食べたい? どれでもいいんだよ」
「う~んとねぇ~、う~んとねぇ~」
「花子これぇ~」
俺は優柔不断で、1度全部の店を見てから更に何度も考え直して食べるものを決めるのだが、花子ちゃんは途中で食べたいラーメンを決め、太郎君は8店全部見て直ぐに食べたいラーメンを決めた。2人を待たせる訳にはいかないので、俺は慌てて決めたが、綾香さんも太郎君と同じように8店見て直ぐ決めていたようだ。
花子ちゃんが選んだラーメンは、神奈川県の店だった。じっくり煮込んだ濃厚でクリーミーな豚骨スープを使ったラーメンで、スープの上に浮かぶ黒マー油の芳ばしさはたまらない! 具材は分厚く切られた豚バラ肉のチャーシューが2枚に海苔、もやし、葱が乗っていて、俺も食べようかと随分迷った1杯だった。
太郎君が選んだラーメンは、富山県から来ている店だった。魚醤を長時間煮込んだ超濃厚な黒醤油ダレと、富山湾の鮮魚をすり身にし出汁を取る魚介スープがたまらない! 具材は分厚く切られたチャーシューが3枚に海苔、メンマ、白髪ねぎ、半分に切った味付玉子が乗っていて、これも食べたいと思い迷った1杯だった。
綾香さんが選んだラーメンは、群馬県から来ている店だった。群馬のブランド牛「上州牛」を贅沢に使用した、絶品塩清湯スープがたまらない! 具材は牛バラの時雨煮、5色のあられ、メンマ、ネギが乗っていて、綾香さんに相応しい澄んだスープと対比が美しくお洒落な1杯だ。
俺が選んだラーメンは、埼玉県から来ている店だった。煮干そば専門店のスープだけあって、煮干しの旨味を十分に引き出していてたまらない! 具材は分厚く切られたバラ肉のチャーシューに、レア感がたまらないローストビーフのようなチャーシューが2種に、刻み葱が添えられている。ラーメン丼一杯の2種チャーシューが選んだ決め手だった。
太郎君も花子ちゃんも美味しそうに食べているが、何故か真剣な顔で食べている綾香さんが気になって、食べている途中なのだが声をかけることにした。
「綾香さん、美味しいですか?」
「はい、時雨煮は少々かたいですがメインの具材だけあって肉の旨味がありますし、メンマが多いのが私好みです。麺は中細麺で、コシがありややカタメの茹で加減、スープとの相性は可もなく不可もなくでしょうか。牛の旨味が出たスープは牛100%とだけあって余計な雑味はなく、胡椒が少し効いている程度なので、シンプルに牛肉の味を楽しむことができます。でも味が単調になっていまうので、小食の人は途中で少し飽きてしまうかもしれませんね。1食に2杯3杯と食べられるのなら、最初に食べられた方がいいかもしれません。あ?! ごめんなさい! 私夢中になってしまって」
「いえいえ、ラーメンがお好きなんですね」
「はい、恥ずかしながらラーメンが大好きで、ラーメンの事になると熱くなってしまうんです」
「その割には、水沢競馬場では何も言われていませんでしたね」
「あの時はまだ自分に自信が無くて」
「それはよかった、綾香さんが遠慮せずに本心を出してくれて安心しました。ここでクラフトビールや国産プレミアムビールを売っているとさっき言われてましたね、飲まれますか?」
「いえ、私は止めておきます。太郎君と綾香ちゃんの事は私が見ていますから、勝也さんは遠慮なく飲まれて下さい。ビールだけではなく、ワインやハイボールも1杯500円で飲めるそうですよ」
「いや、ここで飲むのは止めておきましょう。それよりもウチババダイニングとして、長崎の角煮バーガーやナンカレーにフライドポテト、タコスやブリトーも売っているそうなんで、それを買い食いしましょう。それとも綾香さんは、ラーメンをもう1杯の方がいいですか?」
「私はもう1杯ラーメンを頂きます。
「1杯と言わずに2杯でも3杯でも、好きなだけ食べて下さいね。もう僕達の間で遠慮は無しにしましょう」
「はい、勝也さん!」
「第5競走の結果を発表します」
俺達が移動しラーメンを食べている間に、いつの間にか第5競走が始まって終わり、結果が確定していた。買った馬券の結果を気にせず食事を愉しむなんて、競馬に熱中していた若い頃には考えられないことだ。
「第5競走・都銀口座の収支」
単勝 : 6: 2520円
複勝 : 6: 510円
: 1: 190円
: 11: 290円
枠連 : 1-6: 1440円
馬連 : 1-6: 5870円
馬単 : 6-1: 14980円
ワイド: 1-6: 1430円
: 6-11: 3340円
: 1-11: 840円
3連複:1-6-11: 17090円
3連単:6-1-11:148630円
小計:1959万3000円
また2000万弱儲かった!
