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第1章
第12話:お伺い
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村をあげての大宴会はとても盛り上がった。
新鮮なアグー肉でも特に美味しい部位、やわらかい部位がステーキにされ、村人全員がお腹一杯食べられた。
村では貴重なお酒、野ブドウや山ブドウで造ったワインを飲めた。
果樹や穀物の栽培が難しいこの世界では、パンやパスタ、穀物酒がとても貴重だ。
村で飲めるお酒と言えば、家畜の乳から造った乳酒かハチミツ酒が主だ。
果物から醸造するワインは滅多に飲めない超貴重品だった。
大魔境の中にある危険な村とは思えないくらい夜遅くまで大宴会が続いたが、エマとライアン、カインとアベルは腹一杯食べたら直ぐに眠った。
ロース肉とヘレ肉、しんたまとランプ肉のステーキを腹一杯食べてから眠った。
四人は夜明けとともに目を覚まし、精一杯身ぎれいにした。
歯を磨き口を雪ぎ、井戸水で身を清めてから神殿に集合した。
「エイル神様、テュール神様、ウル神様、ロキ神様の眷属であるレッサー・ヴァンパイアを斃した事を報告させていただきます。
ロキ神様が神々の試練の邪魔をしていると思うのですが、これは許されれる事なのでしょうか?」
神殿に集まった四人は神々と交渉する心算だった。
交渉と言うのは大げさだが、疑問に思った事を聞いて確かめたかった。
話し合って決めた質問をエマが代表して聞く事になっていた。
「ロキが邪魔するようになって、神々の試練が一気に難しくなりました。
余りにも難しくなったので、人の信仰心が薄れてしまったほどです。
よい事ではありませんが、神々の試練ですから、色々な困難があります。
神々自身が試練の邪魔をする事は禁じられましたが、眷属を使って邪魔する事までは禁じられていません」
「エイル神様たちはロキ神様に報復されないのですか?
加護を与えた者を使って報復されないのですか?」
「神を利用しようとしても怒りを買うだけですよ」
「申し訳ございません、恐れ多い事をしてしまいました」
「ロキが強力な眷属を送って来るかもしれないので、私たちから更なる加護を得ようとする気持ちは分かりますが、もうやらないように」
「はい、もう二度とエイル神の慈愛を試したりしません」
「分かってくれれば良いのです。
これからも、これまでと同じように努力すれば良いのです。
そなたたちの努力は必ず報われます」
「はい、ありがとうございます」
エイル神から何の実利も得られなかったが、大きな助言はもらえた。
これまで積み重ねてきた努力に間違いはない。
これからも同じように努力すれば、必ず成果があると教えてもらえたのだ。
エマとライアン、カインとアベルは地下10階までしかないダンジョンに潜った。
著しくレベルアップしたエマが上手く身体を使えるように慣れさせた。
どれほどレベルが上がって力を手に入れても、上手く使えないと意味がない。
思った通りに身体を動かせるように、再び大魔境の奥深くまで行けるように、個人の動きと四人で連携する動きを鍛錬した。
「母上様、楽にして差し上げます、ホーリー・ピュアリフィケイション」
四人が鍛錬に時間を使えるようになったのは、エマの聖治癒術が二十五倍以上強力になり、悪神ロキの呪いを押し止められるようになったからだ。
解呪する事はできなかったが、身体が腐っていくのを押し止め、痛みを無くして死なないようにはできるようになったから、時間をかけて鍛錬できるのだ。
とはいえ、エマは一日でも早く母親の呪いを解きたかった。
だから、急上昇したレベルに合わせた戦いができるようにした。
たった三日間で、急上昇した身体能力に合わせた動きができるようになった。
