妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢の言い分

克全

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16話

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「お召により学院から参りましたフェルドナンドと申します。
 以後宜しくお願いいたします」

「遠路はるばるよく来てくださいました、フェルドナンド殿。
 早速ですが、学院で学んだ王族と公爵家男性の資料を見せてください」

「こちらでございます。
 どうぞご確認願います」

「ありがとうございます、フェルドナンド殿」

 大陸連合魔法学院は、私の願いをかなえてくれました。
 ただし、現役の教師を召し抱える事は不可能でした。
 一時派遣という形式でした。
 もしかしたら、大陸連合魔法学院の教師を召し抱えてから、気に喰わないと殺してしまった王侯貴族がいたのかもしれません。
 大切な教師を護るために、必要な形式なのかもしれません。

「エヴァ。
 フェルドナンド殿を部屋に案内してあげて。
 家臣や弟子の方々にも相応の部屋を用意してください。
 必要なら中屋敷をフェルドナンド殿の専用にして」

「承りました」

「厚遇痛み入ります」

 長々とした挨拶をして、私とフェルドナンド殿は別れました。
 しかし、フェルドナンド殿の到着は早すぎるくらい早いです。
 我が家から使いの伝書魔鳥を送ってまだ七日です。
 誰を我が家に送るか、派閥争いを繰り広げて決定しなければいけない事です。
 学院と言えども人間が集まっているのです。
 権力闘争があって当然なのです。

 それがこれほど早く来たというのは、最初から次に依頼があったら誰を送るか、拮抗する派閥間で決めていた可能性があります。
 それが左遷なのか利権なのかはわかりませんがね。
 あとは、そうですね、フェルドナンド殿個人か、フェルドナンド殿が所属している派閥が圧倒的な力を持っているから利権を確保した場合と、圧倒的弱くて左遷されたかですね。

 我が家としてはどちらでも構いません。
 フェルドナンド殿に知識と力があって、役に立ってくれればいいのです。
 少なくとも魔力が強大なのは確かでしょう。
 あれほど遠くの学院から、ここまで飛行魔法で飛んできたのですから。
 しかも家臣や弟子まで運ぶというのですから、公爵家に匹敵する魔力を持っているのでしょう。

 フェルドナンド殿をよく調べないといけませんね。
 フェルドナンド殿が持ってきてくれた資料には、彼の事は記載されていません。
 わざと隠蔽したのかもしれません。
 そもそも教師になった者は、資料から削除するのかもしれません。
 結婚していて、婿の候補にはならないと判断されたのかもしれません。
 ですが、あの気配は只者ではありません。
 訳ありで学院に預けられた王公族で、教師にまでなれるモノならば、婿候補として合格です。
 今見た資料にろくな男がいない以上、彼を調べるのが最優先です。
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