税金を支払っても1000万弱残るだろう、もう競馬よりも太郎君と花子ちゃんに集中しなくちゃいけない!
「あの、どうされたんですか?」
「いや、次に何を食べてどこで遊ぼうかと思ってね」
「そうですね、移動時間を考えても馬車の時間まで1時間以上ありますね」
「あれ食べたい~」
「花子もあれ食べたい~」
「カレーのようですね」
「じゃあ僕が太郎君と花子ちゃんを連れてカレーを買ってきますから、綾香さんはこれでラーメンを買って来てください」
「いえそんな! 2杯目のラーメン代まで出して頂くわけにはいきません」
「もう他人じゃないんだし、食事代やホテル代は僕に出させてください」
「はい、うれしいです」
綾香さんがラーメン好きなのが分かった以上、太郎君と花子ちゃんとカレーを買いに行くのは俺以外考えられない。俺が買ったカレー2種とナンのセットは790円だった。
ベンチに戻ると既に綾香さんも戻って来ていて、宮城県から来ている塩スープのラーメンを買っていた。豆腐のような具材の上に牛タンが乗っていて、俺も注文しようかずいぶん悩んだ1杯だ。
「冷めちゃいますよ、先に食べて来て下さればよかったのに」
「正直迷いましたが、待つことにしました」
「ラーメンは熱いうちに食べないと値打ちが下がると思いますから、次からは遠慮せずに熱いうちに食べて下さい」
「勝也さんの御言葉に甘えて食べさせて頂きます」
「どうぞどうぞ」
「おじさん僕も食べたい~!」
「花子も食べたい~!」
「そうだね、ごめんごめん、このナンという物を手でちぎって、カレーと言うこれを付けて食べるんだよ」
「ちぎるぅ~」
「花子もちぎるぅ~」
「おいしぃ~」
「花子もおいしぃ~」
「そうかそうか、それはよかったね。綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 鶏ガラをベースに多めの油分を持たせた塩味のスープは、香味油のオイリーなこってり感が唇にしっとりと馴染む口当たりです。鶏出汁の静かな旨みと、キレのある塩味がとても美味しいです。それにもっちりとしたコシの感じられる中細ストレート麺は、強めの小麦香も味わえます。スープとの絡み、特に油との絡みがよく、相性のいい麺ですね。具材の厚切りの牛タンブロックは、提供の直前に炭火で火を通されており、非常に柔らかく、ホロホロとした歯触りの食感がたまりません! 牛タンブロックを乗せた『おとうふかまぼこ』も提供前にバーナーで炙ってますし、ネギ、茎ワカメ、糸切り唐辛子、白ゴマもスープの味を引き立てていて、味付けは薄味ですが、牛タンならではの肉の旨味を存分に感じられる贅沢な1杯です!」
「そうですか、それはよかったですね」
「でも、でも、もう1杯食べたいので、半分食べて頂けませんか勝也さん?」
「いいですよ、食べたい分だけだべられて、後は残して行ってください」
次に綾香さんが買って来たラーメンは、埼玉県から参加している比内地鶏をメインに濃厚な濃口醤油で作られたスープで、レア感の強いチャーシューにはそそられたものの、チャーシューが1枚しかないし、スープの色も濃すぎるので選ばなかった1杯だ。
「綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 比内鶏の旨味が溢れる濃い醤油ダレのスープは完成度高く、ポクポクした歯ごたえの細麺とよくあっています! 具材も低温調理されたチャーシューの完成度が高く、三つ葉と海苔のアクセントもラーメン全体完成度を高めています。ただやはりこの店で1番美味しいのは、蛤ラーメンだと思います」
「そうか、それは少し残念だったね、だったら次の1杯に行ったらどうだい?」
「いいのですか?」
「いいよ、1杯と言わず2杯でも3杯でも、食べれるときに食べておかないと後悔するよ」
「ではもう1杯行かせていただきます、すみませんが残りを食べて下さい」
「喜んで食べさせてもらうよ」
「僕も食べるぅ~」
「花子も食べるぅ~」
うん?