三人との連携も、これまでとは比べ物にならいくらい上手くなった。
「父上様、行って参ります」
「ああ、絶対に無理をせず、必ず二晩で帰って来るのだぞ!」
「はい、必ず二晩で帰る事をお約束します」
「ライアン、カイン、アベル、エマの事を頼んだぞ」
「はい、お任せください、必ず護って見せます」
「エマは俺たちよりも強くなったから、何も心配いらないよ」
「何かあったら俺たちで盾になるから、何の心配もいらないよ」
四人は村に二つある門の内、大魔境の奥深くに向かう東門に向かった。
「お、これから行くのか、無理するなよ」
「お前たちなら大丈夫だと思うが、引き時を誤るなよ」
「魔獣や眷属を斃すよりも素材集めをがんばれよ」
「また帰りに美味い魔獣を狩って来てくれよ」
村の防壁の外に新しい防壁を造る者たちが声をかけて来る。
ロキの眷属に狙われているのが分かったのだ、これまで以上の警戒が必要だ。
スペシャル・グレイド・ヴァンパイアやプロウジェニタ・ヴァンパイアが村を襲ってくる可能性も考えて、新たな防壁を築くことになったのだ。
村人たちは、村の周囲の見晴らしがよくなるように木々を伐採した。
伐採した木々を丸太にして地面に刺して防壁にする。
外と内で二メートルの間隔を空けた二列の丸太防壁を造る。
高さ八メートル二列の丸太防壁の間に、更に外側を掘って空壕に造る時に出た土を入れて、強固な土塁防壁にする。
土塁防壁は丸太防壁よりも一メートル低くして、丸太防壁の陰に隠れて矢を射り投石できるようにしたが、完成まではまだまだ時間がかかりそうだった。
村の周囲にある大魔境の木々を伐採したが、ヴァンパイアが嫌う木は残した。
トネリコ、サンザシ、オーク、ヤマナラシ、ノバラを残した。
ただ、トネリコ、サンザシ、オーク、ヤマナラシ、ノバラの枝や蔦をたくさん刈って、丸太防壁の外側にヴァンパイア除けとして打ち付けた。
更にヴァンパイアや魔獣が嫌うノバラを丸太防壁の外側に移植した。
以前からある村の防壁や村長の館の外側にはノバラが繁茂していて、レッサー・ヴァンパイアやインターミーディア・ヴァンパイアの侵入は防いでくれるのだが……
新鮮なアグー肉でも特に美味しい部位、やわらかい部位がステーキにされ、村人全員がお腹一杯食べられた。
村では貴重なお酒、野ブドウや山ブドウで造ったワインを飲めた。
果樹や穀物の栽培が難しいこの世界では、パンやパスタ、穀物酒がとても貴重だ。
村で飲めるお酒と言えば、家畜の乳から造った乳酒かハチミツ酒が主だ。
果物から醸造するワインは滅多に飲めない超貴重品だった。
大魔境の中にある危険な村とは思えないくらい夜遅くまで大宴会が続いたが、エマとライアン、カインとアベルは腹一杯食べたら直ぐに眠った。
ロース肉とヘレ肉、しんたまとランプ肉のステーキを腹一杯食べてから眠った。
四人は夜明けとともに目を覚まし、精一杯身ぎれいにした。
歯を磨き口を雪ぎ、井戸水で身を清めてから神殿に集合した。
「エイル神様、テュール神様、ウル神様、ロキ神様の眷属であるレッサー・ヴァンパイアを斃した事を報告させていただきます。
ロキ神様が神々の試練の邪魔をしていると思うのですが、これは許されれる事なのでしょうか?」
神殿に集まった四人は神々と交渉する心算だった。
交渉と言うのは大げさだが、疑問に思った事を聞いて確かめたかった。
話し合って決めた質問をエマが代表して聞く事になっていた。
「ロキが邪魔するようになって、神々の試練が一気に難しくなりました。
余りにも難しくなったので、人の信仰心が薄れてしまったほどです。
よい事ではありませんが、神々の試練ですから、色々な困難があります。
神々自身が試練の邪魔をする事は禁じられましたが、眷属を使って邪魔する事までは禁じられていません」
「エイル神様たちはロキ神様に報復されないのですか?
