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アムラ王国・テトラ街
6m級アナコンダ
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「イルオン、アナコンダは美味しい獲物なんだね?」
「はい、御師匠様、アナコンダは食べてももちろん美味しいのですが、皮が良質で高く売れます。」
「今回のアナコンダも高く売れるんだね?」
「はい、でも高く売る為なら、僕達の訓練相手にして皮に傷をつけないようにした方がいいです」
「なるほどね、パラライズで麻痺させて、一撃で頭を砕いて殺した方が品質が低下しないんだね」
「はい、それに止めさえ刺させて頂ければ経験値は手に入ります」
「確かにそうだね、でもそうしてしまうと、パーティーの連携を実戦訓練すると言う訳にはいかないし、死の緊張感を感じながら訓練出来なくなるね」
「はい」
「俺は食料さえ確保出来ればいいし、君達には目先の御金より経験値が大切だと思う、ここは危険になるまで極力自分達で狩ってもらおう。命の危険があると判断したら、即座に支援するから、出来る限り戦いなさい」
「ありがとうございます、御師匠様」
10m級のアナコンダを仕留めた後、近づく前から存在が分かっていた、6m・180kg級のアナコンダ22頭を順番に確認した。この周辺に群棲しているのだろうアナコンダ達を、見習達の練習相手に選んで交代で戦わせた。
実戦経験のほとんどない見習達には、6m級と言えどもアナコンダは強敵だった。1人が噛み付かれ絞め殺されそうになるたびに、パラライズの魔法を掛けて支援して訓練終了とする。最後は公平に止めを刺した事の無い者を選んで仕留めさせた。
だが天性の才能だろうか?
イルオン、ローザ、ジェミニ等は、パーティーメンバーに的確な指示を与え、上手くアナコンダの注意を反らして会心の一撃を頭部に加えて仕留めると言う快挙を成し遂げた。中級冒険者以上なら簡単な事なのだろうが、初級どころか見習いでしかない彼らにとったら、自慢したくなるような成果なんだそうだ。
セイの御蔭で圧倒的な力を手に入れ、この世界に来てから苦労や危険など無縁の生活なので、彼らの喜びに輝いた姿が少々眼に眩しい。
純真無垢とまでは言わないが、努力を重ねて少しづつ力をつけ、目標を達成していく姿を見ていると、胸の中でズキズキと痛むものがある。理不尽なまでの、運不運と言うのか運命と言うのか分からないが、俺と彼らの力の差に良心が疼いた。
(ミノル、こればかりは仕方がないのだ、天命と言うべきか運命と言うべきかは我にも分からないが、ミノルが選ばれたのだ。ミノルはその力の使い方を間違わないようにすればいいのだ)
そうだな、それしかないのだな!
(ほれ、もう少し行ったところにも彼らに丁度いい獲物がいるぞ)
「次の獲物を狩りに行く、油断する事無く索敵に全力を注げ!」
「「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
「はい、御師匠様、アナコンダは食べてももちろん美味しいのですが、皮が良質で高く売れます。」
「今回のアナコンダも高く売れるんだね?」
「はい、でも高く売る為なら、僕達の訓練相手にして皮に傷をつけないようにした方がいいです」
「なるほどね、パラライズで麻痺させて、一撃で頭を砕いて殺した方が品質が低下しないんだね」
「はい、それに止めさえ刺させて頂ければ経験値は手に入ります」
「確かにそうだね、でもそうしてしまうと、パーティーの連携を実戦訓練すると言う訳にはいかないし、死の緊張感を感じながら訓練出来なくなるね」
「はい」
「俺は食料さえ確保出来ればいいし、君達には目先の御金より経験値が大切だと思う、ここは危険になるまで極力自分達で狩ってもらおう。命の危険があると判断したら、即座に支援するから、出来る限り戦いなさい」
「ありがとうございます、御師匠様」
10m級のアナコンダを仕留めた後、近づく前から存在が分かっていた、6m・180kg級のアナコンダ22頭を順番に確認した。この周辺に群棲しているのだろうアナコンダ達を、見習達の練習相手に選んで交代で戦わせた。
実戦経験のほとんどない見習達には、6m級と言えどもアナコンダは強敵だった。1人が噛み付かれ絞め殺されそうになるたびに、パラライズの魔法を掛けて支援して訓練終了とする。最後は公平に止めを刺した事の無い者を選んで仕留めさせた。
だが天性の才能だろうか?
イルオン、ローザ、ジェミニ等は、パーティーメンバーに的確な指示を与え、上手くアナコンダの注意を反らして会心の一撃を頭部に加えて仕留めると言う快挙を成し遂げた。中級冒険者以上なら簡単な事なのだろうが、初級どころか見習いでしかない彼らにとったら、自慢したくなるような成果なんだそうだ。
セイの御蔭で圧倒的な力を手に入れ、この世界に来てから苦労や危険など無縁の生活なので、彼らの喜びに輝いた姿が少々眼に眩しい。
純真無垢とまでは言わないが、努力を重ねて少しづつ力をつけ、目標を達成していく姿を見ていると、胸の中でズキズキと痛むものがある。理不尽なまでの、運不運と言うのか運命と言うのか分からないが、俺と彼らの力の差に良心が疼いた。
(ミノル、こればかりは仕方がないのだ、天命と言うべきか運命と言うべきかは我にも分からないが、ミノルが選ばれたのだ。ミノルはその力の使い方を間違わないようにすればいいのだ)
そうだな、それしかないのだな!
(ほれ、もう少し行ったところにも彼らに丁度いい獲物がいるぞ)
「次の獲物を狩りに行く、油断する事無く索敵に全力を注げ!」
「「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
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