妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢の言い分

克全

文字の大きさ
28 / 40

27話

しおりを挟む
「フェルドナンド殿。
 ファンケン公爵家の従属爵位、リポン侯爵家の世襲を認めます。
 ファンケン公爵家が新たに得た未開地の内、三千万石分を領地として与えます」

「ありがたき幸せでございます」

 簡単なあいさつです。
 とても今回の黒幕に対する褒美とは思えません。
 ですがこれがフェルドナンドとの約束です。
 サンアリステラ皇国に悟られないようにするためです。
 隠し通せるものではないと思いますが、時間稼ぎしたいのでしょう。

 フェルドナンドに関しては、従属爵位として内々にすませましたが、従属爵位から独立した王家の爵位に改めた、エヴァ侯爵家のエヴァには、王宮で大々的に陞爵の儀式を執り行った。
 フェルドナンドの事を隠す意味もありましたが、長年辛い想いをしてきたエヴァに幸せになってもらいたいという想いが強かったのです。

 それにエヴァには、私が女王に戴冠したサンファンケーン王国の宰相を務めてもらわないといけません。
 アキーレヌに反感を持ち、剣を向けた貴族士族だからといって、私に忠誠心を持ってくれるとは限らないのです。
 私が心から信じられるのは、エヴァだけなのです。

 今回の件も、エヴァが全て取り仕切ってくれました。
 貴族家の力を抑えるためにも、褒美を少なく抑えるためにも、アキーレヌに愛想をつかしていた王家直属士族だけを使って、アキーレヌと一味を滅ぼしました。
 ジャンバッティスタ辺境伯家、バルフォア侯爵家、フィールド伯爵家、ベアリング伯爵家などの王都駐留領主軍を全滅させ、領地にまで遠征して一族一門を根絶やしにし、城地をサンファンケーン王家の直轄領としました。

 そのうちの半分は、戦ってくれた王家直属士族の褒美に与えました。
 徒士家は騎士家とし、騎士家は準男爵家とし、準男爵家は男爵家としました。
 特に働いてくれた士族家には、分家を認めて徒士家としました。
 徒士家の数が足らなくなったからです。
 もっとも、不足する王家直属徒士家は。ファンケン公爵家の家臣からサンファンケーン王家の直臣に取立てた徒士家が多かったです。

 カラッテ王家の直属だった士族たちはよく戦ってくれました。
 旗幟を鮮明にせず、隣国やアキーレヌにも臣従する姿勢を見せていた貴族家は、容赦せずに滅ぼしたのですが、その時にも命懸けで戦ってくれました。
 加増や家格上昇を恩に感じてくれたのでしょう。
 お陰でジャンバッティスタ辺境伯家たちの時以上に多くの貴族領を、サンファンケーン王家の直轄領とすることができました。
 お陰で領地の統廃合に、領界の変更、検地まですることができました。
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした

由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。 無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。 再び招かれたのは、かつて母を追放した国。 礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。 これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

10日後に婚約破棄される公爵令嬢

雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。 「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」 これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。

ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない!! 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

処理中です...