何か太郎君と花子ちゃんの喋り方が段々しっかりして来てないか?
「おじちゃんもカレー食べたい~」
「花子もそうお思う~、おじちゃんもカレー食べたい~」
「ああそうだね、じゃあ太郎君と花子ちゃんはこっちのラーメンを食べようか、おじさんはカレーとナンを食べるよ」
「ラーメン食べるぅ~」
「花子もラーメン食べるぅ~」
朝からしっかりと寿司を食べたのに、昼にラーメン1杯完食して、更にカレーナンを少し食べている。その後で1/4以下とは言えラーメンを食べ切るとは、やっぱり座敷童は大食漢なのだろう。いや、初めての人間社会の料理に、美味しさにつられて限界以上に食べ過ぎている可能性もある。ここは注意して見極めなければならない!
食べ過ぎでこの子達が胃腸を壊しでもしたら、祟られてしまうかもしれないのだから!
俺がカレーとナン、太郎君と花子ちゃんがラーメンを食べ終えた頃、綾香さんが次のラーメンを持って戻って来た。彼女が持っていたラーメンの店は、北海道から参加しており、一味が浮かんだ味噌スープには、店員が燻製していると言っていた分厚いチャーシューが乗っている。もしこのチャーシューが2枚乗っていたら、俺はこちらのラーメンを注文していたかもしれない。
「綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 流石に日本最北端の味噌を使用した創業120年のスープです! まさに王道の味噌! 表面がラー油含めた赤い油膜な感じでその下は濃厚な味噌味が広がり、濃すぎず、だからと言って物足りなくもなく、味のバランスが絶妙です。札幌ラーメンの王道をリスペクトしながらもオリジナルを追求した新しい味噌スープに、プリプリ食感の黄色い中太縮れ麺と最高に合っています。おそらくこのスープは、鶏ガラ清湯スープに白味噌を加え山椒メインの数種のスパイスと柚子で味を整えたものだと思います。一口目から味噌のコク、ガラの旨み、スパイスの軽い辛さが口に広がります。忍ばせた柚子と生姜がスッキリした味に変化させます。具材はトロトロの燻製豚バラチャーシュー、軽く火当てしたモヤシと玉ねぎ、シメンマ、ネギ、キクラゲ、海苔、豚ひき肉がラーメンの完成度を高めています。
「そうですか、それはよかったです、万が一食べ切れなかったら残して下さい」
「はい、でも大丈夫です、昼はこの1杯で終わりにします」
「ええそうですね、売り切れない限り16時まで開いているようですから、遊んで空腹になったらまた食べに来ましょう」
「はい! そうさせていただきます」
俺と太郎君と花子ちゃんが食べたラーメン以外なら、後は大分から来た豚骨醤油ラーメンだけだな。まあ売り切れていたら、大井に行く途中でラーメン屋さんに寄ればいい。タクシーの運転手さんなら、美味しいラーメン屋さんを知っているだろう。
しかし本当に美味しかったな、普段は好んでラーメンを食べない俺だが、今回は美味しく食べることが出来た。それにどの店も1杯800円で提供してくれているので、どのラーメンもかなりお得な1杯だと思う。
「おじちゃん馬車まだぁ~」
「花子も馬車に乗りたい~」
「そうだね、まだ少し時間が早いけど、そろそろ行った方がいいかな?」
「時間が早いのでしたら、パドックで馬を見られればいいのではありませんか?」
「もう無理に馬券を買わなくてもいいんだけどね」
「太郎が馬教えてあげるよぉ~」
「花子もおしえてあげるぅ~」
「太郎君も花子ちゃんも、勝也さんの役に立ちたいんですよ」
