妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢の言い分

克全

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35話

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「女王陛下。
 コーンウォリス王国が我が国に攻め込んできました。
 これを見過ごすわけにはまいりません。
 断固とした態度を示すべきです」

「リポン侯爵はどうすればいいと考えるのですか?」

「コーンウォリス王国に直接抗議を行います。
 近隣諸国にコーンウォリス王国の暴虐を訴えます。
 近隣諸国に周知徹底できた時点で、コーンウォリス王国に攻め込みます。
 王都を一撃で攻め滅ぼし、地方の貴族士族に臣従を誓わせます」

「エヴァ侯爵はどう思いますか?」

「私はリポン侯爵に賛成です。
 ここで弱気な対応をすれば、近隣諸国が一斉に攻め込んでくる可能性があります。
 断固とした態度をとるべきです。
 諸侯はどうおもわれますか?」

「断固とした態度をとるべきです」
「断じて戦うべきです」
「今直ぐ攻め込みましょう」
「我々も戦います!」
「おう、我らも戦うぞ!」
「「「「「おう」」」」」

 フェルドナンドの思惑通りなのでしょう。
 コーンウォリス王国はフェルドナンドに踊らされているのだと思います。
 いえ、フェルドナンドが止めなくなったのかもしれません。
 フェルドナンドが自分の欲望で人を陥れた事はないです。
 いえ、ないと思います。

 フェルドナンドの能力なら、コーンウォリス王国の王族と重臣を誘導し、近隣諸国も誘導して、我が国に攻め込ませないようにできるでしょう。
 それは過去と現在のフェルドナンドの手腕を見れば確信できます。
 ですが、こちらに有利に対処できる準備が整った時点で、コーンウォリス王国に対する牽制を止めたのでしょう。
 逆撃して侵攻占領するのに一番都合がいいから。

 コーンウォリス王国が選ばれた理由はいろいろあるでしょう。
 我が国に領地を接する近隣諸国の中で、一番弱いからかもしれません。
 我が国の発展に必要な鉱物資源があるのかもしれません。
 防衛戦略上必要な要地なのかもしれません。
 なにを優先して考えたのかは、私には分かりませんが、必要なのでしょう。

 ただ今回はモンザ王家の時と違う事があります。
 国内貴族の参戦を許可したのです。
 王家が領地を独占するのなら、モンザ王国の時のように、王家直属の騎士や徒士だけで攻め滅ぼすのが一番です。
 それを貴族をあおって参戦させようとしています。

 もし私が貴族なら、思いっきり警戒します。
 何か罠がしかけられていると疑い、陥れられないようにします。
 あ、いえ、これはフェルドナンドに失礼ですね。
 陥れられるのではありません。
 間違いをしでかさないようにです。

 王家王国に処罰されるという事は、家臣として主君主家に逆らって、利を盗んでいるいるという事です。
 貴族士族にあるまじき卑怯下劣な真似をしているという事です。
 ここまで考えればフェルドナンドの考えが分かります。
 コーンウォリス王国を占領併合するだけでなく、目障りな有力貴族を潰す正当な理由を手に入れるつもりでしょう。
 
 私は今まで以上にフェルドナンドが怖くなりました。
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