加護を与えた者を使って報復されないのですか?」
「神を利用しようとしても怒りを買うだけですよ」
「申し訳ございません、恐れ多い事をしてしまいました」
「ロキが強力な眷属を送って来るかもしれないので、私たちから更なる加護を得ようとする気持ちは分かりますが、もうやらないように」
「はい、もう二度とエイル神の慈愛を試したりしません」
「分かってくれれば良いのです。
これからも、これまでと同じように努力すれば良いのです。
そなたたちの努力は必ず報われます」
「はい、ありがとうございます」
エイル神から何の実利も得られなかったが、大きな助言はもらえた。
これまで積み重ねてきた努力に間違いはない。
これからも同じように努力すれば、必ず成果があると教えてもらえたのだ。
エマとライアン、カインとアベルは地下10階までしかないダンジョンに潜った。
著しくレベルアップしたエマが上手く身体を使えるように慣れさせた。
どれほどレベルが上がって力を手に入れても、上手く使えないと意味がない。
思った通りに身体を動かせるように、再び大魔境の奥深くまで行けるように、個人の動きと四人で連携する動きを鍛錬した。
「母上様、楽にして差し上げます、ホーリー・ピュアリフィケイション」
四人が鍛錬に時間を使えるようになったのは、エマの聖治癒術が二十五倍以上強力になり、悪神ロキの呪いを押し止められるようになったからだ。
解呪する事はできなかったが、身体が腐っていくのを押し止め、痛みを無くして死なないようにはできるようになったから、時間をかけて鍛錬できるのだ。
とはいえ、エマは一日でも早く母親の呪いを解きたかった。
だから、急上昇したレベルに合わせた戦いができるようにした。
たった三日間で、急上昇した身体能力に合わせた動きができるようになった。
三人との連携も、これまでとは比べ物にならいくらい上手くなった。
「父上様、行って参ります」
「ああ、絶対に無理をせず、必ず二晩で帰って来るのだぞ!」
「はい、必ず二晩で帰る事をお約束します」
「ライアン、カイン、アベル、エマの事を頼んだぞ」
「はい、お任せください、必ず護って見せます」
「エマは俺たちよりも強くなったから、何も心配いらないよ」
「何かあったら俺たちで盾になるから、何の心配もいらないよ」
四人は村に二つある門の内、大魔境の奥深くに向かう東門に向かった。
「お、これから行くのか、無理するなよ」
「お前たちなら大丈夫だと思うが、引き時を誤るなよ」
「魔獣や眷属を斃すよりも素材集めをがんばれよ」
「また帰りに美味い魔獣を狩って来てくれよ」
村の防壁の外に新しい防壁を造る者たちが声をかけて来る。
ロキの眷属に狙われているのが分かったのだ、これまで以上の警戒が必要だ。
スペシャル・グレイド・ヴァンパイアやプロウジェニタ・ヴァンパイアが村を襲ってくる可能性も考えて、新たな防壁を築くことになったのだ。
村人たちは、村の周囲の見晴らしがよくなるように木々を伐採した。
伐採した木々を丸太にして地面に刺して防壁にする。
外と内で二メートルの間隔を空けた二列の丸太防壁を造る。
高さ八メートル二列の丸太防壁の間に、更に外側を掘って空壕に造る時に出た土を入れて、強固な土塁防壁にする。
土塁防壁は丸太防壁よりも一メートル低くして、丸太防壁の陰に隠れて矢を射り投石できるようにしたが、完成まではまだまだ時間がかかりそうだった。
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トネリコ、サンザシ、オーク、ヤマナラシ、ノバラを残した。
ただ、トネリコ、サンザシ、オーク、ヤマナラシ、ノバラの枝や蔦をたくさん刈って、丸太防壁の外側にヴァンパイア除けとして打ち付けた。
更にヴァンパイアや魔獣が嫌うノバラを丸太防壁の外側に移植した。
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