「そっか! そう言ってくれるのならパドックに行こうか!」
「ごめん、12時からだと思っていたけど、馬車の運行時間は13時30分からだった。整理券が配布されるのが13時20分だから、まだまだ2時間近く間が有るよ」
「勘違いは誰にだってることですから、そんなに気にされないでください」
「べつにいいよぉ~」
「花子もいいよぉ~」
パドックに着いて、太郎君と花子ちゃんちゃんに元気な順に3頭教えてもらっていたのだが、何気なくレーシングプログラム・出馬表を見ると、俺が思っていた時間と実際の運行時間が違っていたのだ。
「じゃあ内馬場公園に行こう、綾香さんが調べてくれた色んなフェアをやっているそうだから、お昼ご飯もそこで食べちゃおう」
「そうですね、そうしていれば2時間なんて直ぐですよ」
「お昼ご飯食べるぅ~」
「花子もお昼ご飯食べるぅ~」
俺達4人は特に急ぐこともなく、手を繋いでゆっくりとフジビュースタンドの中を通過し、地下道を渡って内馬場内に入った。地下道から上がってすぐに目にしたのは、綺麗に手入れされたバラ園だった。
「勝也さん、バラが咲いています、なんて綺麗なんでしょう!」
「そうですね、よく手入れされて綺麗に咲いていますね」
「花よりごはん」
「花子もごはん」
「まぁ、ごめんなさいね、そんなにお腹が空いていたのね」
「べつにいいよぉ~」
「花子もべつにいいよぉ~」
太郎君と花子ちゃんはそう言ってくれるが、祟りの事を考えればひもじい思いをさせるなんて絶対にあってはならない。そもそもその為に前金を1000万円も頂いているのだし、馬券で1億円近くも利益を上げさせてもらっているのだ。
「左手にある、東側特設エリアで「ラーメン優駿 2017 秋の陣」をやっているから、まずはそこで腹ごなしにラーメンを食べよう」
「そうですね、それがいいですね」
「らーめんてなあにぃ~」
「花子もらーめんしらなぁ~い~」
「太郎君と花子ちゃんはラーメン食べた事がないの? 小麦粉でうった麺をスープに入れて具材と一緒に食べるのよ?」
「めんはそばとうどんならしってるぅ~」
「花子もそばとうどんしってるぅ~」」
「そうか、太郎君と花子ちゃんのお家は旧家だから、蕎麦とうどんしか食べた事無かったのね」
「太郎君と花子ちゃんはどれが食べたい? どれでもいいんだよ」
「う~んとねぇ~、う~んとねぇ~」
「花子これぇ~」
俺は優柔不断で、1度全部の店を見てから更に何度も考え直して食べるものを決めるのだが、花子ちゃんは途中で食べたいラーメンを決め、太郎君は8店全部見て直ぐに食べたいラーメンを決めた。2人を待たせる訳にはいかないので、俺は慌てて決めたが、綾香さんも太郎君と同じように8店見て直ぐ決めていたようだ。
花子ちゃんが選んだラーメンは、神奈川県の店だった。じっくり煮込んだ濃厚でクリーミーな豚骨スープを使ったラーメンで、スープの上に浮かぶ黒マー油の芳ばしさはたまらない! 具材は分厚く切られた豚バラ肉のチャーシューが2枚に海苔、もやし、葱が乗っていて、俺も食べようかと随分迷った1杯だった。
太郎君が選んだラーメンは、富山県から来ている店だった。魚醤を長時間煮込んだ超濃厚な黒醤油ダレと、富山湾の鮮魚をすり身にし出汁を取る魚介スープがたまらない! 具材は分厚く切られたチャーシューが3枚に海苔、メンマ、白髪ねぎ、半分に切った味付玉子が乗っていて、これも食べたいと思い迷った1杯だった。
綾香さんが選んだラーメンは、群馬県から来ている店だった。群馬のブランド牛「上州牛」を贅沢に使用した、絶品塩清湯スープがたまらない! 具材は牛バラの時雨煮、5色のあられ、メンマ、ネギが乗っていて、綾香さんに相応しい澄んだスープと対比が美しくお洒落な1杯だ。
俺が選んだラーメンは、埼玉県から来ている店だった。煮干そば専門店のスープだけあって、煮干しの旨味を十分に引き出していてたまらない! 具材は分厚く切られたバラ肉のチャーシューに、レア感がたまらないローストビーフのようなチャーシューが2種に、刻み葱が添えられている。ラーメン丼一杯の2種チャーシューが選んだ決め手だった。
太郎君も花子ちゃんも美味しそうに食べているが、何故か真剣な顔で食べている綾香さんが気になって、食べている途中なのだが声をかけることにした。
「綾香さん、美味しいですか?」
「はい、時雨煮は少々かたいですがメインの具材だけあって肉の旨味がありますし、メンマが多いのが私好みです。麺は中細麺で、コシがありややカタメの茹で加減、スープとの相性は可もなく不可もなくでしょうか。牛の旨味が出たスープは牛100%とだけあって余計な雑味はなく、胡椒が少し効いている程度なので、シンプルに牛肉の味を楽しむことができます。でも味が単調になっていまうので、小食の人は途中で少し飽きてしまうかもしれませんね。1食に2杯3杯と食べられるのなら、最初に食べられた方がいいかもしれません。あ?! ごめんなさい! 私夢中になってしまって」
「いえいえ、ラーメンがお好きなんですね」
「はい、恥ずかしながらラーメンが大好きで、ラーメンの事になると熱くなってしまうんです」
「その割には、水沢競馬場では何も言われていませんでしたね」
「あの時はまだ自分に自信が無くて」
「それはよかった、綾香さんが遠慮せずに本心を出してくれて安心しました。ここでクラフトビールや国産プレミアムビールを売っているとさっき言われてましたね、飲まれますか?」
「いえ、私は止めておきます。太郎君と綾香ちゃんの事は私が見ていますから、勝也さんは遠慮なく飲まれて下さい。ビールだけではなく、ワインやハイボールも1杯500円で飲めるそうですよ」
「いや、ここで飲むのは止めておきましょう。それよりもウチババダイニングとして、長崎の角煮バーガーやナンカレーにフライドポテト、タコスやブリトーも売っているそうなんで、それを買い食いしましょう。それとも綾香さんは、ラーメンをもう1杯の方がいいですか?」
「私はもう1杯ラーメンを頂きます。
「1杯と言わずに2杯でも3杯でも、好きなだけ食べて下さいね。もう僕達の間で遠慮は無しにしましょう」
「はい、勝也さん!」
「第5競走の結果を発表します」
俺達が移動しラーメンを食べている間に、いつの間にか第5競走が始まって終わり、結果が確定していた。買った馬券の結果を気にせず食事を愉しむなんて、競馬に熱中していた若い頃には考えられないことだ。
「第5競走・都銀口座の収支」
単勝 : 6: 2520円
複勝 : 6: 510円
: 1: 190円
: 11: 290円
枠連 : 1-6: 1440円
馬連 : 1-6: 5870円
馬単 : 6-1: 14980円
ワイド: 1-6: 1430円
: 6-11: 3340円
: 1-11: 840円
3連複:1-6-11: 17090円
3連単:6-1-11:148630円
小計:1959万3000円
また2000万弱儲かった!
税金を支払っても1000万弱残るだろう、もう競馬よりも太郎君と花子ちゃんに集中しなくちゃいけない!
「あの、どうされたんですか?」
「いや、次に何を食べてどこで遊ぼうかと思ってね」
「そうですね、移動時間を考えても馬車の時間まで1時間以上ありますね」
「あれ食べたい~」
「花子もあれ食べたい~」
「カレーのようですね」
「じゃあ僕が太郎君と花子ちゃんを連れてカレーを買ってきますから、綾香さんはこれでラーメンを買って来てください」
「いえそんな! 2杯目のラーメン代まで出して頂くわけにはいきません」
「もう他人じゃないんだし、食事代やホテル代は僕に出させてください」
「はい、うれしいです」
綾香さんがラーメン好きなのが分かった以上、太郎君と花子ちゃんとカレーを買いに行くのは俺以外考えられない。俺が買ったカレー2種とナンのセットは790円だった。
ベンチに戻ると既に綾香さんも戻って来ていて、宮城県から来ている塩スープのラーメンを買っていた。豆腐のような具材の上に牛タンが乗っていて、俺も注文しようかずいぶん悩んだ1杯だ。
「冷めちゃいますよ、先に食べて来て下さればよかったのに」
「正直迷いましたが、待つことにしました」
「ラーメンは熱いうちに食べないと値打ちが下がると思いますから、次からは遠慮せずに熱いうちに食べて下さい」
「勝也さんの御言葉に甘えて食べさせて頂きます」
「どうぞどうぞ」
「おじさん僕も食べたい~!」
「花子も食べたい~!」
「そうだね、ごめんごめん、このナンという物を手でちぎって、カレーと言うこれを付けて食べるんだよ」
「ちぎるぅ~」
「花子もちぎるぅ~」
「おいしぃ~」
「花子もおいしぃ~」
「そうかそうか、それはよかったね。綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 鶏ガラをベースに多めの油分を持たせた塩味のスープは、香味油のオイリーなこってり感が唇にしっとりと馴染む口当たりです。鶏出汁の静かな旨みと、キレのある塩味がとても美味しいです。それにもっちりとしたコシの感じられる中細ストレート麺は、強めの小麦香も味わえます。スープとの絡み、特に油との絡みがよく、相性のいい麺ですね。具材の厚切りの牛タンブロックは、提供の直前に炭火で火を通されており、非常に柔らかく、ホロホロとした歯触りの食感がたまりません! 牛タンブロックを乗せた『おとうふかまぼこ』も提供前にバーナーで炙ってますし、ネギ、茎ワカメ、糸切り唐辛子、白ゴマもスープの味を引き立てていて、味付けは薄味ですが、牛タンならではの肉の旨味を存分に感じられる贅沢な1杯です!」
「そうですか、それはよかったですね」
「でも、でも、もう1杯食べたいので、半分食べて頂けませんか勝也さん?」
「いいですよ、食べたい分だけだべられて、後は残して行ってください」
次に綾香さんが買って来たラーメンは、埼玉県から参加している比内地鶏をメインに濃厚な濃口醤油で作られたスープで、レア感の強いチャーシューにはそそられたものの、チャーシューが1枚しかないし、スープの色も濃すぎるので選ばなかった1杯だ。
「綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 比内鶏の旨味が溢れる濃い醤油ダレのスープは完成度高く、ポクポクした歯ごたえの細麺とよくあっています! 具材も低温調理されたチャーシューの完成度が高く、三つ葉と海苔のアクセントもラーメン全体完成度を高めています。ただやはりこの店で1番美味しいのは、蛤ラーメンだと思います」
「そうか、それは少し残念だったね、だったら次の1杯に行ったらどうだい?」
「いいのですか?」
「いいよ、1杯と言わず2杯でも3杯でも、食べれるときに食べておかないと後悔するよ」
「ではもう1杯行かせていただきます、すみませんが残りを食べて下さい」
「喜んで食べさせてもらうよ」
「僕も食べるぅ~」
「花子も食べるぅ~」
うん?
何か太郎君と花子ちゃんの喋り方が段々しっかりして来てないか?
「おじちゃんもカレー食べたい~」
「花子もそうお思う~、おじちゃんもカレー食べたい~」
「ああそうだね、じゃあ太郎君と花子ちゃんはこっちのラーメンを食べようか、おじさんはカレーとナンを食べるよ」
「ラーメン食べるぅ~」
「花子もラーメン食べるぅ~」
朝からしっかりと寿司を食べたのに、昼にラーメン1杯完食して、更にカレーナンを少し食べている。その後で1/4以下とは言えラーメンを食べ切るとは、やっぱり座敷童は大食漢なのだろう。いや、初めての人間社会の料理に、美味しさにつられて限界以上に食べ過ぎている可能性もある。ここは注意して見極めなければならない!
食べ過ぎでこの子達が胃腸を壊しでもしたら、祟られてしまうかもしれないのだから!
俺がカレーとナン、太郎君と花子ちゃんがラーメンを食べ終えた頃、綾香さんが次のラーメンを持って戻って来た。彼女が持っていたラーメンの店は、北海道から参加しており、一味が浮かんだ味噌スープには、店員が燻製していると言っていた分厚いチャーシューが乗っている。もしこのチャーシューが2枚乗っていたら、俺はこちらのラーメンを注文していたかもしれない。
「綾香さんはどうですか? 美味しいですか?」
「はい! 流石に日本最北端の味噌を使用した創業120年のスープです! まさに王道の味噌! 表面がラー油含めた赤い油膜な感じでその下は濃厚な味噌味が広がり、濃すぎず、だからと言って物足りなくもなく、味のバランスが絶妙です。札幌ラーメンの王道をリスペクトしながらもオリジナルを追求した新しい味噌スープに、プリプリ食感の黄色い中太縮れ麺と最高に合っています。おそらくこのスープは、鶏ガラ清湯スープに白味噌を加え山椒メインの数種のスパイスと柚子で味を整えたものだと思います。一口目から味噌のコク、ガラの旨み、スパイスの軽い辛さが口に広がります。忍ばせた柚子と生姜がスッキリした味に変化させます。具材はトロトロの燻製豚バラチャーシュー、軽く火当てしたモヤシと玉ねぎ、シメンマ、ネギ、キクラゲ、海苔、豚ひき肉がラーメンの完成度を高めています。
「そうですか、それはよかったです、万が一食べ切れなかったら残して下さい」
「はい、でも大丈夫です、昼はこの1杯で終わりにします」
「ええそうですね、売り切れない限り16時まで開いているようですから、遊んで空腹になったらまた食べに来ましょう」
「はい! そうさせていただきます」
俺と太郎君と花子ちゃんが食べたラーメン以外なら、後は大分から来た豚骨醤油ラーメンだけだな。まあ売り切れていたら、大井に行く途中でラーメン屋さんに寄ればいい。タクシーの運転手さんなら、美味しいラーメン屋さんを知っているだろう。
しかし本当に美味しかったな、普段は好んでラーメンを食べない俺だが、今回は美味しく食べることが出来た。それにどの店も1杯800円で提供してくれているので、どのラーメンもかなりお得な1杯だと思う。
「おじちゃん馬車まだぁ~」
「花子も馬車に乗りたい~」
「そうだね、まだ少し時間が早いけど、そろそろ行った方がいいかな?」
「時間が早いのでしたら、パドックで馬を見られればいいのではありませんか?」
「もう無理に馬券を買わなくてもいいんだけどね」
「太郎が馬教えてあげるよぉ~」
「花子もおしえてあげるぅ~」
「太郎君も花子ちゃんも、勝也さんの役に立ちたいんですよ」
「そっか! そう言ってくれるのならパドックに行こうか!」
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「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
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「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
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